世界で長年愛される老舗オフローダーとしてイメージするのは、イギリスのランドローバー、日本のランドクルーザー、そしてアメリカならジープではないでしょうか?
最近では若いユーザーにも支持されつつあるジープブランド。小さくてもしっかりジープなラテンメイドの末っ子が世界で人気を得ています。
今回は「ジープ」のコンパクトSUV、レネゲード(Jeep RENEGADE)を解説。日本未導入仕様を中心に概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
ジープ レネゲードとは
レネゲードはジープのBセグメントクラスのコンパクトSUVとなります。ボディサイズは全長:4,236mm×全幅:1,805mm×全高:1,702 mmと、国産車ではマツダ CX-3やトヨタ ヤリスクロスに近いサイズです。
デビューは2014年。チェロキーの弟的なポジションのジープのなかでも最もコンパクトなモデルとして誕生しました。設計はクライスラーと同じアライアンス内のフィアットと共同開発することで、小型車作りに精通したフィアットと、長年オフロードの知見を持ったジープそれぞれを強みを活かすことができました。プラットフォームは「GM Smallwide 4×4アーキテクチャ」を採用。プラットフォームを共有する兄弟車にフィアット 500Xがあり、生産も500Xと同じくイタリアで生産されるラテンのエッセンスが入った初のジープとなりました。ワールドプレミアの場にジュネーブモーターショーを選んだことからも、欧州市場を重視していることが伺われます。
今までにないコンパクトな「ベビージープ」とも言えるレネゲードは、メーカーの目論見通り特に欧州市場で大きく支持を得て、ジープブランドの販売台数を大幅に増やす原動力となりました。
現在販売されているのは2019年にフェイスリフトされたモデルで、内外装だけでなくパワーユニットの一新、安全装備の充実、最新のインフォテイメントシステムへのアップデートなど大掛かりなものになりました。
日本市場にもデビュー直後から導入され、欧州同様にユーザーから支持を得てジープブランドの裾野を広げる役割を十分に努めていますが、欧州市場には現時点で日本では選べないスポーティな装いの仕様や低燃費ユニットのMT仕様などが設定されています。
ジープ レネゲード エクステリア紹介動画(約30秒)
ココがスゴイ!ジープ レネゲード
ジープ レネゲードを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 誰が見てもひと目で「ジープ」と分かるエクステリア
- イタリアンメイドのコンパクトさ
- 小型車作りに精通したフィアットと共同開発
- 新世代ダウンサイジングターボユニットにアップデート
- 欧州では日本仕様にないスポーティ仕様やMTグレードも設定
スタイリングとインテリア
- 小さくてもジープのデザインアイコンを随所に配置
- 新型ラングラーに近い意匠を取り込みアップデート
- オールラウンドな機能性を表したインテリア
- スマートフォンとの親和性の高い最新インフォテイメントシステムを採用
エクステリアは、「7スリットのグリル」「丸目のヘッドランプ」「台形のホイールアーチ」をはじめ、全体に角張ったエクステリアなど各所にジープのアイコンを巧みに含ませており、小さくても紛れもなくジープであると分かるものに仕上がっています。実際のボディサイズはコンパクトですがスクエアなボディシルエットのため、実寸以上の存在感を感じます。
ほかにもミリタリーアイテムのタンクから着想したX字型の意匠がレネゲートのシンボルとして各所に配置されています。
最新のフェイスリフトでは、LEDデイタイムランニングランプをはじめとした各所のLEDライトの採用や、フロントエンドが新型ラングラーに近い意匠を取り込んだアップデートが施され、よりオフロードの力強さが増したエクステリアに進化しました。
日本仕様に設定されないスポーティな装いの「S」仕様に装備される、専用19インチアルミホイールやルーフレール、専用カラーエンブレムなど、各アイテムがグラナイト(花崗岩)・クリスタルカラーで統一され、クールな印象に仕上がっています。
インテリアは中央にフォーカルポイントを配したワイドで水平なインストルメントパネルや台形のディテールを採用した印象的なもので、オールラウンドな機能性を表しています。最新のフェイスリフトではセンタコンソールがアップデートされ、スマートフォンホルダーの内蔵や、見直されたカップホルダー、タブレッドなどの小物が収納できるポケットなど使い勝手が向上した一方、空調吹き出し口、センタートンネル、スピーカーのベゼルを見直してデザイン面でも改良が行われました。インテリアトリムにはフルレザートリムやウィザード・ブラック・トリムなどが設定されています。
