今回は、2018年に大規模なマイナーチェンジが実施されたシトロエンのSUV、日本未導入の新型C4 カクタス(CITROEN C4 Cactus 2018-)について、概要・スペック・価格等、並行輸入で乗るための情報をご紹介します。
シトロエン C4 カクタスとは
C4カクタスは、シトロエンのCセグメントを担うC4の派生モデルとして2014年に登場した個性派SUVモデル。何物にも似ていない独創のスタイリング、インテリアを持ち、エアバンプと呼ばれる衝撃吸収素材のアクセントを初採用。欧州では本家C4を上回る販売実績を上げました。日本には2016年に200台限定で正規導入され即完売。新型2018年モデルではハイドロサスの復活と新シートの採用で、乗り味のシトロエンらしさにさらなる磨きがかけられています。
ココがスゴイ!シトロエン C4 カクタス
新型C4 カクタスを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 近代シトロエンの祖ともいえる独創的なスタイリングとインテリア
- 待望のハイドラクティブ(ハイドロ)サスペンション「PHC」の復活
- ハイドロサスと同コンセプトの新シートでシトロエンならではの乗り味
- 定評の直3 1.2L PureTechターボ、新直4 1.5L BlueHDi ディーゼルエンジンを搭載
- 専用設計による軽量・コンパクトなボディ
前モデルよりもアヴァンギャルドさはやや薄れたものの、新型C4 カクタスはスタイリング、インテリア、乗り味において現在のシトロエンの思想を最も色濃く反映させた一台です。
C4カクタス CM動画(約30秒)
スタイリングとインテリア
- MCで外観は個性を継承しつつも少し落ち着いたエクステリアに
- 特徴的なエアバンプは控えめなり、ボディ下部に移動
- エメラルドブルーをはじめMCで新色追加
- ベンチシートは廃止されたが、個性的なインパネは健在
- アドバンスド・コンフォート・プログラムが適用された快適なシート
C4カクタスは非常にコンパクトかつ軽量に仕上げられています。全長は約4.17m、全幅は1.72mで取り回しは良好、重量は1トン少々であり、出足の軽さや燃費にもプラスに作用します。
今回のMCで外観は個性を継承しつつも少し落ち着いた雰囲気に変化しました。フロントには薄型のグリルが設けられテールランプも一般的なものになった他、特徴的なエアバンプは小型化されサイドシル付近に移されています。これらは今後、C4がC4カクタスに一本化されることで、シトロエンの基幹モデルとしての役割を担うことになったことも起因していると考えられます。
インテリアは外観程の変化はなく、特徴的なインパネ、ダッシュボード等の多くは継承されました。ミラーリング機能を持つインフォテインメントシステムも進化しています。中でもシトロエンが掲げる「アドバンスド・コンフォート・プログラム」のコンセプトを適用した新シートは、クッション材の増量やランバーサポートの装備等により、さらに快適な座り心地になっています。ベンチシートとのトレードオフになりましたが、乗り心地に関して並ならぬこだわりを持つ「シトロエンらしさ」を感じることができるでしょう。室内空間も広過ぎず狭過ぎずで、外形寸法を考えればかなり効率的なパッケージングがなされていると言えます。
搭載されるエンジンと燃費
搭載されるエンジンはガソリンとディーゼルのそれぞれ仕様違いが2つ、計4種類がラインナップされています。
- ガソリン
1.2L 直3ターボ PureTech110 S&S 110ps(81kw)/205Nm 6MT/EAT6
1.2L 直3ターボ PureTech130 S&S 130ps(96kw)/230Nm 6MT - ディーゼル
1.5L 直4ターボ BlueHDi 100 S&S 102ps(75kw)/250Nm 5MT
1.5L 直4ターボ BlueHDi 120 S&S 120ps(88kw)/300Nm EAT6
ガソリンは、PSAグループの主力ユニットである1.2L 直3 ターボ PureTechの110ps版と130ps版。PSAグループの日本仕様車にも多数搭載されている、パワー、トルク、燃費のバランスに優れた評判の良いエンジンです。ディーゼルは、1.5Lにダウンサイジングされた新世代「BlueHDi」ユニットの100ps版と120ps版。日本でもプジョー308に搭載され高評価を得ている傑作エンジンです。
トランスミッションはエンジンに応じ、5速/6速MTとEAT6を採用。日本のアイシンAW製のトルコンATは、MC前のETG5と比べて滑らな変速が魅力です。燃費は欧州複合基準でPuretech110(EAT6)が約19.6km/L、BlueHDi120(EAT6)が約25.0km/Lとなっています。
走行性能とハンドリング
