日欧問わず人気のジャンルであるSUVは、各社が多くのモデルを市場にリリースしていますが、フォルクスワーゲン(VW)グループのなかでもスペイン発のスポーティなブランドとして展開している「セアト」も例外ではありません。
今回はそのなかでもセアトが最初にSUV市場にリリースしたほか、クプラブランドが独立した際にはスターティングモデルのベースにも選ばれたアテカ(SEAT Ateca)を解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
セアト アテカとは
アテカはセアトのCセグメント級のボディサイズをもつSUVです。ボディサイズは全長:4,381mm×全幅:1,841mm×全高1,615 mm(ミラー部分を含まず)と、国産車ではマツダ CX-30やホンダ ヴェゼルに近いサイズです。
現在販売されているモデルは初代モデルにあたり、セアト初のSUVとして2016年にデビューしました。これはデビューに先立ちコンセプトモデルとして公開した「IBXコンセプト(2011年)」や「20V20(2015年)」の市販化と言われており、現在のSUVラインナップでは3列7シーターのタラッコとコンパクトなアローナの間を埋める役割を担っています。
「アテカ」のネーミングはタラッコやアローナと同様にスペインの地名を由来にしており、セアトがスペインの自動車メーカーであることを強く感じさせます。プラットフォームはVWのモジュラープラットフォームである「MQB-A1」を採用し、プラットフォームを共有する車種にはVW T-ROCやシュコダ カロックなどがあります。
2020年には現在販売されているモデルにフェイスリフトが行われ、エクステリア/インテリアやインフォテイメントシステムなどがアップデートされています。メーカーはアテカを「”ダイナミックな乗り味””軽快な足回り””正確なハンドリング”を与えた一台である」とコメントしています。市場ではデビュー直後から好調なセールスを記録し、フェイスリフト前までの時点で30万台以上の販売実績を記録しています。
日本市場には現時点でセアトブランドが展開されていないため、アテカが正規導入された実績はありません
セアト アテカ 紹介動画(約40秒)
ココがスゴイ!セアト アテカ
セアト アテカを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- クプラ仕様のベースにもなった素性のよさ
- 内外装をはじめフェイスリフトでアップデート
- 最新のインフォテイメントシステムを採用
- 一部仕様にはAWDの4driveが設定
- スポーティな装いのFR仕様の設定
スタイリングとインテリア
- SUVとしての力強さと都会的なシャープさをもつエクステリア
- 新意匠のフロント/リアバンパーなどを採用
- 各所のパーツの仕上がりにより質感が向上したインテリア
- 仕様に合わせたシート形状および表皮の設定
エクステリアで目を引くのは、流れるようなラインと力強いラインが融合したデザインではないでしょうか。SUVとしての力強さと、都会的なシャープさやスポーティさを併せ持ちセアトのブランドイメージをうまく体現したアテカの大きな美点と言えるでしょう。フェイスリフトではこの美点を継承し、三角形をベースにした形で囲んだ印象的なデイタイムランニングライトを組み込んだフルLEDヘッドライトやLEDリアランプを採用したほか、フロントグリルやフロント/リアバンパーは新たにデザインされました。これにより全長が従来モデルと比べて18mm延長されましたが全高および全幅には変更ありません。加えてこのタイミングで車名ロゴのエンブレムも「ATECA」から最新のレオンなどと同様に流れるような書体の「Ateca」に変更されています。
独立ブランド化されたクプラとは別にセアトには各モデルに設定されるスポーティ仕様の「FR(FormulaRacing)」がありますが、アテカにも設定されています。フォグランプやモールディング、ドアミラー部分やエクゾースト回りなど専用パーツが与えられており、オーナーのスポーツマインドを刺激する仕様です。
インテリアもエクステリアと同様にフェイスリフトでアップデートされました。エアベント、ギアレバー、インフォテイメントシステム周囲などをマットな仕上げにすることで質感が向上したほか、マルチカラーのアンビエントライティングを採用し室内の雰囲気をオーナーの好みに合わせて演出できます。
シートは掛け心地のよいコンフォートシートが設定されており、さらにFR仕様には専用形状のスポーツシートが設定されます。シート地もファブリックをはじめ、マイクロスエード、ステッチ入りレザーなどが仕様に合わせて組み合わされます。
インフォテイメントシステムは最新のFullLinkを採用。最大9.2インチのタッチスクリーンが組み合わされ、AppleCarPlay(一部仕様はワイヤレス対応)/AndroidAutoでの連携が選択できるほか、スマートフォン充電も可能なUSB Type-Cポートや一部仕様にはワイヤレス充電も選択可能です。デジタルメーターについても高解像度の大画面10.25インチのものが仕様によって設定されます。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ガソリンとディーゼルの設定です。
- ガソリン
