ウィズトレーディングにてお客様からのお問合せや販売実績の多いジャンルのひとつがピックアップトラックです。トヨタ ハイラックスやいすゞ D-MAXをはじめ多くの車種を新車で並行輸入していますが、一方残念ながらモデルチェンジなどにより絶版車となっても今なお魅力的なモデルが欧州には多く存在します。
今回はフォードのミドルサイズピックアップ「レンジャー(FORD Ranger)」の絶版となった欧州初代モデルをプレイバック解説。そのなかでも最終型(2018年~2022年)のノーマルモデルにフォーカスを当て概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
フォード レンジャー(欧州初代モデル)とは
レンジャーは、フォードのミドルサイズピックアップトラックです。欧州仕様のボディサイズは全長:5,359mm×全幅:1,977mm×全高:1,848 mm(ミラー折り畳み時)と、現在販売されている2代目モデルと比べてコンパクトなサイズで国産車ではトヨタ ハイラックスに近いサイズになります。
レンジャーの名前は、当初北米市場で販売されていたコンパクトピックアップトラックに付けられていたネーミングでした。これはブロンコなどSUVモデルのベースになったほか、一時期はBシリーズとしてマツダに提供されていたこともありました。
デビュー以降、2015年と2018年にフェイスリフトが行われ、最終型となった2018年のフェイスリフトでは、ハイパフォーマンス仕様の「レンジャー・ラプター」が追加されました。これは北米市場で販売されるフルサイズピックアップ「F-150」の最強バージョンに設定されていたラプターの名前が欧州ではじめて冠されたモデルとなりました。欧州初代モデルのレンジャー・ラプターは既に解説記事がありますのでご参照ください。最終型はモデル末期まで好調なセールスを記録し、2020年にはインターナショナル・ピックアップトラック・アワードを受賞しています。
T6プラットフォームを採用したレンジャーは当初北米市場には展開されていませんでしたが、世界各国での高評価を受けて、2019年に再び導入されることになりました。北米市場の主要モデルであるF-150と同じ耐久性テストを課したタフさをアピールし、こちらでも好調なセールスを記録しています。
2022年には現在販売されている2代目モデルにフルモデルチェンジされました。プラットフォームは欧州初代同様T6プラットフォームを継承しエクステリアは四角さを強調した押し出しが強いデザインに変化しました。2代目モデルはデビュー当初から通常モデルとラプターの両方がラインナップされています。
日本市場にはかつてエクスプローラーのピックアップモデルが一時期販売されたことがありましたが、欧州市場向けレンジャーが正規導入された実績はありません。
ココがスゴイ!フォード レンジャー(欧州初代モデル)
フォード レンジャー(欧州初代モデル)を語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 卓越した走破性と高い牽引能力
- 現行モデルと変わらないプラットフォーム
- 最終モデルで新世代EcoBlueユニットにアップデート
- 滑らかな変速と燃費性能もアップした10速ATの採用
- フォードのタフなピックアップトラックをリーズナブルに味わえる選択肢
スタイリングとインテリア
- 用途に合わせて選べる3種類のボディタイプがラインナップ
- モダンさのなかにタフさがあるエクステリア
- スポーティさと高級感が融合したインテリア
- SUVとしても使えそうな余裕のある室内空間
ボディタイプは2ドアのシングルキャブ(シングルキャビン)、小さめの観音開きリアドアを採用したスーパーキャブ(エクストラキャビン)、4ドアのダブルキャブ(ダブルキャビン)の3種類が設定されており(右ハンドル英国仕様の場合。カッコ内は左ハンドル欧州仕様)、用途に合わせて選ぶことができます。
デザインは四角四面となり押し出しが強くなった現行モデルと比べて、欧州初代モデルは空力性能を高めるため曲線を積極的に使っているのが印象的です。曲線がフレンドリーでモダンな印象をもたらす一方、高いベルトラインから筋肉質なフェンダー、テールゲートに刻印されるレンジャーのネーミングなどしっかりと強さやタフさも内包したエクステリアに仕上がっています。これをメーカーは「”21st Century Tough”(21世紀タフ)なスタイリング」と呼んでいます、最終型となる2018年のフェイスリフトでは新設計のフロントバンパーや水平方向に2本のラインが強調されたフロントグリルなど各所のデザインがアップデートされました。