今回新たにPHCを手に入れたC4カクタス。シトロエンが久しぶりに「ハイドロ」の名前を掲げたこのサスペンションの乗り心地は、メーカー自身が「魔法のじゅうたんに乗っているよう」と例える自信作です。実際、現地メディアでは「かつてのハイドロニューマティックサスペンションを超えたのではないか?」との声も出ており、このPHCは往年のハイドロを知るシトロエンファンの期待にも応えるものに仕上がっているようです。C4カクタスの美点は乗り心地だけでありません。同クラスのライバルより圧倒的に軽量なボディと相まって、キビキビとした走りが楽しめるのも魅力のひとつです。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,170×1,714×1,480 mm
【ホイールベース】2,566mm 【トレッド】前/後:1,479 / 1,477mm
【車両重量】1,070kg
●エンジン
【構成】水冷直列3気筒直噴ターボ DOHC12V フロント横置
【総排気量】1199cc 【直径×内径】75×90.5mm 【圧縮比】11.0
【最高出力】110ps(81kw)/5500rpm 【最大トルク】205Nm/1500rpm
【燃料容量】50L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】6AT
【サスペンション】(前)プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC) / (後)トーションビーム
【ブレーキ】(前)ディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)205/50R17
●パフォーマンス
【最高速度】188km/h 【0-96km/h加速】9.6秒
【燃費】約18.8km/L(新欧州複合基準)
【価格】英国仕様 2019モデル:£22,455
歴史とトリビア
シトロエン C4カクタス関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- カクタスの起源は2013年のショーモデル「カクタスコンセプト」
- 市販車はカクタスコンセプトをほぼ忠実に再現
- C4カクタスの「少しポップでアヴァンギャルド」という雰囲気がその後のシトロエンの方向性を決定づけました
- 特徴的なエアバンプはその後C3やベルランゴなどにも採用され、今ではシトロエンのデザインアイコンに
- MC前モデルは日本にも200台、2ペダルETG5モデルが限定導入され即完売
ライバル
特徴的なクロスオーバーのC4カクタスは、デビューから年数が経った今もどのライバルにも似ていない唯一の存在です。方向性は異なりますが、フィアット 500XやBMW ミニ クロスオーバーが直接的なライバルになるかもしれません。ライバル勢も新型エンジンの投入やMC等で商品力をアップさせています。
- フィアット 500X
- BMWミニ クロスオーバー
- ジープ レネゲード
- セアト アローナ等
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
C4カクタスは現状、日本に導入されていません。MC前モデルのように台数限定の正規輸入は可能性が無いとは言い切れませんが、手に入れるには並行輸入が現実的な選択肢です。
オススメは以下の2タイプ。価格設定が比較的低いので特に拘りが無ければ装備が充実した上級版のFlairがいいでしょう。
- シトロエン C4カクタス Flair PureTech110 S&S EAT6
- シトロエン C4カクタス Flair PureTech130 S&S 6MT
より軽量で、ハイドロを味わいつつ、MTで楽しみたいという方にはFeelの選択もアリです。新型は全車ターボ化されているのでパワー不足を感じることも少ないと思います。
オプションでは悪路走破性を向上させるGripControlとオールシーズンタイヤがセットになったパックオプション(£400)や、ブラインドモニタやパーキングアシストがセットになったシティパークパック(£350)など数々のオプションが設定されていますので、下記リンクよりコンフィグレータやカタログをご確認ください。
- 英国シトロエン C4カクタスの公式サイト 2021年4月26日カタログ落ち閉鎖
- 英国シトロエン C4カクタス コンフィグレータ 2021年4月26日カタログ落ち閉鎖
- 英国シトロエン C4カクタス カタログPDF(要個人情報登録) 2021年4月26日カタログ落ち閉鎖
(£1=135円時・値引き交渉前価格)
\3,987,000
\4,135,000
ディーゼル車をご希望の方へ
参考乗出し価格が掲載されていない場合には、別途お見積りいたしますのでお問合せ下さい。
なお、ディーゼル車を取り巻く環境は年々厳しくなっています。ディーゼルエンジン搭載車をご希望の場合には以下の記事もご覧ください。
画像と動画
C4カクタス アクセサリ紹介動画(約1分10秒)