今回はスペイン・セアトのコンパクトな都市型SUV、セアト アローナ(SEAT Arona)を解説。セアトが大いに力を込めたと言われるこのモデルの概要・スペック・価格等、並行輸入で乗るための情報をご紹介します。
セアト アローナとは
スペインに本拠地を置く自動車メーカーのセアト(SEAT)。フォルクスワーゲン(VW)グループに属する同社は、グループのなかでもラテン要素を感じるややスポーティなブランドとして位置づけられています。
アローナはセアト初のSUV「アテカ」の弟分に位置づけられ、フォルクスワーゲンポロと同じMQB A0プラットフォームを採用したコンパクトSUVです。2017年のフランクフルトショーでデビューしました。サイズは国産車でいうと日産ジューク程。トヨタ CH-Rやホンダ ヴェゼルよりも少し小さ目ですが、ホイールベースは兄貴分のアテカと同じで室内空間の確保や走りの安定性向上に寄与しています。
セアト車に共通のシャープな造形のエクステリアに程よいカジュアルさを織り込んだインテリアを持ち、VWグループの最新エンジンを搭載した魅力的なモデルです。
ココがスゴイ!セアト アローナ
セアト アローナを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 日本での使用にも絶妙なサイズのコンパクトSUV
- セアトのDNAを継承するシャープな造形のエクステリア
- カジュアルさと質感の良さが絶妙なバランスのインテリア
- 新世代のライトサイジングユニット 1.5 TSI Evo搭載車を設定
- 走りに安定感をプラスするDynamic Chasis Controlの設定もあり
セアト アローナ コマーシャル動画(約30秒)
スタイリングとインテリア
- セアトのDNAを継承するシャープな造形。Cピラーまで突き抜けるクロームラインに注目
- 優れたデザインに贈られるreddotデザインアワード2018を受賞
- スポーティな装いのFR Sportもあり
- インテリアトリムはクロスからフルレザーまで4種類
- スマートフォンなどのデジタルガジェットとの親和性が高い
ポイントにもある通り、reddotデザインアワードを受賞したアローナの魅力の一つはエクステリアと言っても過言ではありません。セアトの各モデルに共通するシャープな造形に加え、AピラーからCピラーにかけてのクロームラインの処理は他に例を見ないもの。
ボディーカラーは9色設定されていますが、このクロームラインを境に塗り分けたバイトーンカラーも上級グレードには合わせて設定。ルーフカラーはグレー/ブラック/オレンジの3色が組み合わせ可能です。
インテリアは質実剛健なフォルクスワーゲンをベースに、アクセントカラーを配するなどラテン系のセアトならではのカジュアルさを絶妙なバランスで合わせています。インテリアトリムはクロスが3種類、FR Sportグレードのみフルレザーが設定されています。
インフォテインメントシステムは、FullLinkと呼ばれる8インチタッチパネルを備えたもので、Apple CarPlayやAndroid Auto等のミラーリング対応だけでなく、スマートフォンのワイアレスチャージ機能も追加でき、デジタルガジェットと親和性の高さも魅力です。
搭載されるエンジンと燃費
搭載されるエンジンはガソリンが直3 1.0L TSI(チューニング違いで2種類)と直4 1.5L TSI EVOの2機種、合計3種類。ディーゼルは直4 1.6L TDIがチューニング違いで2種類設定されています。
- ガソリン
1.0L 直3ターボ TSI 95PS(70kw)/175Nm 5MT
1.0L 直3ターボ TSI 115PS(85kw)/200Nm 6MT/7DSG
1.5L 直4ターボ TSI Evo 150PS(110kw)/250Nm 6MT - ディーゼル
1.6L 直4ターボ TDI 95PS(70kw)/250Nm 5MT/7DSG
1.6L 直4ターボ TDI 115PS(85kw)/250Nm 6MT
目玉はライトサイジングコンセプトを適用した新世代ユニットTSI EVOではないでしょうか。燃費と環境性能を両立させるため敢えて排気量に余裕を持たせたこのユニットは、1.0L TSIと比べて排気量も最高出力も1.5倍近いのにも関わらず、燃費は欧州複合で20.7km/L(1.0L TSIは21.1km/L)、CO2排出ガスは112g/km(同114g/km)と、ほぼ近い環境性能を実現しています。
駆動方式はFFのみ。トランスミッションは5速/6速MTを中心に、1.0L TSI(115PS仕様)と1.6L TDI(95PS仕様)にデュアルクラッチトランスミッションの7速DSGが設定されています。
走行性能とハンドリング
足回りはサスペンションにフロント:マクファーソンストラット、リア:セミリジットというコンベンショナルな組み合わせですが、プラットフォームを共有する兄弟車と同じ構成です。ノーマルでもバランスの良い走りが楽しめると評判です。
