日産 ナバラ(NISSAN NAVARA)は、日産自動車が製造するミドルサイズのピックアップトラックで、世界各国で販売されています。ただし、2020年現在、日本では正規販売されていません。
とはいえ、日本に全く縁のないモデルではなく、かつて『ダットサントラック』として日本でも親しまれていました。今回は、そんな日産ナバラの概要・スペックを解説、with-carsが得意とする欧州からの並行輸入(逆輸入)の方法や価格、中古車情報をご紹介します。
日産ナバラとは?
日産ナバラは、2.5Lエンジンを搭載する、全長5~5.3m級のピックアップトラックです。世界180ヶ国で販売される世界戦略車ですが、2020年7月時点で日本では正規販売されていません。
冒頭で触れたとおり、かつては『ダットサン』として販売されていました。オセアニアでは9代目ダットサン(1985年~1997年)から、それ以外の地域では10代目ダットサン(1997年~2012年)から、車名が『ナバラ』に変更されています。
ピックアップの世界戦略車。メインの市場はタイと欧州
このページで紹介する『ナバラ』は、ナバラとしては3代目(オセアニアでは4代目)にあたる最新モデルで、2014年にデビューしました。生産はタイとスペインの他、メキシコとアルゼンチン、南アフリカ、中国でも行われます。
また、地域により名前が異なり、タイや欧州、オセアニア、中国では『ナバラ』、ラテンアメリカでは『フロンティア』と呼ばれています。
歴代3モデルすべてが新車で販売中
先代にあたる2代目ナバラは、北米をメインターゲットとしたことからボディサイズが大きく、一部地域では、コンパクトだった初代ナバラが継続販売されました。
ところが、3代目ナバラはコンパクトになったため北米では小さすぎたため、アメリカとカナダでは2代目ナバラを『フロンティア』と改名し、2020年現在も販売が続けられています。
また、南アフリカなど一部地域では、今も初代ナバラを新車で購入可能です。こちらは『NP300ハードボディ』と改名され、3代目ナバラと並行して販売されています。
2.3Lエンジンで全長5m強。ライバルはハイラックス、D-MAX etc…
キャブの仕様によって若干異なるものの、ナバラの全長は5.1m~5.4mに収まり、エンジンは2.3Lの直4ディーゼルターボエンジンを搭載しています。このスペックは、このクラスのピックアップトラックとしては標準的なものです。
全長5m級のミドルクラスピックアップは、特にタイと欧州が激戦区で、ライバルも豊富です。主なライバルを挙げるだけでも、トヨタ ハイラックス、三菱 L200、いすゞ D-MAX、フォルクスワーゲン アマロック、マツダ BT-50など、枚挙にいとまがありません。
ナバラはルノー アラスカンとベンツXクラスのベースとなったモデル
3代目の日産ナバラの車台は、ナバラ以外にも使用されています。ひとつは、同じグループのルノーの『アラスカン』(RENAULT ALASKAN)、そしてもうひとつはメルセデス・ベンツのXクラス(Mercedes-Benz X-class)です。
メルセデス・ベンツ Xクラスは残念ながら、2020年5月に生産が中止されました。一方のルノー アラスカンは現在も販売が続けられています。
日産ナバラの内外装・ボディバリエーション・サイズ
日産ナバラには2種類のボディが用意されています。また、多くのライバルと同じく、エクステリア、インテリアデザインは乗用車のように洗練されています。
Vモーショングリルを採用したスタイリッシュな外装
2014年デビューながら、2020年現在も続いている日産のファミリーフェイス「Vモーショングリル」を採用しています。
ピックアップトラックは特にフロントピラー以降のデザインに普遍性が強いこともあり、デビューから6年経つ現在でも古さは感じられません。
英国仕様に絞って話をすると、フロントグリルは(専用外装のN-Guardを除いて)クローム処理を施した立派なものがついていますが、ドアノブやドアミラー、フォグランプ周りの装飾、リアバンパー兼ステップは、グレードによって樹脂のものとクロームのものが存在します。
キングキャブ・ダブルキャブの2種類を設定
他のピックアップトラックと同じように、日産ナバラには、2つのボディバリエーションが設定されています。さらに、荷台のないシャシーのみを購入することも可能です。
