「”Good News!” 新しいダチア サンデロが英国でリリースされました」このフレーズでピンと来る方は英国の自動車番組TopGearのファンではないでしょうか?かつての司会者の一人、ジェームス・メイ氏が放つ有名フレーズのひとつですが、氏だけではく欧州コンパクトカーに興味がある方にも新しいサンデロは”Good News”になるかも知れません。
今回はダチアのエントリーモデルとなるコンパクトカー ダチア サンデロ(DACIA Sandero)を解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
ダチア サンデロとは
ダチア サンデロはダチアのBセグメントクラスのハッチバックモデルです。サイズは全長:4,099mm×全幅:1,848mm×全高:1,535mm(サンデロ・ステップウェイ)と国産車では日産 ノートやマツダ 2に近いサイズです。
現在販売されているモデルは、2020年にフルモデルチェンジした3代目モデルです。従来モデル同様、ノーマル版のサンデロ(Sandero)と、クロスオーバー要素を盛り込んだサンデロ・ステップウェイ(Sandero Stepway)の二本立てで2021年に欧州で販売開始されました。プラットフォームにはルノー日産三菱アライアンスのCMFプラットフォームを採用。ルノー クリオなどでも採用されるモジュラープラットフォームをダチアでは初採用。軽量化と高剛性化を実現しています。
思い切ったロープライスで市場に衝撃を与えたロガンをさらに下回るロープライスでボトムレンジを担うモデルとして投入されたのが初代サンデロ。2代目以降はセダンのロガンに対するハッチバック版といった位置づけです。同クラス車種のと比べてリーズナブルな価格を武器に欧州でも大きく支持を得ており、冒頭の番組TopeGearでのやりとりは、身近で親しみがあるからこそではないでしょうか。実際にサンデロはダチアで最も販売台数の多いモデルになります。販売開始されたばかりの新型モデルですが、早速英国WHATCAR?カー・オブ・ザ・イヤー2021を受賞しました。
3代目モデルのポイントは高品質化。ルノーのエンジニアリングを低価格で提供することから「ジェネリック・ルノー」とも言われるダチアですが、母体のルノー自身がプレミアム化しつつあるため、ダチアもこれに合わせて少し上級にシフトしているようです。これはフォルクスワーゲンとシュコダの関係に似ており、新たにルノー日産三菱アライアンス入りしたロシアのラーダとのブランドの位置づけも関係しているのかも知れません。
欧州では支持を得ているサンデロですが、初代モデル以降正規で導入された実績はありません。
ダチア サンデロ・ステップウェイ コンセプト紹介動画(約30秒)
ココがスゴイ!ダチア サンデロ
ダチア サンデロを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- ルノーの高級化に合わせてダチアも上級シフト
- ローコストカーなだけから脱却
- 魅力的なプライスはしっかり継承
- 最新のモジュラープラットフォームにアップデート
- ダウンサイジングユニットに集約
スタイリングとインテリア
- よりシャープで流れるルーフが印象的なエクステリア
- STEPWAYには専用エクステリアパーツを装備
- 従来モデルよりも質感が向上
- インフォテイメントシステムとコネクテッド機能強化
サンデロのボディタイプは5ドアハッチバック一種類。デザインはシャープなボディに、流れるようなルーフラインが特徴的です。同グループ内のフレンチデザインを纏うクリオと比べて新型サンデロはVWポロのような質実剛健な印象です。そのなかでも目を引くのは、新採用のLEDヘッドランプ。Y字型で矢のようなラインが入れられたこの処理は、ハンマー型のラインを入れるボルボのように今後のダチアのアイコンにしようとしているのかも知れません。
ステップウェイは車高が上げられるほか、金属製スキッドプレートが取り付けられた専用フロント/リアバンパーや、マット仕上げの専用樹脂フェンダー、グリル下部のステップウェイロゴなど、コンパクトクロスオーバーとして専用装備が採用されています。
インテリアは今回のモデルチェンジで大きく進化した部分のひとつ。従来モデルは質感に対してローコストカーとしてある程度割り切りを感じるものでした。新型サンデロは依然として高級な素材などが使われる訳ではありませんが、インパネのデザインおよび樹脂パネルの質感が上がっています。シートはファブリックでステップウェイにはロゴが入った専用品が設定。オレンジ色の各部の差し色が新鮮です。
