欧州仕込みの国産メーカーMPVとしてユーザーからの関心も高く、ウィズトレーディングでもお問い合わせや並行輸入実績の多い一台がトヨタ プロエースシティ・ヴァーソ(TOYOTA Proace City Verso)です。欧州では多くの支持を得ている一方、残念ながら日本では展開されておりませんが、現地ではフェイスリフトを行い装いも新たにさらなる進化を遂げました。
今回はトヨタのLCVベースMPV「プロエースシティ・ヴァーソ」のフェイスリフトされた新型モデルの内燃機関仕様を中心に解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
トヨタ 新型プロエースシティ・ヴァーソとは
プロエースシティ・ヴァーソは、トヨタの小型LCVをベースにしたMPVモデルです。ボディサイズは全長:4,403mm×全幅:1,848mm×全高:1,837mm(L1ボディ/ミラー部分を含まず)と、全長はトヨタ ノア/ヴォクシーなどのMクラスミニバンよりも短い一方、全幅は大きいサイズとなります。
初代モデルは2019年に同社のミドルサイズLCV「プロエース」の弟分となるモデルとしてデビューしました。プロエースと同様にグループPSA(現ステランティス)との共同開発モデルであり、兄弟車には日本にも導入されているシトロエン ベルランゴやプジョー リフターなどがあります。バン仕様はプロエースシティ、乗用仕様はプロエースシティ・ヴァーソとして欧州市場で展開され、グループPSAがもつ欧州小型LCV作りのノウハウとトヨタブランドの信頼性から、デビュー直後から現地で多くの支持を得ました。残念ながら日本には正規導入されませんでしたが、日本でも注目されるユーザーが多く、ウィズトレーディングでも並行輸入実績があるほか、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員でもあり自動車系ユーチューバーのウナ丼さんが紹介された動画がありますのでご参照ください。
2023年には欧州フルサイズLCVであるプロエースマックスが新たに追加され、プロエースファミリーが三兄弟になりました。同じタイミングで末っ子となるプロエースシティもフェイスリフトが行われ、新世代プロエースファミリーに共通したエクステリアにアップデートされたほか、インテリアやデジタル面も含めて広範囲に渡る改良となりました。メーカーは人気のプロエースシティを「現在および将来的なニーズに適応できるよう各所が再設計された」とコメントしています。このフェイスリフトされた新型モデルは2024年に販売開始されました。
欧州では好調な販売実績を上げているプロエースシティ・ヴァーソですが、デビューから現在販売されているフェイスリフト後のモデルまで日本に正規導入された実績はありません。
ココがスゴイ!トヨタ 新型プロエースシティ・ヴァーソ
トヨタ 新型プロエースシティ・ヴァーソを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 現在および将来的なニーズに適応できるよう各所を再設計
- 新世代プロエースファミリーに準じたエクステリアを採用
- 2つのボディと5人乗り/7人乗りを設定
- BEVに加え内燃機関仕様のラインナップ
- LCV譲りのタフさとユーティリティ性
スタイリングとインテリア
- 従来モデルと比べてシンプルですっきりとした造形のエクステリア
- 乗用仕様でも観音開きバックドアが選択可能
- 使い方に合わせてフレキシブルなシートを装備
- デジタル面も大きくアップデート
ボディタイプは従来モデル同様、標準ホイールベースとなる全長4,403mmのL1とロングホイールベースとなる全長4,753mmのL2の2種類がラインナップされています。
エクステリアは今回のフェイスリフトでフロントセクションが中心に変更されました。プロエースマックスや同じタイミングでフェイスリフトされた新型プロエースに準じた一見フロントグリルレスに見えるデザインと、新設計のBi-LEDヘッドライトを採用し、従来モデルと比べてシンプルですっきりとした造形になりました。兄弟車のシトロエン ベルランゴがフェイスリフトで力強い印象に変わったのと対照的なアプローチと言えるでしょう。
従来モデルと同様に、両側スライドドアと狭いところでも荷物が取り出せるガラスハッチを備えた跳ね上げ式バックドアが設定されるほか、今回のフェイスリフトでは新たに乗用仕様のプロエースシティ・ヴァーソでも、バン仕様のように片側スライドドアと観音開きバックドアが設定されたグレードが選択できるようになりました。ボディカラーも見直され、新型モデルでは新たに落ち着いたリベッチオ・ブルーや、アウトドアシーンでも映えるバックパッカー・カーキなどが設定されています。
インテリアはフェイスリフトで人間工学に基づいたものにアップデートされました。基本的には兄弟車のベルランゴに近いものになり、大型タッチスクリーンを見やすい位置に配置した新デザインのインストルメントパネルや、同じく新デザインのフラットボトムステアリングなどが新たに採用されました。LCV譲りのユーティリティ性の高さは継承し、大容量のラゲッジスペースのほか、オーバーヘッドのコンパーネント部分をはじめ、室内の各所に収納スペースが設けられています。
