ウィズトレーディングでも多くの問い合わせを頂くジャンルのひとつが、ミドルサイズピックアップトラック。
日本では久々に復活導入されたトヨタ ハイラックスが好評ですが、欧州でも多くのメーカーがラインナップしています。
そのなかでも、日本で「トラック」と聞いて真っ先に思い浮かべる方も多いあのメーカーのピックアップトラックが満を持してフルモデルチェンジしました。漸く、欧州市場でも発売開始となります。
今回は老舗トラックメーカーがリリースしたピックアップトラック、いすゞ D-MAX(ISUZU D-MAX)の新型モデルを解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
いすゞ D-MAXとは
いすゞ D-MAXはいすゞのミドルサイズクラスのピックアップトラックです。サイズは全長:5,265mm×全幅:1,870mm×全高:1,790 mmと、国産車では冒頭の通りトヨタ ハイラックスに近いサイズ。絶対的なサイズは大きめですが米国市場のフルサイズピックアップトラックと比べれば小さく、日本で乗るのには適したサイズと言えるでしょう。
現在販売されているモデルは2019年にフルモデルチェンジされました。D-MAXとしては3代目ですが、いすゞのピックアップトラックは1960年代に同社の乗用車「ベレット」のコンポーネントを一部共有した「ワスプ」からスタートし、長い歴史があります。今回は8年ぶりのモデルチェンジで、生産国であるタイを皮切りに2021年には欧州市場でも販売開始されました。(2021年3月追記:右ハンドル英国仕様も販売開始になりました。)
「Efficient and Robust」を開発コンセプトに従来モデルから乗用用途の快適性をさらに高めつつ、耐久性やヘビーデューティーな用途でのタフさも一層強化されました。これに加え、最近のトレンドである予防安全性能の向上やセキュリティを意識したエレクトリカルアーキテクチャが採用されました。
生産は従来モデル同様、ピックアップトラックの需要が大きいタイにて行われ、世界100カ国以上で販売されるグローバルモデルです。しかし日本ではいすゞが2000年代初頭にピックアップトラックを含む乗用モデルの販売から撤退しているため、現時点では販売されていません。
いすゞ D-MAX コンセプト紹介動画(約14分30秒)
ココがスゴイ!いすゞ D-MAX
いすゞ D-MAXを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 日本では手に入らないいすゞのピックアップトラック
- 乗用車としての快適性向上
- ロバスト性のさらなる向上
- 全ボディタイプで荷室長が拡大
- ライバルよりダウンサイジングされたターボユニットを採用
スタイリングとインテリア
- 3種類のボディタイプを設定
- ダイナミックな力強さのなかにもいすゞのシャープさが表現
- ピックアップトラックの枠を超えた快適性
- 長距離走っても疲れない。改良されたシート
D-MAXのボディタイプは基本的な2ドア1列シートの「SingleCab」、2ドアでリアに余裕のある「SpaceCab(英国仕様はExtendCab)」、4ドア2列シートの「DoubleCab」の3種類が設定されています。パッケージングが見直され、どのボディタイプも従来モデルと比べて荷室が拡大されました。
デザインは従来モデルのテイストを引き継ぎつつも全体的にブラッシュアップ。新採用のBiLEDヘッドランプからはじまり、いすゞのフラッグシップとも言える大型トラックのGIGAにも共通した意匠のフロントグリルなど、ダイナミックな力強さのなかにも、各所のボディラインは元来いすゞ車がもつ欧州車的なシャープさが表現されています。
インテリアは新採用された大型タッチスクリーンを中心としたインパネが印象的。従来モデルが比較的に実用重視な雰囲気でしたが、ダッシュボード上部とインパネをそれぞれ違う手触りの素材を組み合わせるなど、見た目にもデザインコンシャスな雰囲気に。質感も乗用車として見ても満足できるようなレベルに仕上がっています。
シートについては全ての仕様に低反発素材を採用することで座り心地もより改善。不整路やロングドライビングでも疲れない環境を提供します。一部グレードにはヒーテッド機能つきレザーシートも設定されます。これらインテリアはBeyond the Pick-up Truckとメーカーがアピールするように、ピックアップトラックの枠を超えた快適性を実現しています。
インフォテインメントシステムも今回のモデルチェンジでアップデートされた箇所のひとつ。タッチスクリーンは解像度も高くサイズも9インチに拡大。AppleCarPlayやAndroidAutoなどの各種スマートフォンコネクテッド機能を備えた仕様も用意されています。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ディーゼルのみの設定。
- ディーゼル
1.9L 直4 ターボディーゼル RZ4E 163PS (120kw)/360Nm
