日本や欧州問わず人気で市場の拡大を続けるSUVは、今やメーカーとしてラインナップが必須なジャンルと言っても過言ではないでしょう。この流れは戦前から長い歴史があり、熱い走りを楽しめるモデルをリリースしてきた名門アルファロメオも例外ではありません。
今回はアルファロメオのコンパクトSUV「トナーレ(ALFAROMEO Tonale)」を解説。日本未導入仕様を中心に概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
アルファロメオ トナーレとは
トナーレは、アルファロメオのCセグメント級のボディサイズをもつSUVです。ボディサイズは全長:4,528mm×全幅:1,835mm×全高:1,614mm(ミラー部分を含まず)と国産車ではマツダ CX-5に近いサイズです。
現在販売されているモデルは初代モデルに相当し、2022年にデビューしました。これは2019年のジュネーブモーターショーにて公開されたコンセプトモデル「トナーレ・コンセプト」の市販化モデルであり、これまで販売されていたCセグメントハッチバック、ジュリエッタの実質的な後継モデルの役割も担っています。当初は2021年に発売開始を予定していましたが、コロナ禍や半導体不足などの影響により一年後ろ倒しになったと言われています。ジュリア、ステルヴィオに次ぐ新世代アルファロメオの一台としてイタリアで設計され、生産もステランティスのイタリア・ナポリにある工場に用意されたアルファロメオ専用のラインで行われます。プラットフォームはジープ コンパスのものを共用し、アメリカではダッジブランドでバッチエンジニアリングされたホーネットも販売されています。
トナーレはアルファロメオの電動化ブランドに向けた一台として多くのトピックがありますが、そのなかでも自動車で初採用となるデジタルNFT(非代替トークン)技術が挙げれます。デジタルアートなどの分野でも実用化されている、改ざんを不可能にするブロックチェーンガードの概念を用いることで、ハッキングなどのサイバー攻撃による外部侵入および改ざんを検知し、車両乗っ取りなどを防ぐことでセキュリティを確保します。
日本市場には欧州で発売から1年後の2023年から正規導入されています。
アルファロメオ トナーレ紹介動画(約30秒)
ココがスゴイ!アルファロメオ トナーレ
アルファロメオ トナーレを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 各所に息づくアルファロメオがもつ走りのDNA
- NFTデジタル証明書技術を自動車に初採用
- アルファロメオ初となるPHEV仕様のラインナップ
- ブランドの電動化を見据えた車種にも純内燃機関仕様を設定
- 新世代アルファロメオとしてイタリアで設計および生産
スタイリングとインテリア
- コンセプトカーを忠実に具体化したエクステリア
- 歴代の名車のモチーフにしたデザイン
- レースの歴史からインスピレーションを得たインテリア
- フルデジタルメーターと大画面タッチスクリーンを標準装備
エクステリアはトナーレ・コンセプトを市販化にあたり忠実に具体化されていると現地では評価されています。アルファロメオ伝統の盾形グリルを中心にコンセプトカーでもインパクトを与えた6灯のフルLEDライトが備わるフロントセクションはSZザガート、GTラインとネーミングされたヘッドライトからリアまでウェストラインの下を伸びる曲線はジュリアGT、全体的なボリューム感と官能性は8Cコンペティツィオーネなど歴代モデルをモチーフにデザインされています。このようなデザインができるのは、数々の名車を生み出し、確固たるブランドアイコンを持つアルファロメオだからこそではないでしょうか。
アルミホイールについても「テレダイヤル」と呼ばれる電話のダイヤルのようなデザインをアルファロメオは多く採用してきましたが、トナーレも現代に合わせて再解釈したものを採用しています。
インテリアは計器類や操作系などドライバー中心にデザインされており、アルファロメオのレースの歴史からインスピレーションを得ているとメーカーはコメントしています。そのなかでも特徴的な要素として、スポーティな3本スポークステアリングをはじめ、かつてのGT要素を感じる2眼式メーターのようなメーターナセルや、タービン型のエアアウトレットなどを備えた「テレスコピック」インストルメントパネルなどが挙げられます。シートはレザー/フェイクレザーのコンビもしくはファブリック/フェイクレザーのコンビが設定され、仕様によりグレーもしくはレッドのステッチが入ります。
