情熱とクールさの両面を持ち合わせたスペイン発のハイパフォーマンス専門ブランド「クプラ」。セアトから2018年に独立して以降、現在ではホットな内燃機関モデルからスマートな電動化専門モデルまで着実にラインアップを拡大してきています。
欧州市場で存在感を増しつつあるクプラブランドのなかで、新たなステージの幕開けとして先陣の一端を担う一方、最後の仕様にもなりそうな一台がデビューしました。
今回はクプラのブランニューハイパフォーマンスSUV「テラマール(CPURA Terammar)」を解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
クプラ テラマールとは
テラマールはクプラのCセグメント級のボディサイズをもつハイパフォーマンスSUVです。ボディサイズは全長:4,519mm×全幅:1,869mm×全高:1,586 mm(ミラー部分を含まず)と、国産車ではトヨタ カローラクロスやマツダ CX-30よりも少し大きく、トヨタ RAV4やマツダ CX-5よりも少し小さいサイズ感となります。
現在販売されているモデルは初代モデルにあたり、2024年にレビューしました。名前の由来はスペインの都市からと言われ、フォーメンターのようにセアトにベースとなるモデルがないクプラ専用設計となります。プラットフォームはフォルクスワーゲングループのMQB Evoを採用しており、兄弟車にはフォルクスワーゲン ティグアンなどがあります。設計はクプラの本拠地であるスペイン・バルセロナで行われ、生産はプラットフォームを共有する次期型アウディ Q3と共にハンガリーにあるアウディのジェール工場で行われる予定です。
欧州で人気のセグメントに市場投入するにあたり、メーカーはクプラの若々しく挑戦的なマインドセットをより幅広い層に届るため「テラマールは優れたデザインと高いパフォーマンスを求める新規ユーザーを惹きつけるスポーティなSUVである」とコメントすると共に、将来的なブランドの電動化を見据えてBEV専用車もあるなか、クプラ最後の純内燃機関搭載モデルであると発表しています。テラマールのデビューに続き、既存のレオンやフォーメンターも共通性のある新デザイン言語を取り込んだものに順次アップデートされており、テラマールは新たなステージの幕開けとして先陣の一端を担う一台となりました。
ほかにもトピックとして国際ヨットレースのAmerica’s Cupとの戦略的提携があります。170年近くの歴史があり、世界最古のスポーツトロフィーとも言われるこの大会ですが、大会にまつわるエピソードに共感したことや、2024年の開催地がクプラの本拠地であるバルセロナである縁などから提携が実現し、America’s Cupとのコラボレーションにより生まれた限定車が設定されました。
クプラ テラマールコンセプト動画(約2分)
ココがスゴイ!クプラ テラマール
クプラ テラマールを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- クプラのブランニューSUV
- クプラブランド最後の純内燃機関搭載モデル
- 純ガソリン/マイルドHV/新世代PHEVと多彩なパワートレイン
- 走りを楽しむための高品質な専用アイテムを用意
- 限定車のAmerica’s Cup仕様の設定
スタイリングとインテリア
- クプラの新デザイン言語をいち早く採用したエクステリア
- 各所にブランドアイデンティティのトライアングルを配置
- ドライバー重視のコックピットでスポーティさを再解釈
- 持続可能な素材を採用したインテリア
クプラはトライアングルをブランドのアイデンティティにしており、エンブレムをはじめエクステリアの各所で効果的に使われています。そのなかでもまず目を引くのは新デザイン言語を取り込んだフロントセクションではないでしょうか。トリプルトライアングルをモチーフにした左右のヘッドライトを繋ぐ細めのフロントアッパーグリルに対して、迫力のある大型ロアーグリルを組み合わるこの処理は、新世代のクプラ車に共通性のあるものに仕上がっています。リアも多数のトライアングルを組み合わせた特徴的なLEDリアライトと立体的なクプラのエンブレムが印象的です。
限定車のAmerica’s Cup Editionは専用のアルミホイールや、Bピラーにに入る大会のロゴなどが通常版との差異ポイントになります。
ドライバーを中心に設計されたインテリアは、インストルメントパネルをはじめ質感が高く、エクステリア同様に各所に効果的に入れれたカッパーカラーの指し色は、クプラのハイパフォーマンスモデルであることを静かにアピールしています。表皮にフルレザーのほか、リサイクルマイクロファイバーを採用したシートは、ホールド性が高くスポーティーさを感じられます。対照的にインストルメントパネルをはじめドアトリムなどに細かく入れられ、さまざまなカラーで光るアンビエントライティングは、eスポーツのハイスペックデバイスのようなクールでサイバーな印象を与えることで、アナログとデジタル双方のスポーティさを体現しているように感じます。これらをメーカーは「スポーティさの再解釈と持続可能性を取り込んだインテリア」とコメントしています。