スポーティモデルとなるFR Sportには「Dynamic Chasis Control」を装備。これはパワーステアリングのフィーリングやサスペンションの減衰力を路面状況に応じて総合的に制御することで、より安定感のある走りを楽めるシステムです。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,138×1,780×1,543 mm
【ホイールベース】2,566mm 【トレッド】前/後:1,503 / 1,486mm
【車両重量】1,210kg
●エンジン
【構成】水冷直列3気筒直噴ターボ DOHC12V フロント横置
【総排気量】999cc 【直径×内径】74.5×76.4mm 【圧縮比】10.5:1
【最高出力】115ps(85kw)/5500rpm 【最大トルク】200Nm/2000-3500rpm
【燃料容量】59L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】7DSG
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)セミリジット
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)215/45R18
●パフォーマンス
【最高速度】180km/h 【0-100km/h加速】10.0秒
【燃費】約18.7km/L(新欧州複合基準)【価格】英国仕様 2019モデル:£22,515
歴史とトリビア
セアト アローナ関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- アローナはスペインの島にある街の名前が由来とされている
- 開発・生産にあたり9億ユーロという巨額を投資
- 欧州カー・オブ・ザ・イヤー2018のベストスモールSUV賞を受賞
- アローナのプロモーションでは積極的にバルセロナ生まれであることをアピール
ライバル
コンパクトで走りも楽しめるアローナのライバルはシトロエン C3エアクロスではないでしょうか。近年のシトロエンの雰囲気を忠実に受け継いだデザインなどでデビュー直後から市場で高い評価を受けています。
グループ内の競争も激しく、フォルクワーゲンが2018年に投入したT-クロス(T-Cross)も強敵。トゥアレグ(Touareg)からはじまるSUVレンジの末っ子的なモデルでポロをベースにしており、アローナの新たな兄弟車となります。間もなく日本にも導入されるでしょう。
現在欧州市場で人気のあるコンパクトSUVは激戦区でありご紹介しきれない位、他にも多くのライバルが存在します。
- VW T-クロス
- アウディ Q2
- プジョー 2008
- シトロエン C3 エアクロス
- ルノー キャプチャー
- ボクスホール クロスランドX
- 日産 ジューク
- ホンダ HR-V(ヴェゼル)
- マツダ CX-3
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
セアト車は1980年代半ばに初代イビザが少量上陸して以来、日本市場に正規導入された実績はありません。プラットフォームを共有するアウディ Q2が既に正規導入済みで、VWのT-クロスも導入間近といわれています。競合を避けることからも今後も導入の可能性はほぼ無いでしょう。アローナを手に入れる現実的な手段は並行輸入しかありません。
オススメは走りの楽しさを最も味わえる、セアトのスポーティレンジ「FR Sport」。これに2ペダルDSGと6MTの組み合わせを挙げます。
- セアト アローナ FR Sport 1.0TSI 115PS 7Speed DSG Auto
- セアト アローナ FR Sport 1.5TSI EVO 150PS EVO 6speed Manual
イージードライビングを求める方には、1.0L TSI(115PS)の7DSGとなりますが、MTがOKな方なら、パワーも環境性能を両立した新世代の1.5L TSI EVOの組み合わせがオススメ。より楽しい走りが味わえること請け合いです。
アローナのオプションには、バイクホルダー機能のあるルーフラックなどがセットになったアドベンチャーパックをはじめ、各種豊富なアクセサリが設定されていますので、下記リンクよりコンフィグレータやカタログをご確認ください。
\4,503,000
\4,552,000
ディーゼル車をご希望の方へ
参考乗出し価格が掲載されていない場合には、別途お見積りいたしますのでお問合せ下さい。
なお、ディーゼル車を取り巻く環境は年々厳しくなっています。ディーゼルエンジン搭載車をご希望の場合には以下の記事もご覧ください。
画像と動画
セアト アローナ コンセプト紹介動画(約1分30秒)