もうひとつの進化はインフォテイメントシステムとコネクテッド機能が大きくアップデート。オプションでは8インチのAppleCarPlay/AndroidAuto対応のタッチスクリーンが設定されるほか、Apple/Googleのアプリサイトで提供されるDacia Media Connectをスマートフォンにインストールすることで車両と接続可能です。スマートフォンにはホルダーが用意。インパネ上面にある蓋を開けるとそのままホールドできるアイデア設計です。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ガソリンおよびLPGとのバイフューエルが設定。
- ガソリン
1.0L 直3 自然吸気 SCe75 65PS (49kw)/95Nm
1.0L 直3 ターボ TCe90 90PS (67kw)/160Nm - ガソリン+LPG バイフューエル
1.0L 直3 ターボ TCe100 ECO-G 100PS (74kw)/170Nm
ガソリンユニットはどちらも1.0L直3に自然吸気のSCe75とターボのTCe90が設定。ダウンサイジング化された最新のルノーと共有するユニットで燃費性能は欧州複合で19.3km/L(TCe90)です。バイフューエルのECO-Gは、日本の一般ユーザー向けにはあまり馴染みがありませんが、ガソリンとLPGの両方が使えるもの。ガソリンやディーゼルと比べて排気ガスがクリーンで現地では燃料代が格安のため、エコロジーでエコノミーなユニットとしてダチアでは積極的に設定されています。
駆動方式はFF。トランスミッションはSCe75には5MT、TCe90と100には6MT、2ペダルはTCe90にCVTが設定されています。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:マクファーソンストラット、リア:コイルスプリングを採用。プラットフォームを共有するクリオに準じた構成です。組み合わせとしてはオーソドックスですが、ローコストカーでも乗り心地はしっかりとしており、グランドツーリングが得意なところはルノー譲りです。
今回のモデルチェンジでは衝突被害軽減ブレーキやブランドスポット警告をはじめ、最新の運転支援システムにアップデートされました。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,099×1,848×1,535 mm
【ホイールベース】2,604mm 【トレッド】前/後:1,519 / 1,508mm
【車両重量 1,122kg
●エンジン
【構成】水冷直列3気筒ターボ DOHC12V フロント横置き 気筒休止機構付
【総排気量】999cc 【直径×内径】 -×-mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】90ps(67kw)/4500rpm 【最大トルク】160Nm/1750rpm
【燃料容量】50L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】CVT
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)コイルスプリング
【ブレーキ】(前)ディスク / (後)ドラム
【タイヤ】(前後)
●パフォーマンス
【最高速度】161km/h 【0-100km/h加速】14.2秒
【燃費】約19.3km/L(新欧州複合基準)【価格】英国仕様 2021モデル:£15,095
歴史とトリビア
ダチア サンデロ関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- ダチアで最も安く最も販売台数が多いモデル
- 現在はセダンのロガンに対するハッチバック版という位置づけ
- 英国WHATCAR?カー・オブ・ザ・イヤー2021を受賞
- 従来モデルは一部仕向地ではルノーブランドで販売
- 以前からローコスト燃料としてLPGとのバイフューエル仕様をラインナップ
- 2代目のラテンアメリカ仕様にはホットバージョンのサンデロRS2.0がラインナップ
ライバル
欧州Bセグメントにはフォード フィエスタなどをはじめ多くのモデルがありますが、低価格を武器にするサンデロのライバルには韓国や中国資本のメーカーのモデルもライバルとなります。
- フォード フィエスタ
- セアト イビザ
- シュコダ ファビア
- MG 3
- キア Rio
- ヒュンダイ i20
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
欧州では大きな支持を得ているサンデロですが、歴代モデルだけでなくダチア車自体が日本に正規で導入された実績はありません。これはルノーのラインナップとの競合や、欧州ではローコストモデルであっても日本へ輸入するとなると、日本のベーシックカーや軽自動車との競合から価格的優位性を打ち出すのが難いからとも考えれます。そのためサンデロを含むダチア車が日本に正規導入される可能性は残念ながら低いと言えるでしょう。そのため確実に手に入れるなら並行輸入が確実な方法です。