インフォテインメントシステムには12.9インチの大画面タッチスクリーンが組み合わされるほか、ドイツのハーノバーを拠点とする人気オーディオブランドのSENNHEISER(ゼンハイザー)が手掛けた合計出力390Wのサウンドシステムを採用しており、上位モデルにも匹敵する快適なリスニング空間を提供します。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ガソリンとハイブリッド(48Vマイルドハイブリッド/プラグインハイブリッド)の設定です。
- ガソリン
2.0L 直4ターボ TSI 265PS(195kw)/400Nm - ハイブリッド(48Vマイルドハイブリッド)
1.5L 直4ターボ+電気モーター eTSI 150PS(110kw)/250Nm - ハイブリッド(プラグインハイブリッド)
1.5L 直4ターボ+電気モーター e-HYBRID 204PS(150kw)/250Nm
1.5L 直4ターボ+電気モーター e-HYBRID 272PS(200kw)/250Nm
クプラブランドのなかでもBEV専用車がラインナップされつつあるなか、純内燃機関仕様が設定されているのは大きなポイントです。2.0L直4ターボのTSIは高出力な265PS仕様の1種類が設定され、燃費性能は新欧州複合で11.9km/Lです。このほか、1.5L直4ターボに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたeTSIの150PS仕様が1種類、1.5L直4ターボにプラグインハイブリッドシステムを組み合わせたe-HYBRIDは204PS仕様と272PS仕様の2種類が設定されています。
駆動方式はFFのほか、AWD仕様の4Driveが設定されます。トランスミッションは全てパドルシフト付きの2ペダル仕様となり、TSIとeTSIには7速デュアルクラッチトランスミッションのDSG、e-HYBIRDには6速DSGが組み合わされます。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロントマクファーソンストラット、リア:マルチリンクのスポーツサスペンションが標準装備されます。ほかにもプログレッシブステアリングや、新設計のアダプティブ・シャーシ・コントロール、Akebonoブレーキなど走りを楽しむための高品質な専用アイテムが用意されています。このなかでもAkebonoブレーキは日本の曙ブレーキが手掛ける専用品で、ジャパンメイドの高い信頼性と制動能力から、クプラでは積極的に採用されてます。
AWDの4Drive仕様は、基本的にフォルクスワーゲンの4Motionに準じたシステムを採用しており、路面状況を問わず高い次元の走りを提供します。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,519×1,869×1,586 mm(ミラー部分を含まず)
【ホイールベース】2,681mm 【トレッド】前/後:1,590 / 1,580mm
【車両重量 -kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒ターボ DOHC16V フロント横置 気筒休止機構付
【総排気量】1,984cc 【直径×内径】82.5×92.8mm 【圧縮比】16.0:1
【最高出力】265ps(195kw)/5300-6500rpm 【最大トルク】400Nm/1650-4350rpm
【燃料容量】60L
●駆動系
【駆動方式】AWD 【トランスミッション】7DSG
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)マルチリンク
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)255/40R20
●パフォーマンス
【最高速度】243km/h 【0-100km/h加速】4.9秒
【燃費】約11.9km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2024モデル:€58,515
歴史とトリビア
クプラ テラマール関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- 名前はスペイン・バルセロナ近くの都市が由来
- プラットフォームを共有する兄弟車にフォルクスワーゲン ティグアンなどがあり
- ハンガリーにあるアウディの工場で生産
- 次期型アウディ Q3は兄弟車になり同じ工場で生産予定
- テラマールに続き既存のレオンやフォーメンターも新デザイン言語を取り込み
ライバル
Cセグメント級のボディサイズをもつSUVは欧州市場で人気のジャンルのひとつですが、ハイパフォーマンス仕様は兄弟車となるアウディ Q3をはじめプレミアムブランドを中心にライバルが存在します。そのなかでもメルセデスベンツAMGのGLAは新しいハイパフォーマンスブランドのクプラに対して老舗ブランドとして好対照なライバルとなりそうです。
- メルセデス・ベンツAMG GLA35/GLA45S
- BMW X1 M35i
- アウディ Q3
- トヨタ RAV4 GRスポーツ(欧州仕様)
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