設定されるのは1.9Lディーゼルが1種類。RZ4Eと呼ばれるこのユニットはいすゞの乗用向けでは初となるダウンサイジングターボユニットとなります。従来モデルまでに搭載されていた2.5Lユニットよりも排気量、エンジンサイズの小型化に加え、ハイパワー化とクリーンな排気ガス性能を実現しています。燃費性能は欧州複合で11.0km/L(DoubleCab仕様)。ディーゼルエンジンについては商用/乗用問わず長年の知見を活かしたいすゞならではのユニットと言えるでしょう。
駆動方式はSingleCabのみ2WD(FR)が設定、そのほかはAWDとなります。トランスミッションは6MTを中心に、SpaceCabとDoubleCabの一部グレードに6ATが組み合わされます。オートマチックはトルクコンバーターの小型化などの改良が加えられ、よりレスポンスが向上しています。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:ダブルウィッシュボーン、リア:リーフスプリングを採用。今回のモデルチェンジではリーフトレッドを拡大し、ショックアブソーバーの取り付け角度を見直すことで走行安定性が向上。オンロードでの快適な走りを実現しています。
一方ヘビーデューティな用途にもしっかり応えます。DoubeCab仕様の場合でアプローチアングル:30.5度/デパーチャーアングル:24.2度、渡河能力は水深最大80cmとオフロードでの走破性も高く、牽引能力は3.5トンと先代に引き続きクラストップレベルの能力を備えています。
オフロードではかつてのいすゞ乗用車が持つ欧州車的なグランドツーリング性能と、オフロードのタフな走破性。この両面をもつD-MAXは道を問わないオールラウンドプレイヤーと言えるでしょう。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】5,265×1,870×1,790 mm
【ホイールベース】3,125mm 【トレッド】前/後:1,570 / 1,570mm
【車両重量 2,105kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒ターボ DOHC16V フロント縦置き 気筒休止機構付
【総排気量】1898cc 【直径×内径】 80.0×90.4mm 【圧縮比】15.9:1
【最高出力】163ps(120kw)/3600rpm 【最大トルク】360Nm/2000-2500rpm
【燃料容量】76L
●駆動系
【駆動方式】AWD 【トランスミッション】6AT
【サスペンション】(前)ダブルウィッシュボーン / (後)リーフスプリング
【ブレーキ】(前)- / (後)-
【タイヤ】(前後)265/60R18
●パフォーマンス
【最高速度】180km/h 【0-100km/h加速】-秒
【燃費】約11.0km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2021モデル:€49,990
歴史とトリビア
いすゞ D-MAX関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- D-MAXの歴史はベレットと一部共有するワスプからスタート
- いすゞのグローバルピックアップとして世界100か国以上で販売
- ピックアップトラックが人気のタイ市場でトップブランドを確立
- タイでは2019年だけでMost Populer Pickupをはじめ3つの賞を受賞
- D-MAXとベースを共有するSUV「MU-X」がラインナップされている
- 豪州には兄弟車にマツダにOEMされるBT-50がある
ライバル
D-MAXが生産されるタイだけではなく、欧州市場もピックアップトラックが長年支持される市場です。ハイラックスをはじめ、国産メーカーのピックアップトラックも以前から欧州で販売されています。そのなかでもハイラックスは最も近しいライバルと言えるでしょう。ほかには2010年にフォルクスワーゲンがアマロックで参入以降、ピックアップのプレミアム化という新たな方向性が出てきました。D-MAXも含め乗用用途で使っても十分な質感を持った多くのライバルが欧州には存在します。
- トヨタ ハイラックス
- 三菱 L200(トライトン)
- 日産 ナバラ
- フォード レンジャー
- フォルクスワーゲン アマロック
- メルセデスベンツ Xクラス(絶版)
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
欧州でも多くの支持を得ており、ピックアップトラックのベストセラーとも言われるD-MAXですが、日本では2000年代初頭にいすゞがピックアップトラックを含む乗用車販売から撤退してから正規で導入された実績はありません。再導入されたハイラックスが好評なため、日本でも需要があるように思えますが、今後もいすゞがピックアップトラックを含む乗用車を再販売する可能性は残念ながら低いと言えるでしょう。そのため確実に手に入れるなら並行輸入が確実な方法です。
D-MAXのグレード構成は以下の通りです。欧州では左ハンドル欧州仕様と右ハンドル英国仕様が設定されています。