シート配列は2列5人乗り(L1/L2ボディ)と3列7人乗り(L2ボディ)が設定されています。助手席と2列目シートは全て独立して簡単に折り畳めるフレキシブルさを備えており、シートアレンジにより最大4mもの長尺物を積み込むことが可能です。
デジタル面では、新設計のデジタルコンビネーションメーターが採用されたほか、インフォテインメントシステムに組み合わされるタッチスクリーンは10インチに拡大されました。スマートフォン接続(AppleCarPlay/AndroidAuto)もワイヤレス接続対応になり、2つのUSB Type-Cポートも装備されるなど各所がアップデートされてます。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ガソリン、ディーゼルそれぞれが設定。
- ガソリン
1.2L 直3ターボ 110PS(81kw)/205Nm - ディーゼル
1.5L 直4ターボ D4-D 102PS(75kw)/250Nm
1.5L 直4ターボ D4-D 130PS(96kw)/300Nm
兄弟車のなかには乗用仕様はBEVのみにするモデルがある一方、プロエースシティ・ヴァーソには内燃機関仕様も用意されています。ガソリンは1.2L 直3ターボ 110PS仕様が設定され、これはステランティスのPureTechに準じたものになります。日本にもシトロエンなどで導入されているコンパクトさと低燃費を両立した定評のあるユニットで、燃費性能は新欧州複合で15.6km/Lです。ディーゼルは1.5L 直4ターボのD4-Dに102PSと130PSの2種類のチューニングが設定されています。こちらもステランティスのBlueHDiに準じたものになります。
駆動方式はFFで、トランスミッションは6MTを中心にディーゼルの130PS仕様に滑らかな変速に定評がある8速ATが設定されています。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:マクファーソンストラット、リア:ウィッシュボーンが採用されています。基本的な構成は従来モデルから継承しますが、欧州LCVをベースとしているため、フル乗車でレジャーアイテムを満載するようなシチュエーションでも安定した走りができる堅牢さは魅力のひとつです。これは同じトヨタでも日本で展開されるミニバンモデルと比べてひとつの優位点と言えるでしょう。
運転支援機能についてはアクティブ・エマージェンシー・ブレーキ・アシスト(衝突被害軽減ブレーキ)や180度バックカメラなどが仕様により設定されます。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,403×1,848×1,837 mm(ミラー部分を含まず)
【ホイールベース】2,785mm 【トレッド】前/後:1,548 / 1,568mm
【車両重量】 -kg
●エンジン
【構成】水冷直列3気筒ターボ DOHC12V フロント横置き
【総排気量】1,199cc 【直径×内径】 75.0×-90.5mm 【圧縮比】10.5:1
【最高出力】110ps(81kw)/5,500rpm 【最大トルク】205Nm/1,750rpm
【燃料容量】61L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】6MT
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)ウィッシュボーン
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)205/60R16
●パフォーマンス
【最高速度】174km/h 【0-100km/h加速】11.5秒
【燃費】約15.6km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2024モデル:€32,480
歴史とトリビア
トヨタ 新型プロエースシティ・ヴァーソ関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- 欧州ではライトエース以来のMクラスミニバン
- プロエースファミリーでは末っ子的な存在
- シトロエン ベルランゴをはじめ多くの兄弟車があり
- 兄弟車と同じくスペインにあるステランティスの工場で生産
- BEV仕様のプロエースシティ・ヴァーソ エレクトリックをラインナップ
ライバル
欧州小型LCVをベースにしたMPVはシトロエン ベルランゴをはじめとする兄弟車以外にも、各社がラインナップするライバルが多い市場です。そのなかでも日産 タウンスターを挙げます。日本でも人気のルノー カングーをベースにした国産メーカーのMPVとして最も近しいライバルと言えるでしょう。
