新世代シトロエンの方向性を示したコンセプトモデル「Oli」の発表以降、ラインナップの各モデルが順次世代交代を進めています。
そのなかでもコンパクトSUVとして人気を得ているこのモデルも、フルモデルチェンジで幅広い改良を行い大きく進化を遂げました。
今回はシトロエンのSUV「C3エアクロス(CITROEN C3 Aircross)」を解説。フルモデルチェンジされた新型モデルの内燃機関仕様を中心に概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
シトロエン C3エアクロスとは
C3エアクロスはシトロエンのBセグメント級にあたるコンパクトSUVとなります。ボディサイズは全長:4,395mm×全幅:1,795mm(ミラー部分を含まず)×全高:1,640mmとセグメントのなかでは大きめで、国産車ではホンダ ヴェゼルやWR-Vに近いサイズ感です。
- 初代モデルのC3エアクロス(2017年)
- 欧州には導入されなかったシトロエン エアクロス(2010年)
初代モデルは2017年、コンパクトMPVであったC3ピカソの実質的な後継モデルとしてデビューしました。C3をベースにSUV化され、取り回しのしやすいボディにC4カクタスを彷彿とさせるスタイリッシュなデザイン、AWD仕様はありませんでしたがGripControlによる高めの走破性などで市場でも好調な販売実績を上げました。これとは別に2010年に、C3ピカソをベースにクロスオーバー要素を盛り込みんだモデルを「シトロエン エアクロス」の名前で南米市場向けに投入しましたが、このモデルは欧州市場には導入されておりません。
- 新世代のシトロエンを提言したコンセプトカー「Oli」(2022年)
- 南米やインド向けに展開されているクーペSUVのバサルト
2024年には2代目にフルモデルチェンジされ、現在販売されているモデルとなります。ベースとなるC3同様にコンセプトモデル「Oli」の要素を盛り込んだエクステリアから、インテリア、インフォテインメントシステムなど幅広く改良されたのをはじめ、モデル初となるハイブリッド仕様や、BEV仕様(e-C3エアクロス)がラインナップされました。今回のフルモデルチェンジにあたりメーカーは「家族やアクティブなライフスタイルをもつ全ての人にとって、スタイリッシュでスマート、機能的で手ごろな価格のコンパクトSUVである」とアピールしています。2代目モデルは欧州向け仕様とは別に、南米やインドなどの市場向けには異なるボディを纏ったC3エアクロスのほか、これをクーペSUV化した「バサルト」がありますが、欧州市場では展開されておりません。
日本市場には初代モデルが導入され、現時点(2025年10月現在)でも継続販売されています。
シトロエン C3エアクロスコンセプト動画(約30秒)
ココがスゴイ!シトロエン C3エアクロス
シトロエン C3エアクロスを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 従来モデルよりもボディサイズが拡大
- セグメント初の3列7シーター仕様の設定
- シトロエンの新世代デザイン言語を採用
- ガソリンエンジンと6MTの組み合わせも選択可能
- アドバンスドコンフォートサスペンションを全車標準装備
スタイリングとインテリア
- 堅牢で力強くもモダンなSUVスタイルに進化
- 意味のあるボディサイズ拡大
- C-Zen Loungeコンセプトを取り入れた快適なインテリア
- コンパクトなボディでも7人乗れるシート配列
エクステリアは従来モデルから20cm以上拡大された全長など、ボディサイズが一回り大きくなりました。直線的なルーフラインの採用と合わせて室内空間の拡大と、モデル初となる3列7シーターを実現しています。
デザインはC4カクタスを起点としたデザイン要素を取り込んだ従来型から一変、モダンな新世代シトロエンのデザイン言語が取り込まれました。楕円型の新ロゴや、コの字型3セグメントライトシグネチャなどを採用するほか、高く水平に伸びるボンネットとフロントの垂直ラインや、大径ホイールを覆うフロントフェンダーとホイールアーチガードなど、力強さと堅牢性を感じられる処理に仕上がっています。
- シトロエン C3エアクロス(リア)
- シトロエン C3エアクロス(サイド)
- 印象的なコの字型3セグメントライトシグネチャ
- 楕円型のシトロエン新ロゴが採用されました
インテリアも新型モデルで大きく進化しました。C-Zen Loungeコンセプトを取り込み設計された水平基調のインストルメントパネルは、上部にドライバーが必要な情報を的確に表示するヘッドアップディスプレイなどのテクニカルな要素、下部にエアベントやワイヤレス充電パッドなどの快適な要素と、明確に分けて配置された二階層の構造になっています。加えて高い着座位置からの見晴らしのよさと、クラストップレベルに拡大された室内空間、10~15mm厚のフォームを新たに採用した掛け心地のよいシトロエン・アドバンスド・コンフォートシートなど、メーカーは新型モデルのインテリアを「リビングルームのような快適性である」とコメントしています。