“キングキャブ”は2+2の4人乗り
運転席と助手席の後ろに、補助席がそれぞれついた4人乗りです。後席は背もたれも直立しており、長時間の乗車に耐えるものではありません。
ただ、観音開きのドアがついているため、乗り降りは比較的しやすく、あれば助かることもあるでしょう。また、荷物を置いておくのにはかなり便利です。
“ダブルキャブ”は乗用車的に使える5人乗り
通常のヒンジドアが前後についた4ドアで、乗車定員は前席2名、後席3名の合計5名となります。
後席はややフロアが高く、長身の人が座るにはヘッドルームが不足気味ではあるものの、3名以上で乗車する機会がそれなりにあるなら、使い勝手のよいダブルキャブを選ぶことをおすすめします。
ナバラのボディサイズ
ナバラのボディサイズは、同クラスのピックアップトラックとだいたい同じサイズです。全長とホイールベース(W/B)がやや長いものの、幅は1,850mmなので、日本国内での取り回しもあまり苦労はしなくて済みます。
日本で販売中のハイラックスとほぼ同じサイズと考えると、心理的なハードルはグッと下がりそうです。
全長 | 全福 | 全高 | W/B | |
---|---|---|---|---|
キングキャブ | 5,210mm | 1,850mm | 1,822mm | 3,150mm |
ダブルキャブ | 5,330mm | 1,850mm | 1,855mm | 3,150mm |
ハイラックス(日本仕様) | 5,335mm | 1,855mm | 1,800mm | 3,085mm |
SUV的で使いやすい内装
現行エクストレイルと似たテイストのインパネなので、(素材のほとんどがハードプラスチックであることを除けば)前を向いている限りはSUVに見えます。
視界に入るドアミラーもミニバンやSUV的なデザインなので、バックミラーを覗き込まない限り、トラックとは気づかないでしょう。
廉価グレードのシートは実用的なファブリックですが、上級グレードには本革や、ファブリックと本革を組み合わせてカラーステッチを施したものも用意されています。
インパネや操作系の配置など、ごくオーソドックスで、奇をてらったところはなく、初見でも迷うことなく操作できるはずです。
日産ナバラのエンジン・燃費・メカニズム
英国仕様の日産ナバラには、2.3Lの直4ディーゼルターボエンジンが縦置きされており、2種類のトランスミッションが組み合わされています。燃費やメカニズムと一緒に見ていきましょう。
エンジンは1機種で、シングルターボとツインターボを設定
英国仕様の日産ナバラに搭載されるエンジンは、「YS23」と呼ばれる、2,298ccの直列4気筒DOHC ディーゼルターボです。”dci163″は2ステージシングルターボ、”dci190″はツインターボで過給されます。
この日産YS23エンジンは、ルノーで「M9T」、ダイムラーで「OM699」と呼ばれており、ルノー アラスカン、メルセデス・ベンツ Xクラスはもちろん、商用車の「ルノー マスター」「日産 NV400」、タイ・中国で販売されるSUV「日産 テラ」にも搭載されています。
なお、ナバラは環境性能向上のためにアイドリングストップシステムを搭載しており、燃費は決して悪くありません。
最高出力 | 最大トルク | 燃費(※参考) | |
---|---|---|---|
dci163 | 163ps / 3,750rpm | 425Nm / 1,500~2,500rpm | 約10.68km/L |
dci190 | 190ps / 3,750rpm | 450Nm / 1,500~2,500rpm | 約10.68km/L |
排ガス浄化のためにAdBlueの定期的な補充が必要
近年の「クリーンディーゼル」の例にもれず、日産ナバラも排気ガスの浄化に”尿素SCRシステム”を使用しているため、定期的な「AdBlue(高品位尿素水)」の補充が必要となります。
ナバラのAdBlueタンク容量は17L、補充はガソリンスタンドで行えます。
トランスミッションは7ATと6MTを用意
トランスミッションは6速MTがメインとなっており、dci163/dci190両方のエンジンに組み合わされています。一方の7速ATは、dci163では選べず、dci190を搭載する上級モデルのみに用意されています。