インフォテイメントシステムも合わせてアップデートされ、AppleCarPlayやAndroidAutoに対応したスマートフォンとの親和性の高い最新のU-Connectを採用。これに最大8.4インチサイズのタッチスクリーンが組み合わされます。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ガソリン、ディーゼルが設定。
- ガソリン
1.0L 直3 ターボ T-GDI(GSE T3) 120PS (88kw)/190Nm
1.3L 直4 ターボ T-GDI(GSE T4) 150PS (110kw)/270Nm - ディーゼル(左ハンドル欧州仕様のみ)
1.6L 直4 ターボ MultiJet 130PS (96kw)/320Nm
パワートレインはガソリンとディーゼルが設定されていますが、どちらもフィアット系モデルにも採用されるパワーユニットです。
ガソリンはデビュー当初設定されていたMultiAirユニットから、T-GDI(GSE)と呼ばれるフィアットの新世代ダウンサイジングターボユニット「FireFly」に準じたものにリプレイスされました。日本にも正規導入されている1.3L 直4仕様のほかにも、日本未導入ですが、欧州市場向けの500Xやティーポ・クロスにも搭載される1.0L 直3ユニットは低燃費と軽い吹け上がりが魅力です。
ディーゼルは左ハンドル市場向けのみに設定され、こちらもフィアット系の直4 1.6LのMultiJetユニットが組み合わされます。
今回のフェイスリフトでは全てのパワーユニットで最新の排気ガス規制であるEuro6d-Finalをパスしており、メーカーはオンロードでもオフロードでも優れた環境性能とパフォーマンスを両立しているとアピールしています。ほかにも1.3Lガソリンユニットに電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドのレネゲード4xeが別途設定されています。
駆動方式はFFにトランスミッションはガソリン1.0Lとディーゼルに6速MT、ガソリン1.3Lに2ペダルの6速DCTが設定されています。
走行性能とハンドリング
サスペンションは前後共にマクファーソンストラットを採用。兄弟車のフィアット 500Xと同じ構成ですが、オフロードの走りは長年ジープが培ってきたもの。FF仕様であってもアプローチアングルおよびデパーチャーアングルに余裕を持って設計されたことでオフロードの走破性を高めており、オフロード/オンロードでも頼もしい走りを提供します。
今回の改良では安全性もアップデート。車線逸脱警報システムやインテリジェント・スピード・アシストを全車に標準装備されました。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,236×1,805×1,702 mm
【ホイールベース】2,570mm 【トレッド】前/後:- / -mm
【車両重量 1,395kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒ターボ DOHC16V フロント横置き 気筒休止機構付
【総排気量】1,332cc 【直径×内径】 -×-mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】150ps(110kw)/5500rpm 【最大トルク】270Nm/1850rpm
【燃料容量】48L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】6DCT
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)マクファーソンストラット
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)235/45R19
●パフォーマンス
【最高速度】196km/h 【0-100km/h加速】9.4秒
【燃費】約16.3km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2021モデル:€32,050
歴史とトリビア
ジープ レネゲード関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- 2008年のモーターショーでコンセプトモデルを発表
- フィアットと初となる共同開発モデル
- プラットフォームはフィアットのSUV、500Xと共有
- イタリアやアメリカだけでなく、ブラジル、中国と三大陸で生産される初のグローバルモデル
- オフロード・アワードのサブコンパクトSUV部門を2016年から2020年まで5年連続受賞
ライバル
コンパクトSUVは欧州でも人気のジャンルのひとつ。兄弟車のフィアット 500Xのほかにも多くのライバルが存在します。国産メーカーであっても日本に導入されない日産ジュークなど魅力的なモデルもあり、熾烈な戦いになりそうです。
- 日産 ジューク
- フィアット 500X
- フォード プーマ
