日本を代表する自動車メーカーの「トヨタ」。トヨタを象徴する車種と言えば何を思い浮かべますか?日本独自の高級車感を守り続けるクラウン。それともヘビーデューティさと信頼感では世界一と呼ばれるハイラックス。どれも当てはまりそうですが、やはり「カローラ」ではないでしょうか?世界のスタンダードカーとも言えるカローラのなかでも、今回は日本未導入のトヨタ カローラ ツーリング スポーツ(TOYOTA Corolla Touring Sports)を解説。概要・スペック・価格・発売予定の派生車種、並行輸入で乗るための情報をご紹介します。
トヨタ カローラ ツーリング スポーツとは
冒頭の通り、「世界のスタンドカー」とも言えるトヨタ カローラ。初代モデルが1966年に発売されて以降、販路の拡大を続け、日本国内に留まらない世界中で愛されるグローバルカーに成長しました。現在販売されているカローラの欧州仕様は2018年にデビューしたE210型と呼ばれる12代目モデル。従来モデルはオーリスの名前で販売されていましたが、今回のモデルチェンジで欧州でも再びカローラの名前が復活しました。ボディタイプにはオーリスに引き続きハッチバックの「スポーツ」と、ワゴンの「ツーリング スポーツ」、そしてセダンの「サルーン(英国仕様)」の3種類が設定されています。
日本には2018年にオーリスの後継としてカローラスポーツが導入されていますが、現時点(2019年6月)ではセダンのアクシオ、ワゴンのフィールダー共にヴィッツのプラットフォームを使うことでダウンサイジングした日本独自の11代目モデルが販売されています。トヨタは2019年6月にセダンとワゴンのディザーサイトを公開しましたが、ここでは2019年秋に発売予定であることや、今回も日本仕様は欧州や北米版とは違いナローサイズのボディとなることが発表されています。
ココがスゴイ!カローラ ツーリング スポーツ
トヨタ カローラ ツーリング スポーツを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- カローラ スポーツに更なるユーティリティ性を追加
- フルCセグメントサイズの余裕
- 日本のカローラスポーツでは選べないハイパワーハイブリッド仕様も
- カローラで初めて「TNGA」を適用
- 2019年秋デビュー予定の新型ワゴンモデルとは別物
トヨタ カローラ ツーリング スポーツ/ツーリング CM動画(約45秒)
スタイリングとインテリア
- 丸みの中にもエッジを効かせた有機的なデザイン
- ハッチバックのスポーツよりも延長された2,700mmのホイールベース
- インフォテインメントシステムを中心とした高品位なインテリア
- 機能性が魅力のリアシート
カローラ ツーリング スポーツのエクステリアは、一見、日本でも販売されるカローラ スポーツと同じように見えますが、共通部分はフロントセクションからBピラーまでで、これ以降はリアドアも含めてツーリング スポーツ専用のものになっており、ホイールベースも延長されています。
デザインは従来のオーリスと比較してよりアグレッシブな雰囲気になっており、丸みを帯びた中にもエッジを効かせたラインが印象的の有機的なデザインです。ボディカラーは全8色。欧州仕様のスポーツに設定されるバイトーンカラーはツーリング スポーツには設定されていません。
インテリアは素材・質感が大幅に高められました。海外専門誌での評価も高く、強豪ひしめくCセグメントにあって間違いなくトップクラスとの声もでています。構成自体は大画面ディスプレイのインフォテインメントシステムを中心としたもので、インパネデザインは日本のカローラスポーツと基本大きな違いはありません。
シートはサイドサポートがしっかりとしたスポーティーなもので、トリムにはブラックファブリックにグレーのステッチと、パートレザーにレッドステッチのものが設定されています。
さらに注目なのはリアシートです。ホイールベースが伸ばされたことで後席足元の余裕が増したのは勿論のこと、その機能性がトピック。ワンタッチでフォールディング可能になっており、リアシートを畳むと段差の無いフルフラットの空間が出現します。これは大人でも大の字で横になれるほどのサイズです。
オーディオシステムにはオプションで高音質のJBL Premium Sound Systemも選択可能です。(£450)
