並行輸入車とは?正規輸入車とどう違う?

陸揚げされたコンテナの保管ヤード
陸揚げされたコンテナの保管ヤード

並行輸入車・正規輸入車の定義

ウィズカーズでも良く使っている「並行輸入車」という名称。よく、「正規ディーラーで売ってるクルマが正規輸入車で、そうでないものが並行輸入車」という言われ方をしますが、流通や販売実務上の手続きから判断すると、実はこれでほぼ正解と言えます。

厳密には輸入形態や日本国内での各種審査・検査・手続きに違いがあり、法規上もコレ、という定義はありませんが、概ね次のように定義できます。

正規輸入業者(メーカーの日本法人や契約輸入代理店)が自動車メーカーから自動車(新車)を購入して輸入し、日本国内での各種審査・検査・手続きを経て、直営・契約下の販売店を通して消費者に販売される車両を正規輸入車といい、上記に該当しない輸入車(中古車を含む)を並行輸入車という。

自動車業界内での正規輸入車・並行輸入車の分類はほぼ、この定義で説明がつくもので、ウィズカーズで使う「並行輸入車」はこの定義に準拠するものとします。

輸入車の輸入・審査手続き

もう少し、詳しく見てみましょう。以下の図も参考にしてください。青矢印が正規輸入の流れ、赤矢印が並行輸入の流れです。

輸入車の輸入・審査手続き(青矢印が正規輸入)

輸入車の輸入・審査手続き(青矢印が正規輸入)

正規輸入車の流れ

正規輸入業者(メーカーの日本法人や契約輸入代理店、インポーターのこと)が自動車メーカーから自動車(新車)を購入して輸入します。

その後、販売戦略や販売数、車両の特性等により以下の3つの制度の手続き(自動車認証制度といいます)のいずれかを経て日本国内での走行が可能な認証をとりつけます。

  • 型式指定制度:大量販売する車両に適用し、モデル毎の型式を取得。(一般に販売される正規輸入車の多くはこれに該当します)
  • 共通構造部(多仕様自動車)型式指定制度:仕様が多岐にわたる車両、主にバスやトラック等に適用されます。
  • 輸入自動車特別取扱制度:、日本国内で少数販売(年5000台まで)される輸入自動車のみに適用。型式指定制度よりも手続きが大幅に簡素化されています。

認証を受けた車両は直営・契約下の販売店を通して消費者に販売されます。

正規輸入車も並行輸入車の手続きを経て販売されることも

正規輸入車でも特殊なモデル等をごく少数(数十台程度)限定販売する場合は、「並行輸入自動車届出書の提出」、「並行輸入自動車審査」の手続きによって認証が行われる場合があります。上の図だと斜めの青矢印です。

手続き上は並行輸入車なのですが、販売経路が正規輸入車と同一なので一般的には正規輸入車として扱われます。

並行輸入車の流れ

並行輸入では海外のディーラー等を通して、並行輸入業者が購入・輸入した自動車(新車・中古車)が「並行輸入自動車届出書の提出」、「並行輸入自動車審査」の手続きを経て一般消費者に販売されます。

手続きの中には、排ガス検査、国内保安基準適合証明等が含まれ、原則として個体ごとの審査・手続きになりますが、同型車の場合には一部の項目の簡略化が認められています。

結論

以上によって言えることは、

自動車メーカーと契約関係にあるインポーターが輸入し系列の販売網を使用して販売した輸入車は国内の認証制度のどれによって認証を受けるかに関わらず、正規輸入車として扱われている。

ということです。

正規輸入車はメーカーが関与していることからも、並行輸入車に比べ手厚いサポートが特徴です。このあたりは「並行輸入車を購入するメリットとデメリット」にも関連情報がありますのでご覧ください。

また、制度関係の情報は以下の組織・団体の情報を参考にしています。より詳しい情報をお求めの場合にはご覧ください。

参考
●日本自動車輸入組合(JAIA):http://www.jaia-jp.org/
海外の自動車メーカーと直接輸入契約を結ぶインポーターによって構成される業界団体(非営利法人)
●自動車技術総合機構(NALTEC):http://www.naltec.go.jp/
国土交通省管轄の独立行政法人。車検・リコールの調査・審査・検証他、型式認定の保安基準適合性審査、並行輸入自動車審査等を行っている。
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