- フォルクスワーゲン T-CROSS
- セアト アローナ
- プジョー 2008
- シトロエン C3エアクロス
- マツダ CX-3
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
日本にも正規導入されて高い支持を得ているレネゲードですが、現時点ではスポーティな装いのS仕様や低燃費ユニットのMT仕様が日本に導入された実績はありません。S仕様に準じたスポーティさをアピールする仕様は、限定車などで今後入ってくる可能性も考えられますが、現時点では正式な導入予定のアナウンスもなく、MT仕様は兄弟車の500Xにも導入されていないのに加え、現時点でジープの他のモデルにもMT仕様のラインナップはないため、こちらは今後も導入される可能性は残念ながら低そうです。そのためこれらの仕様をいち早く確実に手に入れるなら並行輸入が確実な方法です。
レネゲードのグレード構成は以下の通りです。左ハンドル欧州仕様、右ハンドル英国仕様それぞれが設定されています。
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)
- LONGITUDE
16インチダークグレー/シルバーアルミホイール、ParkSenseパーキング・アシスト(リアパーキングセンサー)、マニュアルエアコン、U-Connect SmartTouch(5インチタッチスクリーン)などが装備 - LIMITED
(LONGITUDEに対して)17インチシルバーアルミホイール、ParkSenseパーキング・アシスト(フロント/リアパーキングセンサー)、前方衝突警報システム、U-Connect SmartTouch(7インチタッチスクリーン)などが装備 - 80TH ANNIVERSARY
(LIMITEDに対して)18インチグラナイト・クリスタル・アクセントアルミホイール、LEDヘッドランプ/フォグランプ/テールランプ/ナンバープレートイルミネーション、U-Connect SmartTouch(8.4インチタッチスクリーン)、80周年記念エンブレムと専用インテリアデザインなどが装備 - S
(LIMITEDに対して)19インチ グラナイト・クリスタル・アルミホイール、LEDヘッドランプ/フォグランプ/テールランプ/ナンバープレートイルミネーション、ウィザード・ブラック・トリム(インテリア)、U-Connect SmartTouch(8.4インチタッチスクリーン)
などが装備
グレード構成(右ハンドル英国仕様)
- LONGITUDE
17インチアルミホイール、デュアルゾーンエアコン、前方衝突警報システム、U-Connect SmartTouch(8.4インチタッチスクリーン)などが装備 - NIGHT EAGLE
(LONGITUDEに対して)18インチブラックラインデザインアルミホイール、グロスブラック エクステリア/インテリア、プライバシーガラスなどが装備 - LIMITED
(NIGHT EAGLEに対して)18インチアルミホイール、フロントパーキングセンサー、フルレザーインテリアなどが装備 - 80TH ANNIVERSARY
(NIGHT EAGLEに対して)18インチアルミホイール、フロントパーキングセンサー、フルレザーインテリア、80周年記念エンブレムなどが装備
日本にも一部の仕様が正規導入されているレネゲードですが、そのなかでもおすすめしたいのは2つの仕様。まずは左ハンドル欧州仕様のSに1.3Lガソリン+DCTの組み合わせ。基本的にアウトドアイメージで展開しているレネゲードに対して、専用のインテリアや日本では設定されていない19インチアルミホイールなどをグラナイト・ブラックで統一したS仕様は、また違った都会的なクールさを持ち合わせています。
もうひとつは右ハンドル英国仕様のLONGITUDEに1.0ガソリン+6MTの組み合わせ。これは日本では選択できない低燃費でコンパクトな1.0Lユニットにマニュアルミッションを組み合わせた、ドライビングを積極的に楽しみ、機械との対話を大切にするオーナーに向けたチョイスです。
最もコンパクトでラテンのエッセンスが入ったベビージープ。日本で乗るのにジャストなこの一台をこだわりの仕様で選んでみませんか?
- ジープ レネゲード S 1.3 T-GDI L4 6DCT(左ハンドル欧州仕様)
- ジープ レネゲード LONGITUDE 1.0 GSE T3 Manual(右ハンドル英国仕様)
おすすめした2つの仕様以外にも、80周年記念車や左右ハンドル、各仕様も並行輸入可能ですのでお気軽にお問合せください。
(£1=150円/€1=130円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€32,050)\5,683,000
(現地値引き交渉前価格:£23,405)\4,987,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。