シート配列は従来モデル同様2列5人乗りのほか、大きなポイントは、セグメント初となる3列目を備えた7シーター仕様の設定です。フル乗車ではラゲッジスペースがミニマムになりますが、3列目を使用しないときはフラットで広い荷室スペースにすることも可能です。
インフォテインメントシステムはタッチスクリーンが10.25インチの大画面に拡大されたほか、スマートフォンに着想を得たウィジェットアーキテクチャを採用し、バーチャルショートカットから通話、オーディオ、メディア機能などにもアクセス可能です。スマートフォンとの接続はAppleCarPlay/AndroidAutoのワイヤレス接続に対応しています。
- C3エアクロスのインテリア
- 掛け心地のよいシトロエン・アドバンスド・コンフォートシート
- 広いラゲッジにさまざまなアイテムを積むことができます
- クラス唯一の3列7シーター仕様が選択可能
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットはガソリンと、ハイブリッドの設定です。
- ガソリン
1.2L 直3 ターボ Turbo100 101PS (74kw)/205Nm - ハイブリッド(48Vマイルドハイブリッド)
1.2L 直3 ガソリン+電気モーター Hybird145 136PS(100kw)/230Nm
ガソリンは101PSを出力する直3 1.2LターボのTurbo100となります。ステランティスのPureTech100に相当するユニットで新型C3をはじめ、プジョー 208、オペル/ボクスホール コルサ、フィアット グランデパンダなどグループ内Bセグメントモデルの多くに組み合わされます。燃費性能は欧州複合で16.9km/Lです。ハイブリッドは、ミラーサイクルを採用して136PSを出力する直3 1.2Lガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせた48VマイルドハイブリッドのHybrid145となります。このほか、BEVとなるe-C3エアクロスも設定されています。
駆動方式はFFで、トランスミッションはTurbo100に6速MT、Hybrid145に6速デュアルクラッチトランスミッションが設定されています。
走行性能とハンドリング
サスペンションは、フロント:マクファーソンストラット、リア:トーションビームの形式で、新型モデルはアドバンスドコンフォートサスペンションが全車標準装備になりました。特許取得済みのプログレッシブ油圧式ストッパーを採用したこのシステムは、ショックを吸収/分散させることで快適な乗り心地を実現しています。
この足回りと座り心地のよいアドバンスドコンフォートシートを合わせて「魔法の絨毯」のような快適性を体感できるのは、乗り心地には並々ならぬこだわりのあるシトロエンの真骨頂と言えるでしょう。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,395×1,795×1,640 mm
【ホイールベース】2,670mm 【トレッド】前/後:1,565 / 1,570mm
【車両重量 1,644kg
●エンジン
【構成】水冷直列3気筒ターボ DOHC12V フロント横置き
【総排気量】1,199cc 【直径×内径】 75.0×90.5mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】101ps(74kw)/5500rpm 【最大トルク】205Nm/1750rpm
【燃料容量】44L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】6MT
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)トーションビーム
【ブレーキ】(前)- / (後)-
【タイヤ】(前後)-/-R-
●パフォーマンス
【最高速度】179km/h 【0-100km/h加速】-秒
【燃費】約16.9km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2025モデル:€21,940
歴史とトリビア
シトロエン C3エアクロス関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- コンパクトMPVであったC3ピカソの実質的な後継車種
- エアクロスの名前は欧州未導入モデルに初設定
- 初代モデルはコンセプトモデルを2017年のジュネーブショーで発表
- 2代目モデルはインドや南米向けに別ボディが展開
- 同様に南米やインド向けにクーペSUV化したバサルトが展開
- 前任モデルにあたるC3ピカソ(2008年)
- 南米やインド向けに展開されている2代目C3エアクロス(2023年)
ライバル
手頃なサイズや運転しやすさで人気のコンパクトSUVは、各社がラインナップするホットな市場です。一方3列7シーターのモデルはなくC3エアクロスは唯一の存在ですが、そのなかで近しいライバルとして同時期にフルモデルチェンジして一新されたルノー キャプチャーを挙げます。ほかSUVではありませんがコンパクトな7シーターのモデルとして、ダチア ジョガーもここではライバルとして挙げます。