乗用モデルを中心にスポーティなイメージのあるフォードですが、レンジャーも例外ではありません。Wildtrak仕様は印象的なセイバーオレンジのボディカラーやフロントグリル、エアインテークほかエクステリア各所のパーツにチタンカラーのエフェクトを施すことで大胆でスポーティなピックアップトラックを実現しています。
インテリアで目を引くのは質感の高さです。エボニーブラックで仕上げられたインテリアは、これまでのピックアップトラックの「仕事感」を感じさせない落ち着きのある高級感を醸し出しています。後年プレミアムブランドがピックアップトラックに参入したり、ライバルも質感を上げてきていますが、デビュー当時ではライバルを凌駕する高いレベルであったと言えるでしょう。シートは主要グレードに立体的でホールド感の高いスポーツシートをフロントに採用し、オンロードでもオフロードでもしっかりとサポートします。一部仕様にはロゴがエンボス加工されたレザートリムが設定されており、スポーティさだけでなく、高級感の演出にも一役買っています。シート配列はシングルキャブは1列、スーパーキャブはフラットで小さ目の後席がある2列、ダブルキャブは乗用車やSUV用途としても使えそうな余裕のある後席を備えた2列となります。
インフォテインメントシステムはFORD SYNC3システムに8インチタッチスクリーンが組み合わされます。最新世代のSYNC4と比べると一世代前になりますが、仕様によりAppleCarPlay/AndroidAutoを用いたスマートフォン接続にも対応しています。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ディーゼルの設定です。
- ディーゼル
2.0L 直4ターボ EcoBlue 130PS(96kw)/340Nm
2.0L 直4ターボ EcoBlue 170PS(125kw)/420Nm
2.0L 直4ツインターボ EcoBlue 213PS(156kw)/500Nm
3.2L 直4ターボ Duratorq 200PS(147kw)/470Nm
最終型となる2018年以降のモデルは3.2Lのみ旧世代となるDuratorqユニットが残っていますが、これ以外は現行モデルにも採用される新世代ディーゼルのEcoBlueユニットにアップデートされました。従来モデルの2.2L Duratorqと比べてダウンサイジングされただけではなく、最新のSCR技術や可変ジオメタリーターボなどを採用することで高出力と高い環境性能を実現しています。EcoBlueユニットの排気量は全て2.0Lでシングルターボの130PSと170PS、ツインターボの213PSの3種類が設定されています。ツインターボ仕様は現行モデルにも設定されていますが、現行の205PSよりも欧州初代モデルの方が高出力なのがポイントです。燃費性能はEcoBlue 213PS仕様の欧州基準で12.9km/Lです。
駆動方式はAWDで、トランスミッションは6MTのほか2ペダルは6ATと10ATが設定されています。現行モデルではMTが一部仕様にのみ設定されますが、欧州初代モデルはハイパワーな213PS仕様も含めて全てのパワーユニットで選べるのがポイントです。EcoBlueユニットと合わせて初採用された新世代の10ATは、多段化による滑らかな走りと優れた燃費性能が魅力です。
牽引能力は最大3.5トンと最新モデルと同じで、これはクラスのなかでも屈指の牽引能力を誇ります。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:ダブルウィッシュボーン、リア:リーフスプリングの組み合わせです。フォードのタフなピックアップトラックとして、全車AWDが組み合わされるのに加えて、29度のアプローチアングル、21度のデパーチャーアングル、水深800mmまで走行可能など道を選ばない高い走破性を備えています。