搭載されるエンジンと燃費
搭載されるエンジンはガソリン1機種、ハイブリッド2機種。
- ガソリン
1.2L 直4ターボ VVT-i 8NR-FTS 116PS(85Kw) /185Nm 6MT - ハイブリッド
1.8L 直4ガソリンハイブリッド 2ZR-FXE 120PS(90kw)/142Nm CVT
2.0L 直4ガソリンハイブリッド M20A-FXS 180PS(132kw)/190Nm CVT
ガソリンエンジンは1.2Lのダウンサイジングターボ。8NR-FTSと呼ばれるこのユニットは日本のカローラスポーツにも搭載されています。ハイブリッドは1.8Lと2.0Lの2種類を設定。1.8Lは日本のカローラ スポーツ、CH-R、プリウスなどにも搭載されるお馴染みの2ZR-FXEと呼ばれるユニットですが、注目は2.0Lのハイブリッドです。
M20A-FXSと呼ばれるこのユニットは、トヨタのTNGAをパワーユニットに初めて取り入れた「Dynamic Forceエンジン」を組み合わせた最新のもので、日本ではカローラスポーツには設定されず、レクサス UXに搭載されています。燃費は実用に近い新欧州複合で21.4km/Lの低燃費。これは欧州で最近流行りの48Vマイルドハイブリッドではなく、ストロングハイブリッドならではの燃費性能です。
今回のモデルチェンジでは従来欧州市場向けにあったディーゼル仕様が無くなりました。最近欧州でもディーゼルに逆風が吹いていることや、ハイブリッド仕様がディーゼル並の燃料コストを実現できることからの選択とも言えます。実際トヨタは欧州市場のCMやウェブでハイブリッドを前面にアピールしています。
駆動方式はFFのみ。トランスミッションは、iMT(インテリジェントMT)と呼ばれるエンジン回転との同調制御を自動で行う6MTが1.2Lターボに、ハイブリッド仕様はCVTのみの設定です。
走行性能とハンドリング
足回りは新型カローラで注目すべきポイントの一つ。サスペンションはフロントにマクファーソンストラット、リアに新型マルチリンクの組み合わせで、フロントサスは新型ショックアブソーバーが採用されるとともに各部の構成要素が大幅に見直されました。新開発のリアマルチリンクサスとあわせてリニアな操舵感と高品位な乗り心地を実現しています。
これに加え、今回のモデルチェンジで新たにAVS(Adaptive Variable Suspension)※と呼ばれるシステムを新たに採用しました。これはドライブモードに合わせ4輪の減衰力を独立して統合制御するもので、フラットライドで快適な乗り心地と気持ちの良いハンドリングを実現します。
さらにツーリング スポーツはホイールベースが延長されていることも好作用し、より高速安定性が高く名前の通り「グランドツーリングが楽しめる」設定になっています。
※プレスリリースには明記されていますが、2019年6月時点ではカタログ等には情報がありません。
今後デビューする日本向けカローラのワゴンモデルがどのような足回りを採用するかは現時点ではまだ発表されていませんが、カローラ ツーリング スポーツに限らず、国産メーカーが販売する欧州仕様の多くは仕向地に合わせたセッティングがされているので、欧州車のようなテイストを好むオーナーに対して現地仕様の足回りは大きな魅力となるでしょう。
AUTOCAR誌の日本版で2.0L ハイブリッド Excelのレポートが公開されています。欧州の強豪勢に劣らぬ高い評価を得ています。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,650×1,790×1,435 mm
【ホイールベース】2,700mm 【トレッド】前/後:1,530 / 1,530mm
【車両重量】1,370kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒 DOHC16V VVT-i+電気モーター(MA20A-FXS) フロント横置 ハイブリッド
【総排気量】1,987cc 【直径×内径】80.5×97.62mm 【圧縮比】14.0:1
【最高出力】180ps(132kw)/-rpm 【最大トルク】190Nm/4400-5200rpm
