日本でも古くから輸入実績のあるブランド「フォルクスワーゲン」。かつては空冷のビートル(タイプ1)、現在はゴルフと主力モデルが変遷しつつも長年の支持を得ています。ほかにも数多くのモデルが日本には上陸していますが、T6.1カラベル/カリフォルニアのようにさまざまな理由により未導入のモデルも存在します。
今回はフォルクスワーゲンの「イイモノ感」をしっかり感じられる日本未導入のフラッグシップSUV、トゥアレグ(VOLKWAGEN Touareg)を解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
フォルクスワーゲン トゥアレグとは
フォルクスワーゲン トゥアレグは、同社の大型SUV。小さなT-Crossをはじめ最近SUVラインナップに力を入れているフォルクスワーゲンSUVのなかでは長男的な存在で、ボディサイズは全長:4,878mm×全幅:1,984mm×全高:1,756mm(英国仕様BlackEdition)と堂々とした体躯。国産車ではトヨタ ランドクルーザー・プラドやマツダ CX-8よりも大きく、ランドクルーザー(200系)に迫るサイズです。フォルクスワーゲンの最大セダンとなるフィデオン(かつてのフェートンの後継)が欧州市場には導入されていないため、事実上のフラッグシップとも言えます。
現在販売されているモデルは、2018年にフルモデルチェンジした3代目モデル。プラットフォームにはフォルクスワーゲンMLB Evoプラットフォームを採用。プラットフォーム共用する兄弟車には、初代からの兄弟車であるポルシェ カイエンをはじめ、アウディ Q7、ランボルギーニ ウルス、ベントレー ベンティガと錚々たるメンバーが並びます。2020年には各所を専用パーツでブラックアウトされたデザインコンシャスな「Black Edition」(英国仕様に設定)をはじめ、フォルクスワーゲンではゴルフ、パサートに次ぎ3番目となるPHEV仕様の「トゥアレグR」(欧州左ハンドル仕様に設定)が追加されています。
日本市場には初代と2代目モデルが正規導入され、W12ユニットを搭載し、同ブランド初の1000万円を超えるプライスタグ掲た限定車「W12 SPORT」などが話題になりましたが、3代目モデルは日本市場に導入されていません。
フォルクスワーゲン トゥアレグ 紹介動画(約3分)
ココがスゴイ!フォルクスワーゲン トゥアレグ
フォルクスワーゲン トゥアレグを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- コンセプトは継承しつつもさらに進化
- アルミ素材を積極的に導入した軽量化
- ダウンサイジングされたパワーユニットを採用し環境性能も向上
- 同社SUV初のプラグインハイブリッド仕様(トゥアレグR)
- デザインコンシャスのBlackEditionも追加(英国仕様)
スタイリングとインテリア
- 控えめで質実剛健な品の良さを感じられるエクステリア
- キープコンセプトだがよりワイド&ローなシルエットに
- 大画面のタッチスクリーンと高音質オーディオシステムの設定
- イイモノ感が伝わってくる質感と組みつけ精度の高さ
トゥアレグのデザインは基本的に先代モデルからキープコンセプト。LEDマトリクスヘッドライトをはじめ、モデルチェンジにより開口部が大型化され、ソリッドクローム処理されたフロントグリルはマテリアルから削り出したかのような質感をもちます。フロントセクションの雰囲気は同社のMPVのフラッグシップ、T6.1カラベルなどにも共通した雰囲気です。先代モデルと比べてクロームパーツは増えましたが、それでもライバルとなる同クラスのSUVと比べるとまだ少なめで、あまり前に出すぎない控えめで質実剛健な品の良さを感じます。
ボディサイズは全長・全幅が拡大された一方、全高は少し下げられ、より安定感のあるワイドアンドローなシルエットになりました。ボディサイズは拡大されましたが、各所にアルミニウムの素材を採用することで先代モデルよりも軽量化を実現。軽やかな走行フィールと燃費性能の向上にも寄与しています。
インテリアでまず目に入るのがインパネ中央にセットされる大画面のタッチスクリーンは最大15インチ。これはクラス最大級のサイズで、まるでタブレット端末をそのまま埋め込んだような迫力です。そのほかの操作系のレイアウトは分かりやすく機能的。華美な豪華さなどでアピールせず、質感の高さや組みつけ精度など、語らずともフォルクスワーゲンの高級車ならではの「イイモノ感」が伝わってきます。
シートは大振りで座り心地がよいという評判。広い室内空間に対して3列シートの設定はありませんが、そのぶん5人のパッセンジャーの余裕とこれ以外の部分は大容量のラゲッジとして割り当てられています。この容量自体も先代モデルと比べて100L以上拡大されています。