- ルノー キャプチャー
- ダチア ジョガー
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
3列7シーターというライバルにない強みをもつ新型C3エアクロスですが、現時点(2025年10月時点)で日本では初代モデルが継続販売されており、新型モデルの導入は正式にアナウンスされておりません。今後正規導入される可能性はありそうですが、一足先に日本でも発表された新型C3が2ペダルのハイブリッドのため、MT仕様のガソリンTurbo100などは導入されない可能性がありそうです。そのため、いち早く確実に手に入れるなら並行輸入がおすすめです。C3エアクロスのグレード構成は以下の通りです。現在左ハンドル欧州仕様、右ハンドル英国仕様共に設定されています。
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)
- YOU
16インチスチールホイール+フルホイールキャップ、オートヘッドライト、LEDデイタイムランニングライト、電動調整ドアミラー、フロントパワーウィンドウ、運転席シート高さ調整、エアコン、Bluetoothハンズフリー、ヘッドアップディスプレイ、リアパーキングアシストなどが装備 - PLUS
(YOUに対して)17インチスチールホイール+フルホイールキャップ、フロントLEDヘッドライト、電動格納ヒーテッドドアミラー、ハイビームアシスト、ブラックルーフレール、フロント/リアパワーウィンドウ、レザーステアリングホイール、10.25インチタッチスクリーン、AppleCarPlay/AndroidAutoワイヤレス接続、バックカメラなどが装備 - MAX
(PLUSに対して)17インチアルミホイール、3D LEDリアライト、シトロエン・アドバンスド・コンフォート・シート、スマートフォンワイヤレス充電パッド、死角アシストなどが装備
グレード構成(右ハンドル英国仕様)
- PLUS
17インチアルミホイール、ブラックルーフバー、電動格納ドアミラー、リアプライバシーガラス、シトロエン・アドバンスド・コンフォート・シート、フロント/リアパワーウィンドウ、レザーステアリング、オートエアコン、10.25インチタッチスクリーン、AppleCarPlay/AndroidAutoワイヤレス接続、リアカメラなどが装備 - MAX
(PLUSに対して)3D LEDリアライト、インテリジェントビームヘッドライト、バイトーンルーフ、スマートフォンワイヤレス充電パッド、死角検知などが装備
C3エアクロスのオススメは、左ハンドル欧州仕様のPLUSグレードにガソリンTurbo100と6MT、オプションで3列目を追加した7人乗りパッケージの組み合わせです。これは充実装備のPLUSグレードにセグメント唯一のコンパクトSUVで3列7シーターという、フルモデルチェンジした新型C3エアクロスのポイントをしっかり押さえたチョイスです。
3列目は不要なぶん、広いラゲッジをご希望ならオプションを選択しない2列5シーター仕様や、5シーター仕様のみが設定されるシンプルなYOUグレードの選択もよいでしょう。
コンパクトなボディで日本でも乗りやすく、多人数で楽しめて、時には6MTを駆使して積極的なドライビングも味わえる新型C3エアクロスは、ライバルでは代わりがきかないオンリーワンな魅力をもった一台となるでしょう。フルモデルチェンジで各所が進化した新型モデルをいち早く欧州現地からお取り寄せしてみませんか。
- シトロエン C3エアクロス PLUS 1.2 Turbo100 6MT+7人乗りパッケージ(左ハンドル欧州仕様)
- シトロエン C3エアクロス YOU 1.2 Turbo100 6MT(左ハンドル欧州仕様)
- シトロエン C3エアクロス PLUS 1.2 Turbo100 6MT+7人乗りパッケージ(右ハンドル英国仕様)
ほかにも右ハンドル英国仕様をはじめ、2列5シーター仕様やシンプルなベーシックグレードも並行輸入可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
合わせて日本でも発表された新型C3についても、日本未導入の左ハンドルやMT仕様なども並行輸入可能ですので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
- 日本でも正規導入が発表された新型C3
- 日本未導入の左ハンドルやMT仕様も並行輸入可能です
(€1=160/£1=190円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€21,940)\5,829,000
(現地値引き交渉前価格:€18,890)\5,267,000
(現地値引き交渉前価格:£20,432)\6,266,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。
画像と動画
- C-Zen Loungeコンセプトを取り込んだインストルメントパネル
- インストルメントパネル下部にはワイヤレス充電パッドも設定
- タッチスクリーンは10.25インチに拡大




