【燃料容量】43L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】CVT
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)ダブルウィッシュボーン
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)-/-
●パフォーマンス
【最高速度】177km/h 【0-100km/h加速】8.1秒
【燃費】約21.4km/L(新欧州複合基準)【価格】英国仕様 2019モデル:£30,345
歴史とトリビア
カローラ ツーリング スポーツ関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- 12代目カローラは、カローラアクシオ/フィールダーではなくオーリスの後継
- 旧モデルはオーリスだけでなく、北米ではサイオンブランドでも販売
- 新型モデルの開発には延べ約40万時間/約80億円という巨大リソースを投入
- デザインはトヨタの欧州デザイン部門にて実施
ライバル
カローラが属する欧州Cセグメントは、不動のツートップと言われているフォルクスワーゲン ゴルフ/フォード フォーカスをはじめ各メーカーがしのぎを削るホットな市場です。日本では選択肢が減りつつあるワゴンモデルですが、欧州では多くのモデルがワゴンモデルを設定しているため、ライバルは数多く存在します。
- フォルクスワーゲン ゴルフ ワゴン
- フォード フォーカス エステート
- ルノー メガーヌ スポーツ ツアラー
- セアト レオンST
- スバル レヴォーグ
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
グレードはベーシックなIconから、装備を充実させたIconTech、17インチアルミなどスポーティな装いのDesign、BiLEDヘッドライトやレザーコンビスポーツシートなどを装備した上級グレードのExcelの4つが設定されています。オススメはExcelにハイパワーな新世代ハイブリッドユニットとなる2.0Lハイブリッドの組み合わせ。これは燃費もよくパワフルで、オーナーが快適にロングドライブを楽しめるグランドツアラーとしてのチョイスです。
- トヨタ カローラ ツーリング スポーツ 2.0 Hybrid Excel auto
- トヨタ カローラ ツーリング スポーツ 1.2 Turbo Design manual
ほかにもキビキビとしたドライビングを楽しみたいユーザー向けには鼻先の軽さがハンドリングに好作用する1.2Lダウンサイジングターボに6MTの組み合わせも魅力です。ワゴンモデルのツーリング スポーツ以外にもハッチバック スポーツのハイパワーハイブリッド仕様や、サルーンも並行輸入できますので、お気軽にお問い合わせください。
(£1=140円時・現地値引き交渉前価格)
(値引き交渉前現地価格:£30,345)¥5,828,000
(値引き交渉前現地価格:£24,650)\4,869,000
画像と動画
トヨタ カローラ ツーリング スポーツ/ツーリング アクセサリ紹介動画(約2分)
間もなくクロスオーバーの派生モデル「TREK」が追加予定(2019夏発売予定)
2019年のジュネーブモーターショーでカローラ ツーリング スポーツから派生したクロスオーバーモデル「カローラTREK」が発表されました。日本仕様のカローラフィールダーにもエクステリアにクロスオーバー要素を加味したクロスフィールダーがありますが、走行性能には手が入っていませんでした。一方、カローラTREKは地上最低高を20mm引き上げたり、車体下部にガードを備えることで悪路走破性を向上させています。ほかにも名前の由来にもなっているサイクルブランドの「TREK」が開発に協力した自転車対応のキャリアが装着されています。ツーリング スポーツ讓りのグランドツアラー性能とクロスオーバーの悪路走破性を備えたカローラTREKは2019年夏に欧州で発売予定です。こちらも並行輸入できますのでお気軽にお問い合わせください。
トヨタ カローラTREK/GRスポーツ紹介動画(約1分35秒)
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