4WDシステムはタフで実用的なパートタイム方式を採用
ナバラの4WDシステムは、質実剛健なパートタイム方式を採用しています。切り替えはダイヤルで行うタイプで、「2WD・4WD High、4WD Low」の3モードが用意されています。
4WDシステムそのものは、2代目ナバラで実績のあるものを引き継ぎつつ、ヒルスタートアシスト(Hill Start Assist)、ヒル・ディセント・コントロール(Hill Descent Control)、電子制御LSD(リアデフロックはオプション)などのコンビネーションにより、悪路における走破性を向上させています。
ダブルキャブのリアサスペンションは乗り心地を考慮
日産ナバラのフロントサスペンションは、すべてのグレードでダブルウィッシュボーンですが、リアサスペンションはキングキャブとダブルキャブで異なります。
1人か2人で乗車し、荷物を運ぶ機会が多いであろうキングキャブには、頑強なリーフリジットを採用する一方、乗用車的に使われることの多いダブルキャブは、乗り心地を重視した5リンクを採用しています。
それでいて、約1トンの積載と、3.5tの牽引が可能となっており、実用上問題は起こらないでしょう。SUVからの乗り換えても違和感の少ない乗り心地は、ライバルモデルに対する、ナバラ(とくにダブルキャブ)のアドバンテージです。
日産ナバラの安全装備
英国仕様の日産ナバラには、最新のSUVに遜色しない安全装備が用意されています。エマージェンシーブレーキは、最廉価グレード「Visia」以外で標準装備です。
欧州のメディアでの日産 ナバラの評価は?
欧州のカーメディアにおけるナバラの評価は良好です。
テスターが口を揃えるのは、リアマルチリンクを装備するダブルキャブの乗り心地のよさです。SUVにはかなわないものの、高速走行時の重厚感も申し分なく、「これまでのピックアップとは一線を画す乗り心地」だと言います。
オンロードにおけるハンドリングは、SUVに比べればスローで、慣性の大きさも感じるものの、「ラック&ピニオン式のステアリングは十分に反応がよく、コーナーが続く状況でも苦にならない」とのことです。ただし、高速走行時に中立付近の曖昧さが気になる…とのレポートもありました。
パワーについては、英国のメディアが「どちらのエンジンでも、交通の流れに置いていかれることはない」とレポートしており、英国より速度レンジの低い日本でも、まったく問題ないと考えられます。7ATは低いギアを長めに保持する傾向があるので、欧州車好きに歓迎されそうです。
ひとつ気になるのは、ダブルキャブに重い荷物を積むと、リアの車高がかなり落ちてしまう…というレポートがあったことです。重い荷物を積む機会の多い方は、リアがリーフサスになるキングキャブを選んだほうが確実でしょう。
ナバラのフレームが折れる? 症状が出たのは先代モデルの前期型
インターネット上で、「ナバラのラダーフレームが折れる」という話を目にしますが、これは先代の2代目モデル(の特に2005年~2008年頃に生産された車体)で報告が相次いだ症状です。
2代目ナバラのフレームは、キャビンの下を通ったあと、荷台とリアアクスルの間を通るために上方に折れ曲がります。そこが凍結防止剤などで腐食し、加減速時のストレスにより折れてしまったようです。
日産はリコールをしておらず、症状は限定的なものでした。2代目の後期型モデルや、3代目モデルではこのような報告はされていないため、心配する必要はありません。
日産 ナバラ 英国仕様のグレード紹介
英国仕様の日産ナバラには、5つのグレードがあり、もっともリーズナブルな「Visia」には荷台のないモデルも用意されています。
キングキャブではツインターボのdci190と、ATを選べません。また、すべてのグレードで、駆動方式は4WDのみとなっています。
Visia(シャシーのみ)
架装を前提とした、荷台のないシャシーのみのグレードです。
キャブタイプ:キングキャブ、ダブルキャブ
パワートレイン:dci163 (6MT)
Visia
荷台のついた通常ボディではもっとも廉価なグレードで、こちらもキングキャブとダブルキャブの両方が用意されます。
キャブタイプ:キングキャブ、ダブルキャブ
パワートレイン:dci163 (6MT)
Acenta