デジタル面はクラス最大サイズと言われる12.3インチのフルデジタルメーターと10.25インチの大画面タッチスクリーンが標準装備され、これに対して直感的な操作ができるヒューマンマシンインタフェースを採用したAndroidベースの最新インフォテイメントシステムが組み合わされます。スマートフォン接続にも対応しており、AppleCarPlay/AndroidAutoのワイヤレス接続も可能です。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ガソリンマイルドハイブリッド、PHEV、ディーゼルの設定です。
- ガソリンマイルドハイブリッド
1.5L 直4ターボ+P2モーター 130PS(96kw)/240Nm
1.5L 直4ターボ VGT+P2モーター 160PS(118kw)/240Nm - プラグインハイブリッド(PHEV)
1.3L 直4ターボ MultiAir+リアモーター 280PS(206kw)/270Nm - ディーゼル
1.6L 直4ターボ VGT-D 130PS(96kw)/320Nm
マイルドハイブリッドは1.5L直4ガソリンユニットにP2モーターを内蔵した48Vのシステムとなり、ターボの130PS仕様とVGT(可変ジオメトリーターボ)の160PS仕様の2種類が設定されています。PHEVはフィアットのFireFlyに相当する1.3L直4ターボのMulriAirユニットに後輪駆動用の電気モーターを組み合わせたシステムとなります。そして注目はVGT-Dと呼ばれるディーゼルです。ブランドの電動化シフトを見据えてデビューしたトナーレですが、純内燃機関も用意されています。フィアットのMultiJetに相当する1.6LディーゼルはVGTを組み合わせてトナーレでは最も強大な320Nmの最大トルクを出力します。燃費性能はディーゼル仕様の欧州複合で18.8km/Lです。
駆動方式は、マイルドハイブリッドとディーゼルはFF、PHEVはAWD(e4WD)となります。トランスミッションはマイルドハイブリッドが7速TCT(デュアルクラッチトランスミッション)、ディーゼルは6速TCT、PHEVは6速オートマチックが設定されます。全て2ペダルとなりMTの設定はありませんが、質感の高いアルミニウム製のパドルシフトを駆使して走りを楽めそうです。
走行性能とハンドリング
サスペンションは前後共にマクファーソンストラットとなり、SPRINT仕様には車体の動きの周波数に合わせて減衰性能を調整するFSDテクノロジーを備えたアルファ・ダイナミック・サスペンション、VELOCEとTRIBUTE ITALIANOには可変的なバルブ装備し電子制御式ダンピングを備えたアルファ・アクティブ・サスペンションが設定されます。ブレーキは前後共に強力なストッピング性能を有するブレンボ製のロゴ入り専用品が装備されるほか、ガソリンマイルドハイブリッドとディーゼルには電子式セルフロックディファレンシャルが装備されます。これらをAlfaDNAシステムが協調制御することで、SUVであってもアルファロメオが守り続ける走りの良さを実現しています。
運転支援機能としては、緊急自動ブレーキやブラインドスポット検知のほか、インテリジェント・アダプティブ・クルーズコントロール(iACC)や360度カメラなどが仕様によって設定されています。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,528×1,835×1,614 mm(ミラー折り畳み時)
【ホイールベース】2,636mm 【トレッド】前/後:- / -mm
【車両重量】 1,655kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒ターボ DOHC16V フロント横置き
【総排気量】1,596cc 【直径×内径】 79.5×80.5mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】130ps(96kw)/3,750rpm 【最大トルク】320Nm/1,500rpm
【燃料容量】55L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】6TCT
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)マクファーソンストラット
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ベンチレーテッドディスク
【タイヤ】(前後)-/-R–
●パフォーマンス
【最高速度】194km/h 【0-100km/h加速】-秒
【燃費】約18.8km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2024モデル:€44,800
歴史とトリビア
アルファロメオ トナーレ関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- ジュリエッタの実質的な後継車種
