日本にも導入が発表され、初回限定車が即完売となったシトロエン ベルランゴ/プジョー リフター。さらに今度はオペルが日本再上陸にあたり、コンボの導入も発表されたことで、気がつけば3兄弟が日本で揃うことになりました。とはいえ日本未導入仕様を求めるお客様も多く、並行輸入でも人気のベルランゴ兄弟ですが、あと一台、恐らく日本には導入されないと思われる最後の兄弟車をご存知ですか?それはトヨタ プロエースシティ(TOYOTA Proace City)。今回はプロエースシティのなかでも先行して発売となったバン仕様を中心に解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
トヨタ プロエースシティとは
トヨタ プロエースシティは全長5m以下の欧州の小型LCVです。全長5mクラスとなる中型LCVのプロエース(シトロエン ディスパッチの兄弟車)の弟分的なポジションになります。ボディサイズは全長:4,403(4,753)mm×全幅:1,848(1,820)mm×全高:1,796 mm(カッコ内はLong仕様)と国産車ではトヨタ タウンエースバンや日産 NV200バネットよりは大きく、トヨタ ハイエースや日産 NV350キャラバンより小さい中間的なサイズです。
現在販売されているモデルは初代モデルで2019年のバーミンガム商用車ショーで発表。このときパネルバンのプロエースシティと乗用モデルのプロエースシティ・ヴァーソがあることがアナウンスされましたが、現時点(2020年4月時点)ではパネルバン仕様と左ハンドル欧州仕様のプロエースシティ・ヴァーソから販売開始されています。
乗用モデルのプロエースシティヴァーソの発売に伴って記事を作成しました。(2020年5月)以下になります。
トヨタ プロエースシティ コンセプト動画(約1分10秒)
ココがスゴイ!トヨタ プロエースシティ
トヨタ プロエースシティを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- コンパクトなボディに1,000kgの最大積載量
- 低燃費でクリーンな新世代クリーンディーゼルユニットを採用
- ユーロパレットを2つ飲み込む室内空間の広さ
- 日本でも乗りやすいボディサイズ
- ベストLCVとして数々の賞を受賞
スタイリングとインテリア
- 2種類のホイールベースをラインアップ
- プロエースと共通性のあるデザイン
- 荷室を拡張し長尺物を積み込めるSmartCargo
- フロントシートは2人掛けと3人掛けが選択可能
ボディタイプは、ホイールベースに合わせて2種類が設定。SWBのShortとLWBのLongがあります。基本的なボディパネルは兄弟車と共有していますが、前後デザインなどを含めて兄貴分となるプロエースの雰囲気をうまく継承しており、最近のトヨタ車に共通するデザインテイストに仕上がっています。
リアドアはスライドドアで、パネルバンの場合はウィンドウのないスチールパネルのみの設定です。バックドアは60:40の非対称で分割される観音開きを採用。180度まできっちり開くこのドアは、狭い場所でも荷物の積み下ろしが可能です。
インテリアはパネルバン場合、英国仕様は1列目シートのみの設定。2列目以降の設定はありません。(仕向地によっては2列目シート設定グレードもあり)シートは2人掛け仕様と、3人掛けシートが選択可能です。乗員側と貨物側の間には強固なフルスチールのバルクヘッドを標準装備。乗員をしっかり守ります。そしてSmartCargo load-through装着車はバルクヘッドを貫通させて荷室容量の拡大が可能です。
インパネデザインは、ベルランゴとリフターで作り分けがされていますが、プロエースはベルランゴに近いものを採用。メーターパネル上部をはじめ、多くの収納スペースが用意されています。
インフォテインメントシステムは最新の大画面8インチパネルを採用。スマートフォンのミラーリングディスプレイ対応だけでなく、オプションでワイヤレスチャージャーも装備可能です。
搭載されるエンジンと燃費
搭載されるパワーユニットは、仕向地によってディーゼルとガソリンが設定。(※)は左ハンドル欧州仕様のみに設定
- ガソリン
1.2L 直3 ターボ 110PS(81kw)/205Nm(※)
- ディーゼル
1.5L 直4 ディーゼルターボ D4-D 75PS(55kw)/254Nm
1.5L 直4 ディーゼルターボ D4-D 100PS(73kw)/230Nm
1.5L 直4 ディーゼルターボ D4-D 130PS(95kw)/230Nm (※)
ガソリンの直3 1.2LはPSAのPureTechに準じたもの。日本にもPSAのモデルで導入されている、コンパクトさと低燃費を両立した定評のあるユニットです。ディーゼルは1.5Lでチューニングの違いの3種類が設定されています。このユニットは日本にもベルランゴにも設定されているPSAのBlueHDiユニットに準じたものです。Euro6.2をクリアした高い性能に欧州複合で23.8km/L(100PS仕様)の低燃費を両立された新世代のクリーンディーゼルユニットです。
駆動方式は全車FF。トランスミッションも全車5MTを中心に(英国仕様は5MTのみ)、ガソリンとディーゼルの130PS仕様に6MTが設定。2ペダルはディーゼルの130PS仕様に8速ATが設定されます。このトランスミッションはPSAのEAT8の準じたもの。日本のアイシン・エー・ダブリュー製の滑らかな変速が魅力です。
積載量と荷室空間
プロエースシティの最大積載量は1,000kg。これは兄貴分となるプロエースに迫るものです。ボディサイズの違いがありますが、小型バンのトヨタ タウンエースが750kg、日産NV200バネットが600kgであることを考慮するとプロエースシティの積載性の高さが実感できます。さらに1,500kgもの最大牽引能力を持ち合わせます。
荷室に関するスペックは以下の通りです。欧州で一般的なユーロパレットを2つ並べて積載可能だと言われています。下記表の(※)部分はSmartCargo装着車がバルクヘッドを貫通させた際のスペックです。これにより長尺物も積載も可能。同様に最大荷室容量も拡大されます。