1.0L 直3ターボ TSI 110PS(81kw)/200Nm
1.5L 直4ターボ TSI 150PS(110kw)/250Nm - ディーゼル
2.0L 直4ターボ TDI 115PS(85kw)/300Nm(右ハンドル英国仕様のみ)
2.0L 直4ターボ TDI 150PS(110kw)/340Nm(DSG仕様は360Nm)
ガソリンユニットは、1.0Lの直3ターボ/1.5Lの直4ターボの2種類のTSIが設定されます。1.0LはVWグループの多くの車種に設定されるユニットでミラーサイクル燃焼プロセスと可変ジオメトリターボチャージャーを採用することで、小排気量でも十分な出力と高効率を実現しています。1.5Lはライトサイジングのコンセプトを適用するほか、アクティブシリンダーテクノロジー(ACT)を搭載しており、低負荷時は2気筒分を休止することで燃料消費を抑えます。燃費性能は1.5L(DSG仕様)の欧州複合で15.6km/Lです。ディーゼルは2.0L直4ターボのTDIで115PSと150PSの2種類のチューニングがありますが、115PSは右ハンドル英国仕様にのみ設定されています。
駆動方式はFFを基本に右ハンドル英国仕様のディーゼル150PS仕様にAWDの4Driveが設定されています。トランスミッションは6速MTを中心に、ガソリン1.5Lとディーゼルの150PS仕様に2ペダルの7速DSGが設定されています。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:マクファーソンストラット、リア:トーションビームを採用しており兄弟車と同じ構成です。AWD仕様の4DriveはVWの4Motionに相当するシステムで天候や路面状況に問わず安定した走りと悪路での高い走破性を提供します。このほか一部の仕様には路面状況によりドライバーが任意でプロファイルを選択できるSEATドライブプロファイルが設定されるなどスポーティなブランドイメージに沿った走りを提供します。
安全機能については予測適応型クルーズコントロールのほか、側方/出口サポートおよび衝突被害軽減ブレーキが連携し乗員を保護します。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,381×1,841×1,615 mm(ミラー部分を含まず)
【ホイールベース】2,638mm 【トレッド】前/後:1,576 / 1,541mm
【車両重量】1,418 kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒ターボ DOHC16V フロント横置き
【総排気量】1,498cc 【直径×内径】 74.5×85.9mm 【圧縮比】10.5:1
【最高出力】150ps(110kw)/5,000-6,000rpm 【最大トルク】250Nm/1,500-4,000rpm
【燃料容量】-L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】7DSG
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)トーションビーム
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)-
●パフォーマンス
【最高速度】202km/h 【0-100km/h加速】9.0秒
【燃費】約15.6km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2023モデル:€34,390
歴史とトリビア
セアト アテカ関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- コンセプトカーのIBXコンセプトおよびSEAT20V20の市販化
- セアト初のSUVモデル
- プラットフォームを共有する兄弟車にはVW T-ROCなどがある
- クプラブランド独立後初のモデルはアテカのクプラ仕様
- フェイスリフトまでに30万台以上の販売実績
ライバル
アテカが属するCセグメント級のボディサイズをもつSUVは、欧州メーカー以外に国産メーカーも多くのモデルをリリースする人気のジャンルです。そのなかでプラットフォームを共有する兄弟車以外のライバルとして、ルノー アルカナやアルファロメオ トナーレなどスポーティなイメージがあるモデルを挙げます。
- フォルクスワーゲン T-ROC
- シュコダ カロック
- ルノー アルカナ
- フォード クーガ
- アルファロメオ トナーレ
- オペル/ヴォクスホール グランドランド
- 日産 キャッシュカイ
- マツダ CX-30
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
セアト初のSUVとなったアテカですが、セアトブランドが現状日本で展開されていないため、正規導入される可能性は残念ながら低いと予想されます。そのため、確実に手に入れるなら並行輸入がおすすめです。アテカのグレード構成は以下の通りです。現在左ハンドル欧州仕様および右ハンドル英国仕様共に設定されています。
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)
- Reference