サンデロは右ハンドル英国仕様/左ハンドル欧州仕様ともに設定されており、グレード構成は以下の通りです。
■グレード構成 右ハンドル英国仕様)
グレード構成 サンデロ
- ACCESS
(エアコンなし)スチールホイール+センターキャップ、アドバンスド・エマージェンシー・ブレーキングシステム、LEDヘッドランプ、フロントパワーウィンドウなどが装備 - ESSENTIAL
(ACCESSに加えて)スチールホイール+ホイールキャップ、Bluetooth対応スマートフォン接続機能、マニュアルエアコン、クルーズコントロール、ボディ同色バンパー、分割可倒リアシートなどが装備 - COMFORT
(ESSENTIALに加えて)8インチタッチスクリーン、ステアリングコントローラー、リアパーキングセンサー、キーレスエントリー、オートライト&ワイパー、フロントフォグランプなどが装備
グレード構成 サンデロ・ステップウェイ
- ESSENTIAL
Bluetooth対応スマートフォン接続機能、クルーズコントロール、マニュアルエアコン、カラードバンパー、ルーフレールなどが装備 - COMFORT
(ESSENTIALに加えて)8インチタッチスクリーン、ステアリングコントローラー、リアパーキングセンサー、キーレスエントリー、オートライト/ワイパーなどが装備 - PRESTIGE
(COMFORTに加えて)オートエアコン、16インチアルミホイール、電気式パーキングブレーキなどが装備
■グレード構成 左ハンドル欧州仕様)
グレード構成 サンデロ
- ACCESS
スチールホイール+センターキャップ、アドバンスド・エマージェンシー・ブレーキングシステム、フロント/サイド/ウィンドゥエアバッグ、LEDヘッドランプなどが装備 - ESSENTIAL
(ACCESSに加えて)スチールホイール+ホイールキャップ、ステアリングコントローラー、Bluetooth対応スマートフォン接続機能、フロントフォグランプ、クルーズコントロール、ボディ同色バンパー、分割可倒リアシート、キーレスエントリーなどが装備 - COMFORT
(ESSENTIALに加えて)8インチタッチスクリーン、テレスコピックステアリング、マニュアルエアコン、オートワイパー、ヒーテッドドアミアラーなどが装備
グレード構成 サンデロ・ステップウェイ
- ESSENTIAL
16インチスチールホイール+フルホイールキャップ、ルーフレール、ステアリングコントローラー、クルーズコントロールなどが装備 - COMFORT
(ESSENTIALに加えて)8インチタッチスクリーン、モジュラールーフレール、リアパーキングセンサー、マニュアルエアコン、テレスコピックステアリングなどが装備
新型サンデロのなかでもおすすめは、サンデロ STEPWAYの右ハンドル英国仕様のPrestigeグレードにTCe90と2ペダルCVTの組み合わせです。従来モデルより質感の上がった新型サンデロのなかでも英国仕様に設定される最上級のクロスオーバー仕様ににオートマ限定のユーザーでも楽しめるCVTのチョイスです。最上級グレードではありますが、同クラスの車種と比べて十分リーズナブルなプライスなのはサンデロの魅力です。各部の質感が向上し、ただ安いだけではない「ローコストカーからの脱却」に一歩踏み出した新型サンデロ。日本にも多くの車種が導入される欧州Bセグメントのなかでも一味違うモデルを求めるユーザーには、元TopGearのジェームス・メイでなくとも「Good News!」な一台となるかも知れません。
- ダチア サンデロ・ステップウェイ 1.0 Prestige TCe90 Auto(右ハンドル英国仕様)
- ダチア サンデロ 1.0 Comfort TCe90 Auto(右ハンドル英国仕様)
- ダチア サンデロ・ステップウェイ 1.0 Essential TCe90 Manual(左ハンドル欧州仕様)
- ダチア サンデロ 1.0 Essential TCe90 Manual(左ハンドル欧州仕様)
ほかにもノーマル仕様のサンデロや、MT仕様やベーシックグレード、左ハンドル欧州仕様も選択可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
(€1=128/£1=148円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:£15,095)\3,669,000
(現地値引き交渉前価格:£12,795)\3,377,000
(現地値引き交渉前価格:€11,690)\2,807,000
(現地値引き交渉前価格:€10,590)\2,647,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。