最終型では安全機能に関してもアップデートされ、前方カメラとレーダーを使用した歩行者検知機能とスピードリミッターを備えたプリコリジョンアシストを当時このクラスで初採用しています。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】5,359×1,977×1,848 mm(ミラー折り畳み時)
【ホイールベース】3,220mm 【トレッド】前/後:1,560 / 1,560mm
【車両重量】 -kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒ツインターボ DOHC16V フロント縦置き
【総排気量】-cc 【直径×内径】 -×-mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】213ps(157kw)/-rpm 【最大トルク】500Nm/-rpm
【燃料容量】-L
●駆動系
【駆動方式】AWD 【トランスミッション】10AT
【サスペンション】(前)ダブルウィッシュボーン / (後)リーフスプリング
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ベンチレーテッドディスク
【タイヤ】(前後)265/60R18
●パフォーマンス
【最高速度】180km/h 【0-100km/h加速】9.0秒
【燃費】約12.9km/L(新欧州複合基準)【価格】-
歴史とトリビア
フォード レンジャー(欧州初代モデル)関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- レンジャーの名前をミドルサイズピックアップとして再設定
- 欧州をはじめ各地で高評価を受けて北米市場にも導入
- ピックアップトラックの需要が高いタイで生産
- 2020年インターナショナル・ピックアップトラック・アワードを受賞
- レンジャーをベースにしたSUVのエベレストがASEAN地域などで販売
- コンパクトピックアップトラック時代のレンジャーはマツダにも供給
ライバル
ミドルサイズピックアップトラックの欧州初代レンジャーですが、国産メーカーを中心にライバルが多くありました。そのなかで絶版車も含め近しいライバルとしてトヨタ ハイラックス、いすゞ D-MAX、日産 ナバラを挙げます。ほかにもこの頃には欧州ピックアップトラックの根強い人気から、プレミアムブランドのメルセデス・ベンツもXクラスで市場に参入しておりこれもライバルとなります。
- トヨタ ハイラックス
- いすゞ D-MAX(旧型モデル)
- 日産 ナバラ(絶版)
- 三菱 L200
- フォルクスワーゲン アマロック(旧型モデル)
- メルセデス・ベンツ Xクラス(絶版)
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
市場で好調なセールスを記録した欧州初代モデルのレンジャーですが、デビュー当初から日本市場には投入されず、フォードが日本市場でのインポーター事業を終了したため、残念ながらモデルライフを通して日本に正規輸入されることはありませんでした。そのため欧州初代モデルを手に入れるのなら並行輸入がおすすめです。右ハンドル英国仕様、左ハンドル欧州仕様共に設定されておりましたが、参考情報として最終型となった2018年以降のグレード構成は以下の通りです。
グレード構成(右ハンドル英国仕様)
- XL
16インチスチールホイール、カラードバンパー、ヒーター付きフロントガラス、ヒーテッドエクステリアミラー、6ウェイ運転席調整、マニュアルエアコン、フロントパワーウィンドウ、エマージェンシーブレーキ・アシスト、クルーズコントロールなどが装備 - XLT
(XLに対して)16インチアルミホイール、クローム仕上げのラジエターグリル/エクステリアミラー/ドアハンドルなど、フロントフォグランプ、電動テールゲートロック、オートライト、照明付きバニティミラー付きサンバイザー、オーディオコントロール機能付きレザーステアリングホイール、4.2インチTFTスクリーン内蔵オーディオ、AppLink(AppleCarPlay/AndroidAuto)などが装備 - Limited
