日本でもファニーならルックスで登場以来人気を得ているフィアット500(FIAT 500/チンクエチェント)ですが、一方で長年フィアットがもつ得意分野に「実直な小型車作り」があります。
現在のフィアットで最もこれを感じられるモデルが「ティーポ」でウィズカーズでも以前から目を付け紹介してきました。2代目ティーポとして復活してから5年、今回マイナーチェンジを実施し、新たなボディタイプが追加になりました。
今回は新型フィアット ティーポ(FIAT Tipo)のかなかでも新たに追加されたクロスオーバー仕様「ティーポ・クロス」を中心に解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
フィアット ティーポとは
フィアット ティーポは、同社のCセグメントクラスのモデル。ボディタイプとしては5ドアハッチバック(CROSS含む)のほかに、ステーションワゴンと4ドアセダンがあります。サイズは全長:4,386mm×全幅:1,802mm×全高:1,556mmと(CROSSの場合)国産車ではスバル XVに近いサイズです。
現在販売されているモデルは、2020年にマイナーチェンジが行われたモデル。このマイナーチェンジではエクステリア、インテリアだけでなくパワートレインもアップデートされる大がかりなものになりました。そのなかでも注目は新たに追加されたティーポ・クロス。比較的に真面目でシンプルなイメージのあったティーポに対してアグレッシブなモデル。使い勝手の良いノルマーレ(ノーマルモデル)からクロスオーバー化するのはパンダ/パンダクロスに近い関係です。フィアットのクロスオーバーには既に500Xがありますが、ファニーな500Xに対して、ティーポ・クロスは都会的な雰囲気です。手頃なプライスで味わえるクロスオーバーとしてファミリー層をターゲットに定めているようです。
日本市場には初代モデルが導入された実績はありますが、復活した2代目モデルは現在まで導入されておりません。
フィアット ティーポ・クロス 紹介動画(約40秒)
ココがスゴイ!フィアット ティーポ
フィアット ティーポを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 新型500に次ぎFIATの新ロゴを採用
- アクティブなクロスオーバー仕様の「ティーポクロス」追加
- リーズナブルだけでなく質感面でも向上。打倒ゴルフ
- 「CROSS」「LIFE」の二系統化へ
- 新世代ダウンサイジングターボエンジンを採用
スタイリングとインテリア
- フルLEDヘッドランプ/リアランプを採用
- CORSSには専用エクステリアを装備
- ティーポ初のデジタルメーターを採用
- フィアット最大となる10.25インチタッチスクリーンにアップデート
ティーポのボディタイプは、今回紹介するクロスのほかに、5ドアハッチバックとステーションワゴン(欧州左ハンドル仕様はコンビ)、そして欧州一部地域にのみ継続して4ドアセダンがラインナップされています。レトロでファニーな500シリーズとは違い、曲線をうまく取り込みつつシャープなボディラインはグラマラスでスタイリッシュな方向性です。
今回のマイナーチェンジでは、シリーズ初のアダプティブハイビーム機能を搭載したフルLEDを採用したほか、アクティブシャッター付きフロントグリルも再設計され、電気自動車の500eに続きフィアットの新ロゴが入りました。フロントバンパーもフォグランプを中心にクローム処理された新デザインにアップデート。これらがエクステリアのキャラクターラインを強調し、よりアグレッシブな雰囲気に仕上がりました。
ティーポ・クロスは車高アップされるほかに、バンパー下部のマットクローム処理されたクロススキッドプレートをはじめ、マット素材のフェンダーアーチエクステンションや、ルーフレール、サイドスカートなどの専用パーツが組み合わされます。
インテリアも今回のマイナーチェンジで、インパネデザイン変更やスポーティなデザインのステアリングの採用など各部がブラッシュアップされました。ティーポ・クロスではロゴ入り専用トリムを採用されるほか、着座位置が4cm高められることで見晴らしがよくなり、より運転がしやすくなっています。
そして大きなポイントはデジタル化。上位モデルに初となる7インチのデジタルメーター採用だけでなく、インフォテインメントシステムは最新のUConnect5にアップデートされました。組み合わされるのは大画面の10.25インチタッチスクリーン。このサイズは現時点のフィアットでは最大サイズとなります。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ガソリンとディーゼルが設定。
- ガソリン
1.0L 直3 ターボ T3 100PS (74kw)/190Nm - ディーゼル(欧州左ハンドル仕様のみ)
1.3L 直4 ディーゼル MultiJet 95PS (70kw)/200Nm
1.6L 直4 ディーゼル MultiJet 130PS (96kw)/320Nm
ガソリンは従来モデルの自然吸気Fireユニットを中心としたものから、T3(100HP)と呼ばれる直3 1.0Lターボにリプレイス。これは500XのMTモデル(日本未導入)に採用される「FireFly」に準じたもの。独創的であったTwinAirの後継とされる、フィアットの次世代ダウンサイジングユニットです。Fireユニットと比べて低回転からピークトルクを発生する特性で、燃費性能は欧州複合で17.2Km/Lです。ディーゼルは直4 1.3Lと1.6LのMultiJetが欧州左ハンドル仕様のみに設定。環境性能も向上し、すべてのユニットで最新のEuro6D-Finalをパスしています。
駆動方式は全車FF、トランスミッションは5速MTを中心に、1.6Lディーゼルに6MTが設定されています。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:マクファーソンストラット、リア:トーションビームを採用。従来モデルから変更はありませんが、クロス仕様は専用のチューニングが施されています。フィアットの小型車の足回りはコンベンショナルな構成でも軽快に走れるセッティングに定評がありますが、新型ティーポおよびクロスもしっかりと受け継がれているようです。
今回のマイナーチェンジでは、安全装備が強化。レーンキープアシストやアダプティブクルーズコントロールをはじめクラストップレベルの運転システムにアップデートされています。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,386×1,802×1,556 mm