■左ハンドル欧州仕様
グレード構成 SingeCab
- L
電動調整ミラー、エアコン、クルーズコントロール、4.2インチマルチインフォメーションディスプレイなどが装備
グレード構成 SpaceCab
- L
ヒーテッド機能付き電動調整ミラー、エアコン、クルーズコントロール、4.2インチマルチインフォメーションディスプレイなどが装備 - LS
(Lに加え)カラードバンパー、ヒーテッド機能付き電動格納ミラー、セントラルロック、パワーウィンドウ、フロント・シートヒーター、衝突被害軽減ブレーキなどが装備 - LSE
(LSに加え)クロームメッキグリル/ミラー/ドアハンドル、7インチタッチスクリーン(AppleCarPlay対応)、2ゾーンエアコン、BiLEDヘッドライトなどが装備
グレード構成 DoubeCab
- L
ヒーテッド機能付き電動調整ミラー、エアコン、クルーズコントロール、4.2インチマルチインフォメーションディスプレイなどが装備 - LS
(Lに加え)カラードバンパー、ヒーテッド機能付き電動格納ミラー、セントラルロック、パワーウィンドウ、フロント・シートヒーター、衝突被害軽減ブレーキなどが装備 - LSE
(LSに加え)クロームメッキグリル/ミラー/ドアハンドル、7インチタッチスクリーン(AppleCarPlay対応)、2ゾーンエアコン、BiLEDヘッドライトなどが装備 - V-CROSS
(LSEに加え)8スピーカー、9インチタッチスクリーン(AppleCarPlay対応)、リアエアコンアウトレット、ヒーテッド機能付きレザーシートなどが装備
■右ハンドル英国仕様
グレード構成 SingeCab
- Utility
スチールホイール、デイタイムランニングライト、Bluetoothコネクト、エアコン、クルーズコントロールなどが装備
グレード構成 ExtendCab
- Utility
スチールホイール、デイタイムランニングライト、Bluetoothコネクト、エアコン、クルーズコントロールなどが装備 - DL20
(Utilityに加え)18インチアルミホイール、カラードバンパー、4スピーカー、リアパーキングセンサー、4.2インチマルチインフォメーションディスプレイなどが装備
グレード構成 DoubeCab
- Utility
スチールホイール、デイタイムランニングライト、Bluetoothコネクト、エアコン、クルーズコントロールなどが装備 - DL20
(Utilityに加え)18インチアルミホイール、カラードバンパー、4スピーカー、リアパーキングセンサー、4.2インチマルチインフォメーションディスプレイなどが装備 - DL40
(DL20に加え)クロームメッキグリル/ミラー/ドアハンドル、7インチタッチスクリーン(AppleCarPlay対応)、2ゾーンエアコン、BiLEDヘッドライトなどが装備 - V-CROSS
(DL40に加え)8スピーカー、9インチタッチスクリーン(AppleCarPlay対応)、ヒーテッド機能付きレザーシートなどが装備 - XTR
(DL40に加え)XTRボディキット(専用サイドステップ、リアテールゲートなど)、XTRロゴ入りシート、XTR専用サスペンション、ロゴ入りシートなどが装備
このほかオプションでは、開閉可能なウィンドウ装備やフルメタルパネルなどキャノピーは7種類。ほかにもトノカバーやロールバー、クローム処理されたサイドステップなどが選択可能です。
ボディタイプやグレードなど多くの仕様のあるD-MAXですが、そのなかでもおすすめは、DoubleCABのV-Crossに6ATの組み合わせです。V-CorssはD-MAXのなかでもトップグレード。専用のオーバーフェンダーをはじめ迫力のある外観に、レザーシートも組み合わされたプレミアムなインテリア。走りも従来モデルに対してさらに磨きが掛けられたのでオンロード/オフロード共に快適な移動が可能です。新型D-MAXはピックアップトラックを検討中のユーザーも、長年ビックホーンやロデオなどのいすゞ車を大切に乗り続けてきたいすゞフリークのオーナーにも、きっと満足してもらえる一台となるでしょう。
- いすゞ D-MAX 1.9 DoubleCab V-CROSS 4WD Automatic(左ハンドル欧州仕様)
- いすゞ D-MAX 1.9 DoubleCab DL20 4WD Manual(右ハンドル英国仕様)
ほかにも右ハンドル英国仕様やDoubleCabのベーシックグレードや6MT仕様、さらに各ボディタイプも選択可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
(€1=130円時/£1=150円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:£39,245)\7,955,000⇒発売特価(お問い合わせください!)
(現地値引き交渉前価格:€36,690)\6,703,000⇒発売特価(お問い合わせください!)
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。