クプラのブランニューSUVとしてデビューしたテラマールですが、日本ではクプラブランドが展開されてないことに加えて、フォルクスワーゲングループ内で競合する車種が既に展開されているため、新型モデルが正規導入される可能性は今後も残念ながら低いと予想されます。そのため、確実に手に入れるなら引き続き並行輸入がおすすめです。テラマールのグレード構成は以下の通りです。現在左ハンドル欧州仕様、右ハンドル英国仕様共に設定されています。
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)
- TERRAMER
18インチアルミホイール、パドルシフト付きマルチファンクションレザーステアリングホイール、スポーツシート、12.9インチタッチスクリーン、10.25インチデジタルクラスター、ウェルカムライティングなどが装備 - VZ
(TERAMMARに対して)19インチ”COSMIC”アルミホイール、メモリー機能付き電動格納ヒーテッドドアミラー、電動テールゲート、3ゾーンオートエアコン、フロントヒーテッドパワーシート(運転席はメモリ機能付き)、DCCアダプティブ・シャーシ・コントロール、盗難防止アラーム、オートマチック・ディスタンス・コントロールなどが装備 - America’s Cup Limited Edition
(VZに対して) 20インチ”VORTEX”アルミホイール、”Moonslate”レザーシートなどが装備
グレード構成(右ハンドル英国仕様)
- V1
18インチ”ATOMIC”アルミホイール、ブラックルーフレール、LEDヘッドライト、LEDリアコンビネーションランプ、リアプライバシーガラス、ウェルカム機能付きミラー、マルチファンクションディスプレイ、パッシブスピーカー、USB Type-Cポート、3ゾーンオートエアコン、ダイナミックステアリング、アダプティブクルーズコントロールなどが装備 - V2
(V1に対して)19インチ”SPECTRUM”アルミホイール、電動格納ヒーテッドドアミラー、アクティブインフォメーションディスプレイ(ミディアム)、アンビエントライト、フロントヒーテッドパワーシート(運転席はメモリ機能付き)、マルチファンクションレザーステアリングホイール、フロント/リアビューカメラ、ハイビームアシストなどが装備 - VZ1
(V2に対して)19インチ”COSMIC”アルミホイール、可変ディストリビューションLEDヘッドライト、ダイナミック・ヘッドライト・レンジ・コントロール、フロント/リアパーキングディスタンスコントロール、フロント/リアリアビューカメラシステム、2バルブショックアブソーバー付きアダプティブシャーシコントロールなどが装備 - VZ2
(VZ1に対して)20インチ”HADRON”アルミホイール、レザーシート、ヘッドアップディスプレイ、フロント/リア/両サイドカメラ、アクティブパッセンジャー保護システム、インテリジェントパークアシストなどが装備 - FirstEdition
(VZ2に対して)20インチ ”Hadron Copper”アルミホイール、パノラミックサンルーフ、デジタルサウンドパッケージ、SENNHEISERサウンドシステム(11スピーカー+サブウーファー)などが装備 - America’s Cup Edition
(VZ2に対して) 20インチ”VORTEX”アルミホイール、パノラミックサンルーフ、BピラーのAmerica’sCupロゴ、デジタルサウンドパッケージ、SENNHEISERサウンドシステム(11スピーカー+サブウーファー)などが装備
テラマールのオススメは、左ハンドル欧州仕様のAmerica’s Cup Editionに2.0L TSIの4Driveに7速DSGの組み合わせです。これは「There is no second(2位は存在しない=優勝する以外意味はない)」というAmerica’s Cupのエピソードにクプラが共感して生まれた特別な内外装をもつAmerica’s Cup Editionに、路面状況を問わずピュアな走りの楽しさを感じることができる2.0L TSIの4Driveはテラマールのアピールポイントを押さえたチョイスです。特別限定車になりますが現地の物件をお探しいたします。将来の電動化に向けて各社シフトしつつある昨今、純内燃機関で走りを楽しめるモデルを新車で手に入れられるのに残された時間は少ないのかもしれません。メーカー自身が最後の内燃機関仕様モデルと公言しているこの一台を、いち早く現地からお取り寄せして楽しんでみませんか。
- クプラ テラマール America’s Cup Edition 2.0TSI 4Drive DSG(左ハンドル欧州仕様)
- クプラ テラマール VZ1 2.0TSI 4Drive DSG(右ハンドル英国仕様)
ほかにも右ハンドル英国仕様をはじめ、標準仕様のハイパフォーマンスなVZグレードなども並行輸入可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
合わせてウィズトレーディングではフォーメンターをはじめクプラの各モデルの取り扱い実績もありますので、ご希望の方はお気軽にお問合せください。
(€1=153/£1=185円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€58,515)\11,744,000
(現地値引き交渉前価格:£45,095)\10,970,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。