【ホイールベース】2,638mm 【トレッド】前/後:1,542 / 1,543mm
【車両重量 1,335kg
●エンジン
【構成】水冷直列3気筒ターボ DOHC12V フロント横置き 気筒休止機構付
【総排気量】999cc 【直径×内径】 70.0×86.5mm 【圧縮比】10.5:1
【最高出力】100ps(74kw)/5000rpm 【最大トルク】190Nm/1500rpm
【燃料容量】50L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】5MT
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)トーションビーム
【ブレーキ】(前)ディスク / (後)ドラム
【タイヤ】(前後)215/55R17
●パフォーマンス
【最高速度】180km/h 【0-100km/h加速】12.2秒
【燃費】約17.2km/L(新欧州複合基準)【価格】英国仕様 2021モデル:£21,690
歴史とトリビア
フィアット ティーポ関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- 初代ティーポはセダン版のテムプラと共に日本市場に導入実績あり
- 2006年以来14年ぶりに刷新された新しいFIATブランドロゴに変更
- LCVのドブロなどと同じくトルコのトファスの工場にて生産
- プラットフォームは500Lとも共有
- 欧州市場で4ドアセダンは左ハンドルの一部市場のみの設定に
- 2019年には生産50万台を達成
ライバル
ティーポのなかでもLIFE系のライバルとなる欧州Cセグメントには長年のベストセラー、フォルクスワーゲン ゴルフをはじめ多くのモデルがありますが、CROSS系のようにCセグメントハッチバックをベースとするクロスオーバー仕様は少なめです。そのなかではスバル XVや新型シトロエン C4などをライバルとして挙げます。
- スバル XV
- シトロエン C4
- DSオートモビル DS4
- トヨタ カローラ・ツーリングスポーツTREK
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
欧州でも好調なセールス実績を上げるティーポですが、2015年に復活した2代目モデルは現時点で日本に導入された実績はありません。日本ではフィアットは500系とパンダに集中する戦略を取っていることや、現時点でティーポには2ペダル仕様がないこともあり、今後も正規導入される可能性は低そうです。そのため確実に手に入れるなら並行輸入が確実な方法です。
ティーポのグレード構成は以下の通りです。右ハンドル英国仕様/左ハンドル欧州仕様ともに展開されています。
グレード構成(右ハンドル英国仕様)CROSS系
- CROSS
17インチアルミホイール、CORSS専用アンダーガード、ルーフレール、フルLEDヘッドライト/テールライト、7インチタッチスクリーン、UconnectLink(スマートフォンミラーリング対応)などが装備
グレード構成(右ハンドル英国仕様)LIFE系(5ドアハッチバック/ステーションワゴン)
- TIPO
マニュアルエアコン、6エアバッグ、レーンキープアシスト、60:40分割可倒リアシートなどが装備 - LIFE
(TIPOに加えて)16インチアルミホイール、オートエアコン、7インチデジタルメーター、UconnectLink(スマートフォンミラーリング対応)クルーズコントロールなどが装備
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)CROSS系
- CITY CROSS
CORSS専用アンダーガード、ルーフレール、LEDテールライト、7インチデジタルメーター、UconnectLink(スマートフォンミラーリング対応)などが装備 - CROSS
(CITY CROSSに加えて)17インチアルミホイール、フルLEDヘッドライト/テールライト、パーキングセンサー(フロント/リア)、アダプティブクルーズコントロールなどが装備
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)LIFE系(5ドアハッチバック/コンビ)
- TIPO
マニュアルエアコン、6エアバッグ、レーンキープアシスト、60:40分割可倒リアシートなどが装備 - CITY LIFE
(TIPOに加えて)17インチアルミホイール、フルLEDヘッドライト/テールライト、パーキング7インチタッチスクリーン、UconnectLink(スマートフォンミラーリング対応)、レザーシフトノブ/レザーステアリングなどが装備 - LIFE
(CITY LIFEに加えて)16インチアルミホイール、オートエアコン、クルーズコントロールなどが装備
そのなかでもオススメは、右ハンドル英国仕様のCROSSにガソリン1.0Lターボ 100HP(T3)の組み合わせです。今回のマイナーチェンジで追加になったティーポ・クロス。今まで実直一直線的な性格であったティーポを一気にアクティブにしたモデルです。プライスもライバルモデルと比べて低めの設定がされており、アクティブなファミリークロスオーバーとしてのチョイスです。日本でのフィアットがイメージされるファニーさとはまた一味違ったモデル。小型車作りに慣れた「フィアットらしさ」を知っているオーナーだからこそ色濃く味わえる一台と言えるでしょう。
- フィアット ティーポ 1.0 100HP CROSS(右ハンドル英国仕様)
- フィアット ティーポ 1.0 T3 5Door(左ハンドル欧州仕様)
ほかにも5ドアハッチバックやステーションワゴンのLIFEモデルや左ハンドル欧州仕様なども選択可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
(£1=145円/€1=125円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:£21,690)\4,770,000⇒特価販売中!(左右ハンドル/お問い合わせください。)
(現地値引き交渉前価格:€17,490)\3,593,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。