- ジープ・コンパスとプラットフォームを共有
- アメリカではダッジブランドでも販売
- 日本仕様はマイルドハイブリッドとPHEV仕様のみの設定(2024年2月現在)
- まもなく弟分となるミラノが登場予定(2024年2月現在)
ライバル
冒頭の通り今では世界中多くのブランドがラインナップするSUVですが、そのなかでもCセグメント級のボディサイズをもつモデルは欧州でも各社がしのぎを削るライバルが多いジャンルのひとつです。走りを重視するトナーレに近しいライバルとしてアウディQ3やBMW X1などが挙げられます。
- アウディ Q3
- BMW X1
- メルセデス・ベンツ GLAクラス
- DSオートモビル DS7クロスバック
- ルノー アルカナ
- マツダ CX-5
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
日本にも導入され早速好評を得ているトナーレですが、欧州現地で設定される全ての仕様が導入されている訳ではありません。インポーターの戦略などもあり、現在未導入の仕様は、今後も導入されない可能性も考えられます。そのため、お好みの仕様を確実に手に入れるなら並行輸入がおすすめです。トナーレのグレード構成は以下の通りです。現在、左ハンドル欧州仕様および右ハンドル英国仕様共に設定されていますが、日本未導入のディーゼル仕様は左ハンドル欧州仕様にのみ設定されています。
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)
- SPRINT
18インチアルミホイール、アダプティブイルミネーション機能付きマトリクスフルLEDヘッドライト、LEDシグネチャー付きフルLEDリアライト、ヒーテッドドアミラー、リアスポイラー、高さ調整可能なトランクフロア(PHEV仕様を除く)、3本スポークスポーツステアリングホイール、手動調整式6ウェイシート、ネロ・アルミニウムペダル、ファブリック/フェイクレザーコンビシート、ロゴ入りヘッドレスト、12.3インチフルデジタルメーター、10.25インチタッチスクリーン、AppleCarPlay/AndroidAutoワイヤレス接続対応、AlfaDNAシステム、インテリジェント・アダプティブ・クルーズコントロールなどが装備 - VELOCE
(SPRINTに対して)19インチアルミホイール、ダークリアウィンドウ/バックウィンドウ、ヒーテッドハンドル、ヒーター/クーラー付き電動8ウェイシート/4ウェイランバーサポート(フロント)、グレーステッチ入りパンチングレザー/フェイクレザーコンビシート、3Dパターンとアンビエントライトを内蔵したアルミルックのインテリアトリム、アルミニウムドアトリムなどが装備 - TRIBUTE ITALIANO
(VELOCEに対して)20インチグレーアルミホイール、イージーローディング機能付き電動テールゲート、レッドステッチ入りパフォーレイテッドレザー/フェイクレザーコンビシート、アルファロメオロゴ入りアンビエントライト内蔵カーボンファイバー風装飾のインテリアトリム、ダッシュボードやドアトリムなどのレッドステッチ、HarmanKadon HiFiオーディオシステムなどが装備
そのなかでもトナーレのオススメは、左ハンドル欧州仕様のVELOCEに1.6Lターボ VGT-Dディーゼルと6TCTの組み合わせです。新世代アルファロメオのトナーレのなかで唯一設定されたディーゼル仕様は、場合によってはアルファロメオ最後の純内燃機関仕様になるかもしれません。これに上質な乗り心地を提供するアルファ・アクティブサスペンションを備えたVELOCE仕様をチョイスしています。電動化デバイスのないエンジンならではの回転感覚とディーゼルの強大なトルクを節度感のあるアルミ製パドルシフトで操る楽しさは、アルファロメオが連綿と続けてきた走りのDNAをしっかりと感じることができそうです。メーカー自身が掲げる将来的な電動化に向けたアプローチは事実でしょう。そのなかで今なら間に合う純内燃機関仕様をお取り寄せして楽しんでみませんか。
- アルファロメオ トナーレ VELOCE 1.6 VGT-D 6TCT(左ハンドル欧州仕様)
- アルファロメオ トナーレ SPRINT 1.6 VGT-D 6TCT(左ハンドル欧州仕様)
ほかにもよりシンプルなSPLINT仕様や各社ライバルモデルについても並行輸入可能ですのでお気軽にお問合せください。
(€1=155円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€44,800)\9,200,000
(現地値引き交渉前価格:€39,300)\8,238,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。