- 日産 タウンスター
- ルノー カングー
- シトロエン ベルランゴ
- プジョー リフター
- フォルクスワーゲン キャディ
- オペル コンボ・ライフ
- フォード トルネオ・コネクト
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
日本未導入ながらユーザーからの関心が高いプロエースシティ・ヴァーソですが、従来モデルのデビュー以降、現在販売されているフェイスリフト後のモデルまで日本に正規導入された実績はありません。日本では多くのミニバンが既にラインナップされていることから、今後もプロエースシティ・ヴァーソが日本に正規導入される可能性は残念ながら低いと予想されます。そのため、確実に手に入れるなら引き続き並行輸入がおすすめです。新型プロエースシティ・ヴァーソのグレード構成は以下の通りです。現在左ハンドル欧州仕様のみが設定されており、右ハンドル英国仕様は設定されていません。(英国仕様はバン仕様のみ)
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)
- FLOW
16インチスチールホイール+フルホイールキャップ、無塗装フロント/リアバンパー、観音開きバックドア、助手席側スライドドア、リアプライバシーガラス、デイタイムランニングライト、マニュアルエアコン、モノクロマルチインフォメーションディスプレイ、フロント収納スペース、MP3再生対応ラジオ、4スピーカーなどが装備 - COMFORT
(FLOWに対して)跳ね上げ式バックドア、両側スライドドア、フロントフォグランプ、6スピーカー、10インチタッチスクリーン、スマートフォンワイヤレス接続、USB-TypeCポート、レインセンサーなどが装備 - CLUB
(COMFORTに対して)16インチアルミホイール、BiーLEDヘッドライト、LEDデイタイムランニングライト、シルバーの装飾が入るボディ同色カラードバンパー、電動格納ドアミラー、ボディ同色ドアハンドル、テールゲートのガラスハッチ、2列目パワーウインドウ、折りたたみ可能な助手席、ヒーター付き4スポークレザーステアリングホイール、2ゾーンオートエアコン、デジタルコンビネーションメーター、電動リアチャイルドロック、リアカメラなどが装備 - Team-Deutschland
(CLUBに対して)コンフォートパッケージ、フロントシートヒーター、ToyotaProTouch&Go、スマートキーシステムなどが装備 - Lounge
(Team-Deutschlandに対して)17インチアルミホイール、パノラマガラスルーフ、ヒーター付きフロントガラス、自動防眩インナーミラー、フロントパーキングセンサーなどが装備
新型プロエースシティ・ヴァーソのオススメは、左ハンドル欧州仕様のL1ボディ、Team-Deutschlandグレードに1.2Lガソリンと6MTの組み合わせです。Team-Deutschlandは装備が充実しており欧州現地でも人気のグレードです。これに軽やかで素直な回転感覚のガソリン1.2Lと6MTは運転を積極的に楽しむユーザーに向けたチョイスです。一方、日本のミニバンに近い7人乗り2ペダル仕様をご希望ならL2ボディのD4-Dディーゼル130PSの8AT仕様や、よりシンプルにカングーのようなバックドアをご希望ならFLOWグレードの選択もよいでしょう。
残念ながら日本には導入されておりませんが、欧州では人気のプロエースシティ・ヴァーソはフェイスリフトでさらに完成度が高まりました。より魅力的になったこの一台を欧州現地からお取り寄せして手に入れてみませんか。
- トヨタ 新型プロエースシティ・ヴァーソ Team Deutschland L1 5ドア5人乗り 1.2 Turbo 110PS 6MT(左ハンドル欧州仕様)
- トヨタ 新型プロエースシティ・ヴァーソ Team Deutschland L2 5ドア7人乗り 1.5 D4-D 130PS 8AT(左ハンドル欧州仕様)
- トヨタ 新型プロエースシティ・ヴァーソ FLOW L1 4ドア5人乗り 1.2 Turbo 6MT(左ハンドル欧州仕様)
ほかにも上級グレードのLoungeや、より多くのレジャーアイテムを積み込みたいユーザーにはL2ボディの5人乗りなども並行輸入できますのでお気軽にお問い合わせください。
合わせて従来モデルのデザインがお好みの方には、ウィズトレーディングでは従来モデルの並行輸入実績もあり、欧州新古車/中古車物件なども並行輸入可能ですのでお気軽にお問合せください。
(€1=155円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€32,480)\6,917,600
(現地値引き交渉前価格:€40,990)\8,674,050
(現地値引き交渉前価格:€24,835)\5,574,825
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。