16インチアルミホイール、フルLEDヘッドライト、LEDリアライト、レザーマルチファンクションステアリングホイール、マニュアルエアコン、8インチフルデジタルメーター、マルチファンクションディスプレイ、4スピーカー、フロントUSB Type-Cポート×2、ヒルスタートアシスト、電子制御式ディファレンシャルロック(XDS)などが装備 - Style
(Referenceに対して)17インチアルミホイール、電動格納ヒーテッドドアミラー、助手席高さ調整機能付きシート、オートエアコン、8スピーカー、クルーズコントロール、リアパーキングエイド、後席USB Type-C充電ポート×2などが装備 - Xperience
(Styleに対して)18インチPerformanceIアルミホイール、シルバールーフレール、クロームトリム、ダークティンテッドリアウィンドウ、アンビエントライティング、リアビューカメラ、キーレスロック&スタートシステム、SEATドライブプロファイルなどが装備 - FR
(Styleに対して)18インチPerformanceIIIアルミホイール、ブラックルーフレール、テールゲートのFRレタリング、ダークティンテッドリアウィンドウ、スポーツペダル、アンビエントライティング、リアビューカメラ、キーレスロック&スタートシステム、SEATドライブプロファイルなどが装備
グレード構成(右ハンドル英国仕様)
- SE
17インチアルミホイール、ブラックルーフレール、8.25インチタッチスクリーン+ワイヤレスFullLink、スマートフォンワイヤレス充電、8インチデジタルコックピット、キーレスエントリー、クルーズコントロール、パークアシストなどが装備 - SE Technorogy
(SEに対して)18インチアルミホイール、クロームルーフレール、クロームウィンドウトリム、9.2インチタッチスクリーンなどが装備 - Xperience
(SE Technorogyに対して)18インチブリリアントシルバーアルミホイール、ダークリアウインドウ、マルチカラーアンビエントライティング&LEDイルミネーション、コンビニエンスパック(オートライトやオートワイパーなど)、SEATドライブプロファイル、リアビューカメラなどが装備 - Xprience Lux
(Xperienceに対して)19インチアルミホイール、10インチデジタルコックピット、ヒーテッド機能付きレザーシート、電動テールゲート、トップビューカメラなどが装備 - FR
(SE Technorogyに対して)18インチブリリアントシルバーアルミホイール、リアスポイラー、ツインエクゾーストパイプ、ブラックダイナミカフロントコンフォートシート、マルチカラーアンビエントライティング&LEDイルミネーション、SEATドライブプロファイルなどが装備 - FR Sport
(FRに対して)19インチアルミホイール、ヒーテッド機能付き電動レザーシート、10インチデジタルコックピットなどが装備 - FR BlackEdition
(FR Sportに対して)19インチブラックアルミホイール、ブラックスタイリングルーフレール/ウィンドウトリム、電動テールゲート、BeatsAudioプレミアムサウンドシステム、リアビューカメラなどが装備
アテカのオススメは、左ハンドル欧州仕様のStyleにガソリン1.5L TSIと7速DSGの組み合わせです。これは装備が充実した左ハンドル欧州仕様のStyleグレードに、燃費性能もよい1.5L TSIとオートマチック限定免許のユーザーでも運転可能なDSGは、アテカの魅力を多くの方に味わって頂けるチョイスです。ブランドと同様、スポーティさが魅力のひとつでもあるアテカですので、より積極的にドライビングを楽しまれたいユーザーなら同じ1.5L TSIでも6MTの組み合わせや、スポーツマインドを高めるFRグレードのチョイスもよいですし、SUVとしての走破性の高さを求められるなら右ハンドル英国仕様に設定される4Drive(AWD)仕様もよいでしょう。多くのライバルがあり、日本にも兄弟車となるVW T-ROCが上陸していますが、これらとはまたひと味違うスペイン発のラテン要素を含んだこのSUVを欧州現地からお取り寄せしてみませんか。
- セアト アテカ Style 1.5TSI 7DSG(左ハンドル欧州仕様)
- セアト アテカ SE Technorogy 1.5TSI 6MT(右ハンドル英国仕様)
- セアト アテカ FR 1.5TSI 6MT(左ハンドル欧州仕様)
ほかにも右ハンドル英国仕様をはじめ、低燃費な1.0L TSIや上級仕様のXperienceグレード、右ハンドル英国仕様に設定されるAWDの4Drive仕様など各仕様を並行輸入可能です。そしてさらにハイパフォーマンスなアテカをお求めならスペイン発のハイパフォーマンスブランド「クプラ」が手掛ける激辛モデルの「クプラ アテカ」も並行輸入可能ですので、お気軽にお問合せください。
(€1=145/£1=175円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€34,390)\6,897,000
(現地値引き交渉前価格:£30,100)\7,340,000
(現地値引き交渉前価格:€34,890)\6,979,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。