日本にも導入されるキャプチャーからコレオスまでSUVラインナップを拡充しつつあるルノーに初となるクーペSUVがデビュー。今までのルノーSUVとはひと味違う色気のある一台に仕上がっているようです。
今回はルノーのクーペSUV、アルカナ(RENAULT Arkana)を解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
ルノー アルカナとは
ルノー アルカナはルノーのCセグメントクラスのクーペSUV。欧州でも人気のクーペSUVですが、同社では初のモデルとなります。大きさは全長:4,568mm×全幅:1,820mm×全高:1,571mmと、国産クーペSUVではマツダ MX-30より少し大きめなサイズとなります。
アルカナのデビューは2018年、ロシア・モスクワモーターショーでコンセプトモデルが発表されました。市販モデルはロシアから発売開始され、続いて2020年には韓国市場にルノーサムスン XM3の名前で導入。追って欧州市場では2021年左ハンドル仕様から発売開始されました。名前のアルカナはラテン語で「神秘・秘密」の意味をもつ「Arcanam」から名付けられたと言われています。
アルカナのトピックのひとつがプラットフォーム。仕向地により異なり、ロシア向けはダチア ダスターなどで採用されるB0+プラットフォーム。ロシアを除く欧州と韓国向けは、キャプチャーなどに採用されるCMF-Bプラットフォームになり、名前は同じでも事実上別モデルとなります。そのため、今回紹介するモデルは、キャプチャーや日産 ジュークとも兄弟車種になります。生産は以前日本にも導入されていたコレオスと同じく韓国・ルノーサムスンの釜山工場の生産です。
2021年には欧州仕様にスポーティな装いのR.S.ラインが追加になりました。R.S.ラインの設定はメガーヌ、クリオ(ルーテシア)、キャプチャーに次ぐ4車種目の設定です。
ルノー アルカナ コマーシャル動画(約30秒)
ココがスゴイ!ルノー アルカナ
ルノー アルカナを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- ルノー初のクーペSUV
- 欧州仕様はCMF-Bプラットフォームを採用
- ドライバーの好みで設定可能なMULTI-SENSE
- 2種類のハイブリッドシステムを設定
- F1にインスパイアされたスポーティなR.S.ラインが追加
スタイリングとインテリア
- なだらかなルーフを描く色気のあるデザイン処理
- 合わせて筋肉質な安定感を持つSUV的な雰囲気も両立
- インフォテインメントシステムを中心としたハイテクインテリア
- 快適性と人間工学を考慮したシート
エクステリアはクーペSUVであるアルカナのポイントのひとつ。メガーヌや新型カングーなど最近のルノーのデザインテイストに沿ったC型シェイプのフルLEDヘッドライトと大きなルノーロゴの中心としたフロントセクションからはじまり、後方に向かってなだらかなカーブを描く繊細なルーフラインはクーペの美しさを表現する一方、ウェストラインが高く筋肉質なベルトラインはSUV的な安定感も両立。最後に印象的な一文字のリアランプが配置されるリアセクションはフラッグシップのタリスマンなどを彷彿させ、全体的にクーペSUVとして色気のあるものに仕上がっています。
新たに追加されたR.S.ラインは空力ブレードやレッドのワンポイントが入ったアルミホイール、専用フロントバンパーや、クロームメッキ仕上げのデュアルエクゾーストアウトレットなどR.S.ライン専用アイテムが装備。これらはF1をはじめとするルノースポールにインスピレーションを得ているとメーカーはアピールしています。
インテリアは大画面の最大9.3インチ縦型タッチスクリーンを中心としたもの。10.2インチのデジタルメーターと合わせてマーカーは「ハイテクコックピット」とネーミングしています。インパネ形状はB0+プラットフォームを採用するロシア向けとは別に新たに設計。場所により素材を分けており、上部は上質さを感じる手触りの良い素材を配置。中心部はモデルによって異なりますが、R.S.ラインではレーシーなカーボン調のパネルが組み合わされます。
シートは人間工学と快適性を考慮したもので、高めのポジションに合わせて視界が良く運転のしやすさにも一役買っています。
インフォテインメントシステムはEASYLINKを採用。加えてドライバーの好みに合わせてドライビングエクスペリエンスをカスタマイズできるMULTI-SENSEが設定。インテリアに関する項目では8種類のアンビエントライティングが設定可能です。スマートフォンとの親和性も高く、AppleCarPlay/AndroidAuto対応のコネクティビティに加え、センターコンソールにはワイヤレスチャージャーとフロント/リアに2個づつUSBプラグが用意されています。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ガソリンのみ。2種類のハイブリッドが設定。
- ガソリン(ハイブリッド)
1.3L 直4 ガソリン TCe140 140PS (103kw)/260Nm
1.6L 直4 ガソリン E-TECH145 91PS (67kw)/148Nm +電気モーター
アルカナに組み合わされるパワートレインはガソリンユニットを中心とした2種類のハイブリッドが設定。TCe140はオルタネータースターターと助手席下に配置される12Vリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムで、メーカーは「12Vマイクロハイブリッド」とネーミングしています。従来のTCeユニットに近い自然なフィーリングが魅力的で燃費性能は欧州複合で18.6km/Lです。E-TECH145はアライアンスの次世代1.6Lガソリンユニットに2つの電気モーターとマルチモードギアボックスを組み合わせたストロングハイブリッドになります。
どちらのシステムもポイントは「エネルギー回収と再生」。減速時のエネルギー回収と停車前のエンジン停止、スムーズなエンジン再始動と発進時のアシスト。これらにはルノーのF1テクノロジーが応用されており、マイルドハイブリッド仕様の場合従来より8%燃料消費量を削減されています。