ボディタイプ | Short | Long |
---|---|---|
最大荷室長(mm) | 1,817(※3,090) | 2,167(※3,440) |
最大荷室幅(mm) | 1,733 | ← |
ホイールアーチ間荷室幅(mm) | 1,229 | ← |
最大積載容量(立方メートル) | 3.3(※3.8) | 3.9(※4.3) |
最大積載量(kg) | 1,000 | ← |
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,403×1,848×1,796 mm
【ホイールベース】2,785mm 【トレッド】前/後:1,548-1,563 / 1,568-1577mm
【車両重量 -kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒ターボ DOHC16V フロント横置 気筒休止機構付
【総排気量】1,499cc 【直径×内径】-×-mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】100ps(73kw)/3,750rpm 【最大トルク】254Nm/1750rpm
【燃料容量】50L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】5MT
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)ウィッシュボーン
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)-
●パフォーマンス
【最高速度】-km/h 【0-100km/h加速】-秒
【燃費】約23.8km/L(新欧州複合基準)【価格】英国仕様 2019モデル:£22,000
歴史とトリビア
- トヨタが欧州市場で小型LCVをラインナップするのはワンボックス型のライトエース以来
- 2018年にトヨタはPSAと小型商用車開発の提携で合意
- 2019年のバーミンガムモーターショーでプロエースの弟分としてデビュー
- 商用バンのプロエースシティと、乗用版のプロエースシティ・ヴァーソがあることをアナウンス
- 2020年、プロエース・シティとプロエース・シティ ヴァーソの左ハンドル欧州仕様から発売開始
ライバル
欧州の小型LCVは各メーカーがラインナップする激戦区。プロエースが属するシトロエン ベルランゴの兄弟車以外では、このクラスでのベストセラーであり日本でも大人気のルノーカングーを挙げます。カングーも間もなく新型モデルが発表されると言われているのに加え、現行型と同じくメルセデス・ベンツ(シタン)や日産(NV250)などの兄弟車も設定されると言われています。
- ルノー・カングー(次期モデル)
- フォード トランジット コネクト
- フォルクスワーゲン キャディ
- シトロエン ベルランゴ
- プジョー パルトネール
- オペル コンボ
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
兄弟車のベルランゴ、リフターに加え、コンボまでオペル再上陸に合わせて導入されることになった日本市場ですが、プロエース同様、プロエースシティもトヨタの日本での商用バンラインナップとの競合を考慮すると、今後も導入される可能性は残念ながら低いと考えられます。そのため、確実に手に入れるなら並行輸入が確実な方法です。
英国仕様のグレード体系は以下の通りです。
- Active(Shortのみ)
15/16インチスチールホイール、エアコン、フルスチールバルクヘッド、ヒーター付きドアミラーなどが装備 - Icon(Short/long)
Activeに加えてスマートフォン接続対応インフォテインメントシステム、電気式パーキングブレーキ、クルーズコントロール、SmartCargoなどが装備
欧州左ハンドル仕様は、「Short」→「L1」、「Long」→「L2」と呼ばれます。
グレード構成は「Duty(L1のみ)」「Duty Comfort」「Comfort」「Doppelkabine(L2のみ)」の4種類が設定。「Duty Comfort」「Comfort」は英国仕様の「Active」「Icon」に近いもので、
ほか、英国仕様にない「Duty」はエアコンすら装備されないベーシック仕様、「Doppelkabine」(ダブルキャビン)は2列5人乗り仕様になります。
そのなかでもオススメは、ActiveのShort仕様に、100PS仕様のユニットの組み合わせです。ベーシックグレードでも必要十分な装備のActiveに、日本で乗るのにコンパクトで最大積載量も大きいShortボディとパワーのある100PSユニットのチョイス。余裕のある走りが楽しめます。たくさん積めてたくさん走れるプロエースシティ。国産車メーカーのトヨタでありつつも、走りや積載性、ドライバーの低疲労性能などは欧州基準。特に欧州LCVを導入したいけど、国産メーカーであることを求められるユーザーにはきっと大満足な仕事のパートナーになってくれることでしょう。
- トヨタ プロエースシティ Active Short 1.5L DIESEL 100HP Manual (右ハンドル英国仕様)
- トヨタ プロエースシティ Comfort L1 1.2L Turbo 110PS Manual (左ハンドル欧州仕様)
さらに大きい荷室容量を必要とされる方にはLong(H2)仕様をはじめ、2列5人乗り仕様も選べる左ハンドル欧州仕様も並行輸入できますので、お気軽にお問い合わせください。
(現地値引き交渉前・£1=135円/€1=120円 時)
- トヨタ プロエースシティ Active Short 1.5L DIESEL 100HP Manual (右ハンドル英国仕様)
(現地値引き交渉前価格:£22,750)\4,820,000
- トヨタ プロエースシティ Comfort L1 1.2L Turbo 110PS Manual (左ハンドル欧州仕様)
(現地値引き交渉前価格:€25,840)\4,596,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。