エマージェンシーブレーキやパワーウインドウ、アルミホイールが装備されます。キングキャブの最上級グレードで、これより上級なグレードは、ダブルキャブのみとなります。
キャブタイプ:キングキャブ、ダブルキャブ
パワートレイン:dci163 (6MT)
N-Connecta
オートエアコンや8インチタッチスクリーン、クローム処理されたリアバンパーが装備されます。dci190エンジンとATが選べるのはここからです。
キャブタイプ:ダブルキャブ
パワートレイン:dci190 (6MT)、dci190 (7AT)
Tekna
ルーフレールやLEDヘッドランプ、インテリジェントアラウンドビューモニターが標準となる上級グレードです。ヒーター付きの本革シートも装備されます。
キャブタイプ:ダブルキャブ
パワートレイン:dci190 (6MT)、dci190 (7AT)
N-Guard
ラグジュアリーよりスポーティがお好みの方におすすめの最上級グレード。ブラックの専用エクステリアパーツと、イエローステッチの専用インテリアが奢られます。サンルーフ付き。
キャブタイプ:ダブルキャブ
パワートレイン:dci190 (6MT)、dci190 (7AT)
日本でナバラに乗るときの”おすすめグレード”と価格を紹介
英国仕様の日産ナバラを日本で乗るのであれば、ATモデルがおすすめです。最新型といっても差し支えない7速ATが搭載されており、燃費も良好です。
ATを選ぶ場合、グレードは自動的に「N-Connecta」以上のダブルキャブとなります。「N-Connecta」は豪華装備こそないものの、装備は十分充実しており、おすすめです。
LEDヘッドランプやアラウンドビューモニター、本革シートがほしいのであれば「Tekna」を、スポーティーな専用の内外装に惹かれるなら「N-Guard」を選べば間違いありません。
(£1=138円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格)\6,772,000⇒特価販売中(お問合せください!)
日本国内でナバラに乗るなら並行輸入がおすすめ
日産 ナバラに日本で乗るための方法を解説していきます。
ナバラは正規輸入されていないため、現地から輸入する必要があります
日産ナバラは、日本の正規日産ディーラーで販売されていません。
そのため、輸入(逆輸入)が必要となり、「個人的に輸入を行う」か「並行輸入を行なっている業者から購入する」必要があります。その場合、おすすめしたいのは欧州からの輸入です。
With Carsでは、欧州からクルマを輸入・販売しています
With Carsでは、欧州車の並行輸入を行っているため、英国仕様の右ハンドルの日産ナバラを輸入可能です。
もし、この記事で紹介したナバラに興味を持たれたら、ぜひ、ページ下部のフォームからご相談ください。
現地ディーラーとのやり取りや、搬送の様子をご紹介しております
短い納期でお買い得な、ナバラの現地在庫もお探しします
With Carsでは、現地新車ディーラーからの購入だけでなく、新古車や、認定中古車をはじめとする中古車の輸入も得意としています。
以下は現地在庫の一例です。希望の条件に合う個体があれば、新車より短い納期で入手できます。
日産 ナバラのカスタムのご相談も承ります
日本国内で入手することが難しい、ナバラ向けのアフターパーツの輸入も承ります。塗装や取付が必要な場合は、輸入車経験豊富な協力工場と共に、理想の1台を作り上げるお手伝いをさせていただきますので、ぜひご相談ください。
以下の記事ではWith Carsで承っているサービスをご紹介しています
日産ナバラ純正オプションも承ります
新車の購入と同時に、日産ナバラの純正オプションの購入も承ります。
写真のプレミアム ハードトップや、ステップ・スライディングトレー・ツールボックスなど、便利なオプションが豊富です。ぜひご相談ください。
購入後も、安心の保証と全国提携整備工場との連携でフォローいたします
With Carsでクルマを購入してくださった方には、欧州車の整備、診断が得意な信頼できる提携工場をご紹介します。また、保証制度もあるので、乗り始めてからも安心です。
以下の記事で、保証について詳しく紹介しています
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。