今回のモデルチェンジではインフォテイメントシステムをはじめ各部のデジタル化も進みました。「Innovisionコックピットと呼ばれる12インチの大型デジタルコックピットの初採用やフロントガラス ヘッドアップディスプレイを装備。オーディオについてはデンマークのハイエンドオーディオブランド「Dynaudio」の出力730Wの7.1chアンプを搭載した14スピーカーオーディオシステム搭載モデルもあり、フラッグシップとして相応しいものが提供されます。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ガソリンとディーゼルに加えプラグインハイブリッドが設定。
- ガソリン
3.0L V6 ターボ TSI 340PS (250kw)/450Nm - ディーゼル
3.0L V6 ディーゼル TDI 231PS (170kw)/500Nm
3.0L V6 ディーゼル TDI 286PS (210kw)/600Nm - ハイブリッド(欧州左ハンドル仕様 トゥアレグRのみ)
3.0L V6 ターボ+電気モーター eHybrid システム合計 462PS (340kw)/700Nm
かつてはW12ユニットなども設定されたトゥアレグですが、ガソリンは3.0L V6が1種類。先代モデルの3.6Lからダウンサイジングされつつも低燃費化と出力が向上しています。燃費性能は欧州複合で10.7km/Lです。ディーゼルは3.0L V6のTDIがチューニング違いで2種類設定。現在フォルクスワーゲンの乗用車で販売されるディーゼルでは最大サイズのユニットになります。ハイブリッドはガソリン3L V6エンジンに電気モーターの組み合わせ。外部充電が可能なプラグインハイブリッド仕様になります。
駆動方式は全車AWDの4MOTION。トランスミッションは2ペダル、8速ティプトロニックが設定。変速のスムーズさが評判のトランスミッションです。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:ウィッシュボーン、リア:ウィッシュボーンに一部エアサスペンションの設定もあります。チューニングは基本的に安定性重視の設定で、ボディサイズや重量、車高を感じさせない乗り味に仕上がっています。尖った部分は少ないかも知れませんが安心感があるもので、好意的な意味で「ゴルフをそのまま大きくしたようなものである」と現地では評価されているようです。これに加えてオプションで4輪操舵システムも設定。大柄なボディに対して小回りが効くので、日本で乗るには選択したいオプションのひとつです。
さらにポイントは最大3.5トンの牽引力の高さ。これに牽引時の車庫入れなどをサポートをするトレーラーサポートも装備されています。メーカーは欧州でトゥアレグを選んだユーザーの40%近くがキャンピングトレーラーなどのレジャーアイテムの牽引に使っている言われており、このニーズに応えた形になります。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,878×1,984×1,756 mm
【ホイールベース】2,899mm 【トレッド】前/後:1,653 / 1,669mm
【車両重量 2,027kg
●エンジン
【構成】水冷V型6気筒ターボ DOHC24V フロント縦置き 気筒休止機構付
【総排気量】2995cc 【直径×内径】 -×-mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】340ps(250kw)/-rpm 【最大トルク】450Nm/1340-5300rpm
【燃料容量】-L
●駆動系
【駆動方式】AWD 【トランスミッション】6AT
【サスペンション】(前)ウィッシュボーン / (後)ウィッシュボーン
【ブレーキ】(前)- / (後)-
【タイヤ】(前後)285/40R21
●パフォーマンス
【最高速度】250km/h 【0-100km/h加速】5.9秒
【燃費】約10.7km/L(新欧州複合基準)【価格】英国仕様 2021モデル:£63,415
歴史とトリビア
フォルクスワーゲン トゥアレグ関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- 欧州市場ではVWのフラッグシップに相当するモデル
- 世界各国で合計100万台以上のセールス実績
- 初代モデルにはW12ユニットのモデルも設定
- W12モデルは日本に導入されたVW車で初となる1000万円超えのモデル
- 初代モデルにはV10ディーゼルユニットも設定
- プラグインハイブリッドはゴルフ、パサートに次ぐ3番目に設定
ライバル
兄弟車だけでも錚々たるラインナップとなるトゥアレグですが、現在人気のプレミアムSUV市場には多くのライバルがあります。兄弟車以外の近しいライバルとしてボルボ XC90とレンジローバー スポーツを挙げます。
- ボルボ XC90