駆動方式はFF、トランスミッションはTCe140にデュアルクラッチトランスミッションの7速EDC、E-TECH145はクラッチレス・マルチモード・ドッグボックストランスミッションをバイワイヤのe-シフターを介して操作します。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:マクファーソン・ストラット、リア:トーションビームを採用。SUVとしても地上最低高は200mmを確保しています。ほかにもドライバーの好みに合わせてドライビングエクスペリエンスをカスタマイズする機能のMULTI-SENSEでは走りに関する項目としてエンジンレスポンスやパワーステアリングのアシストなどが設定可能です。
先進安全性能も充実しており、アダプティブ・クルーズ・コントロール、車線維持機能、衝突被害軽減ブレーキを中心にレベル2の自動運転を実現した「ハイウェイ&トラフィックジャム・コンパニオン」を採用しています。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,568×1,820×1,571 mm
【ホイールベース】2,720mm 【トレッド】前/後:1,562 / 1,585mm
【車両重量 1,411kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒ターボ DOHC16V フロント横置き 気筒休止機構付
【総排気量】1333cc 【直径×内径】 -×-mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】140ps(103kw)/4500-6000rpm 【最大トルク】260Nm/1750-3500rpm
【燃料容量】50L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】7EDC
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)トーションビーム
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)215/55R18
●パフォーマンス
【最高速度】200km/h 【0-100km/h加速】9.8秒
【燃費】約18.6km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2021モデル:€32,500
歴史とトリビア
ルノー アルカナ関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- 名前のアルカナはラテン語の「Arcanum」から
- 2018年のモスクワモーターショーでコンセプトモデルを発表
- 同名車種でもロシア仕様と欧州仕様とは別のプラットフォームを採用
- 欧州仕様のプラットフォームはキャプチャーや日産 ジュークと共用
- ルノーでは4番目となるR.S.仕様の設定
- 韓国ではルノーサムスンブランドでXM3の名前で販売
ライバル
欧州でも人気のジャンルであるSUVは、各メーカーから多くのモデルがラインナップされています。そのなかでもアルカナのような色気を持ったキャラクターの近しいライバルとして、DSオートモビルズの新型DS4を挙げます。3年ぶりに復活したDS4。シトロエンを源流にもつDSオートモビルズならではの世界観を持ったプレミアム感は、アルカナに真っ向から勝負するライバルとなりそうです。
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
ルノーはカングーをはじめ多くのモデルが日本市場にも導入されているため、アルカナも今後日本市場に導入される可能性があるかも知れません。しかし、欧州市場でも発売されたばかりで現時点では左ハンドルのみの展開。右ハンドル英国仕様もまだないため、導入されるとしてもまだ時間が掛かると予想されます。そのためいち早く確実に手に入れるなら並行輸入が確実な方法です。
アルカナのグレード構成は以下の通りです。現時点(2021年4月)では左ハンドル欧州仕様のみの展開です。
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)
- ZEN
フルLEDライト、インフォメーションディスプレイ付きアナログメーター、EASYLINK7インチタッチスクリーン、クルーズパイロット、バックカメラなどが装備 - INTENS
(ZENに加えて)MULTI-SENSEアンビエントライティング、レザーハンドル、10.2インチデジタルメーター、EASYLINK9.3インチタッチスクリーンなどが装備 - R.S.LINE
(INTENSに加えて)RS専用エクステリアパーツ、インテリアパーツ、18インチアルミホイール、シートヒーター、パーキング・アシスト、360度センサーなどが装備
欧州市場でも先行して左ハンドル仕様から導入されたアルカナですが、そのなかでもオススメは、R.S.ラインにTCe140 12Vマイクロハイブリッドと7速EDCの組み合わせです。
スタイリッシュなだけでなくスポーティな要素をプラスしたR.S.ラインに、ガソリンユニットをベースとしたマイクロハイブリッドならではのダイレクトでスムーズなフィーリングのTCe140はアルカナの魅力をしっかり味わえるチョイスです。ルノーのなかでも新ジャンルとなる一台。色気のある都会派クーペSUVで街行く人々を魅了してみませんか。
- ルノー アルカナ R.S.LINE 1.3 TCe140 EDC(左ハンドル欧州仕様)
- ルノー アルカナ ZEN 1.3 TCe140 EDC(左ハンドル欧州仕様)
ほかにもベーシックグレードなども選択可能ですのでお気軽にお問合せください。現時点では右ハンドル仕様は発売されていませんが、発表され次第当ページにてお知らせ致します。
(€1=129円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€32,500)\5,969,000
(現地値引き交渉前価格:€27,850)\5,282,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。