(XLTに対して)17インチアルミホイール、LEDデイタイムランニングライト付きバイキセノンヘッドライト、電動格納式ヒーテッドエクステリアミラー、リアプライバシーガラス、イージーリフト・テールゲート、レザーインテリア、電動調整ヒーテッドシート、キーレスエントリーシステム、バックカメラ、フォード・パワースタートなどが装備 - Wildtrak
(Limitedに対して)18インチアルミホイール、チタニウムエフェクトの専用グリル/ドアハンドル/アンダーガード/樹脂製サイドステップ、アルミニウム仕上げのルーフレール、パートレザーシートトリム、アンビエントライト、FORD SYNC3システム+8インチタッチスクリーン、充電対応USBポートなどが装備
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)
- XL
16インチスチールホイール、カラードバンパー、ヒーター付きフロントガラス、ヒーテッドエクステリアミラー、マニュアルエアコン、フロントパワーウィンドウ、12Vアクセサリーソケット、クルーズコントロールシステム、セーフティ・ブレーキ・アシストなどが装備 - XLT
(XLに対して)16インチアルミホイール、クローム仕上げのラジエターグリル/エクステリアミラー/ドアハンドルなど、樹脂製サイドステップ、フロントフォグランプ、電動テールゲートロック、自動防眩ルームミラー、オーディオコントロール機能付きレザーステアリングホイール、照明付きバニティミラー付きサンバイザー、セレクタブル4×4などが装備 - Limited
(XLTに対して)17インチアルミホイール、LEDデイタイムランニングライト付きバイキセノンヘッドライト、ライトティント断熱ガラス、電動調整式ヒーテッドエクステリアミラー、イージーリフト・テールゲート、レザーインテリア、電動調整ヒーテッドシート、キーレスエントリーシステム、バックカメラ、フォード・パワースタート、パーキング・パイロット・システムなどが装備 - Wildtrak
(Limitedに対して)18インチアルミホイール、専用グリル/ドアハンドル/アンダーガード、”Sport”樹脂製サイドステップ、荷室一体型エアロダイナミクススポーツバー、アルミニウム仕上げのルーフレール、パートレザーシートトリム、アンビエントライト、充電対応USBポートなどが装備
ボディタイプおよびグレードの組み合わせが多くある欧州初代レンジャーですが、最終型のなかでもモデルチェンジ直前となる2021年/2022年モデルのダブルキャブを中心に年式が新しく走行距離も少ない物件が出ています。そのなかでもオススメは、右ハンドル英国仕様Wildtrakグレードのダブルキャブボディに、213PS仕様のEcoBlueツインターボユニットと10ATの組み合わせです。これは日本で乗るのに乗りやすい右ハンドルでプロツールを積み込んでお仕事の相棒にも、高い牽引能力を生かしてレジャーアイテムと一緒に楽しむのにも活躍してくれそうなチョイスです。走りをより積極的に楽しみたいユーザーなら、現行モデルでは選択できないハイパワーユニットと6MTの組み合わせもよいでしょう。これらは比較的に欧州現地での流通量もあるようです。
現行モデルが発売になり絶版車となったいま、威圧感を強めすぎずタフさを感じるエクステリアや、少しコンパクトなボディサイズ、ハイパワーなパワーユニットなども魅力ですが、加えて最近では中古車市場にも比較的に台数が多くあるため選びやすく、価格がこなれていることから積極的に欧州初代モデルを注目する流れもあるようです。フォードのタフなピックアップトラックをリーズナブルに味わうことができる欧州初代レンジャーをお好みの仕様を探してお取り寄せしてみませんか。
- フォード レンジャー(欧州初代モデル) ダブルキャブ WildTrak 2.0 EcoBlue 213PS 10AT(右ハンドル英国仕様)
- フォード レンジャー(欧州初代モデル) ダブルキャビン WildTrak 2.0 EcoBlue 213PS 6MT(左ハンドル欧州仕様)
合わせて欧州初代モデルの最強版となるレンジャー・ラプターや、現行モデルの新車も通常モデル/ラプター共に並行輸入できますのでお気軽にお問合せください。
(現地値引き交渉前価格:お問合せください)
(現地値引き交渉前価格:お問合せください)
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。