- レンジローバー スポーツ
- メルセデス・ベンツ GLEクラス
- BMW X5
- アウディ Q7
- ポルシェ カイエン
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
フォルクスワーゲンのフラッグシップSUVとしてさらに完成度を高めてきた3代目トゥアレグですが、現時点では日本市場に導入されておらず、今後の導入予定もアナウンスされておりません。これは初代および2代目の頃と比べて多くの兄弟モデルが正規導入されていることや、ブランドの棲み分けの戦略で導入を見送られているのかもしれません。そのため確実に手に入れるなら並行輸入が確実な方法です。
トゥアレグのグレード構成は以下の通りです。右ハンドル英国仕様/左ハンドル欧州仕様ともに展開され、これとは別にプラグインハイブリッドのトゥアレグRが左ハンドル欧州仕様のみ設定されます。
グレード構成(右ハンドル英国仕様)
- SE
フロント/リアパーキングセンサー、フロントヒーテッドシート、アダプティブクルーズコントロールなどなどが装備 - SEL
(SEに加え)クロームサイドウインドウ、バンパーモールディング、クロームエキゾーストパイプ、Viennaレザーシートなどが装備 - SEL Tech
(SELに加え)19インチTiranoアルミホイール、INNOVISIONコックピット、15インチタッチスクリーン、電動オートテールゲートなどが装備 - R-Line
(SELに加え)20インチBragaダークグラファイトアルミホイール、R-Lineロゴ入り専用シート、R-Line専用エクステリア(バンパー、ドアパネルなど)などが装備 - R-Line Tech
(R-Lineに加え)20インチNevadaブラックアルミホイール、R-Lineロゴ入り専用Viennaレザーシート、15インチタッチスクリーンなどが装備 - BlackEdition
(R-Line Techに加え)21インチSuzukaグロスブラックアルミホイール、25mmローダウンセルフレベリング機能付きエアサスペンション、ドアミラー、アッパーグリルなどのブラックアウト処理などが装備
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)
- Touareg
18インチCascadeアルミホイール、2ゾーンエアコン、LEDデイタイムランニングライトなどが装備 - Atmosphere
(Touaregに加えて)18インチCordovaアルミホイール、クローム処理されたサイドウィンドウトリムおよびインテーク、レザーシートなどが装備 - Elegance
(Atmosphereに加え)18インチConcordiaアルミホイール、ダッシュボードおよびドアパネルのアルミ素材などを装備などが装備 - R-Line
(Eleganceに加え)19インチSebringアルミホイール、R-Line専用エクステリア、ソウルブラックのルーフライニング、R-Lineロゴ入りViennaレザーシートなどが装備
そのなかでもオススメは、右ハンドル英国仕様のBlackEditionにV6ガソリンTSIの組み合わせです。トゥアレグのなかでもV6のTSIはハイパワーなのに加え、フォルクスワーゲンでも少なくなってきたガソリン・マルチシリンダーならではのフィールが魅力。これに4MOTIONが路面を選ばない安定性の高い快適な走りを提供。BlackEditionはデザインコンシャスに仕上がっていますが、「やりすぎない」プレミアム感の演出されています。このチョイスは控えめな高級感のなかにある洗練性と実用性。フォルクスワーゲンならではの「イイモノ感」を感じられるトゥアレグは、控えめを美徳とする日本の感覚にマッチした一台と言えるでしょう。日本の街を闊歩する高級SUVの多さに少々お腹一杯になりつつあるユーザーにこそ、せひ選んでみてはいかがでしょうか?
- フォルクスワーゲン トゥアレグ Black Edtion V6 3.0TSI 4MOTION 8speed Auto Tiptronic(右ハンドル英国仕様)
- フォルクスワーゲン トゥアレグ Touareg V6 3.0TSI 4MOTION 8speed Auto Tiptronic(左ハンドル欧州仕様)
ほかにもベーシックグレードや左ハンドル欧州仕様なども選択可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
(£1=140円/€1=125円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:£63,415)\11,159,000
(現地値引き交渉前価格:€64,960)\10,362,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。