シンプルながらも使い勝手を考えて巧みに設計された一台として、デビューから40年以上を経た今なお多くのファンがいる初代フィアットパンダ。
この初代パンダのイメージを継承して再構築したとも言えるモデルに、コンベンショナルなガソリンエンジンおよびマニュアルトランスミッション(以下MT)を組み合わせたモデルが新たに追加されました。
今回はフィアットのコンパクトカー「グランデパンダ(FIAT GrandePanda)」を解説。複数のパワートレインがありますが、ガソリンエンジンにMTを組み合わせた仕様を中心に概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
フィアット グランデパンダとは
グランデパンダはフィアットのBセグメント級にあたるコンパクトカーとなります。ボディサイズは全長:3,999mm×全幅:1,763mm(ミラー部分を含まず)×全高:1,763mmと国産車ではトヨタ ヤリスやライズ、ホンダ フィットに近いサイズ感です。
- フィアット 初代パンダ
- 悪路走破性の高いパンダ4×4が途中で追加されました
初代モデルのデビューは1980年、フィアット 126などの実質的な後継モデルとしてデビューしました。ジウジアーロが出掛けた平面を巧みに組み合わせた直線的なデザインは、生産効率を考慮して低コストを実現しただけでなく、インテリアも質素ながら座り心地のよいシート、小物がそのまま放り込めるダッシュボードなど使い勝手も深く考えられており、シンプルでミニマルな美しさを感じるものでした。ネーミングの由来は、みんなに愛される一台となるように動物の「パンダ」から付けれたと言われています。メーカーの願い通り市場ではヒット作になったほか、24年に渡り販売されたロングセラーモデルとなりました。バリエーションには、シュタイア・プフ(現マグナ・シュタイヤー)が開発に携わった高い走破性をもつ4WDモデルの4×4をはじめ、バン仕様やセアト版など複数のバリエーションが存在します。
- 5ドアボディになった2代目パンダ
- 2代目ではクロスオーバー要素をより強めたパンダクロスが追加
2代目モデルは2004年、当初はクロスオーバー要素を盛り込んだ新モデル「Gingo(ジンゴ)」として発表されましたが、商標などの問題で結果的に2代目パンダとして展開されることになりました。ボディサイズが拡大されて5ドアとなり、初代モデル同様4×4仕様をはじめ、クロスオーバー要素をより強めたパンダクロス、スポーティな100HP、デザインコンシャスな家庭用品メーカーとコラボレーションしたアレッシィなどがありました。2011年にデビューした3代目は2代目のコンセプトに近く、プラットフォームはフィアット 500と共用となり、初代以来の2気筒エンジンとなるTwinAirユニット搭載が話題となりました。
- 2気筒TwinAirエンジンが搭載された3代目パンダ
- 3代目モデルはパンディーナとして現在も併売されています
歴代モデル全てがイタリア本国でベストセラーとなり、販売台数上位を長年キープしてきました。パンダは名実共にイタリアの国民車と言っても過言ではないでしょう。
2024年、フィアットは新たなコンパクトカーを発表しました。「グランデパンダ」と名付けられたこのモデルは、従来モデルより一回り大きく、名前の通りパンダよりも上級な役割を担うことになりました。メーカーとしては第4世代のパンダとして位置付けていますが、イタリアを中心に従来モデルのコンパクトさにも根強い需要があるため、3代目モデルも「パンディーナ(Pandina)」に名前を変えて併売されています(2026年5月現在)。
フィアットがステランティスの一員となったことにより、プラットフォームはシトロエン C3やプジョー 208などのBセグメントモデルと共有することになりました。これがワンランク車格が上がった要因のひとつです、メーカーはグランデパンダを「初代パンダの精神を受け継いだ一台である」とコメントしています。当初はBEVとマイルドHVの電動化モデルからのスタートでしたが、2025年には今回紹介するガソリンエンジンおよび6速MTを組み合わせた仕様が追加されました。
フィアット パンダの歴代モデルは日本でも正規導入されてきましたが、現時点でグランデパンダの正規導入について正式なコメントは発表されておりません。
フィアット グランデパンダコンセプト動画(約45秒)
ココがスゴイ!フィアット グランデパンダ
フィアット グランデパンダを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 初代パンダのテイストを盛り込んだレトロモダンなデザイン
- 歴代モデルよりもワンランク上に移行
- 待望のガソリン+6MT仕様が追加
- 欧州現地で戦略的な価格設定
- 5人乗りがより実用的に
スタイリングとインテリア
- ピクセル風ライトや立体的なPANDAロゴなどの遊び心もミックス
- 優れたデザインに映えるボディカラーが用意
- 従来モデルと比較して格段に広くなった室内空間
- シンプルで使いやすい直感的な操作系
エクステリアでまず目を引くのはデザインではないでしょうか。メーカーが「初代パンダの精神を受け継いだ明確なデザイン哲学」とコメントしたデザインは、3代目パンダが四角と丸を融合させたコンセプトであった一方、グランデパンダは直線を基調としたスクエアなものに原点回帰しました。大きくなったとはいえ全長4m以下のコンパクトなボディで、力強いプロポーションを実現したほか、印象的なピクセルスタイルのLEDヘッドライトやキューブ型のリアライト、ボディサイドやハッチゲートにエンボス加工されるロゴなど、「力強さと遊び心」「懐かしさと新しさ」、それぞれが絶妙な割合でミックスされたレトロモダンなものに仕上がっています。実際に市場での評価も高く、優れたデザインに贈られるレッドドットアワード2025を受賞しました。
ボディカラーも優れたデザインに対してしっかりと映える「ジェラート・ホワイト」や「パッショーネ・レッド」など多彩なものが用意されています。
- フィアット グランデパンダ(リア)
- ボディサイドにエンボス加工されるPANDAロゴ
- 印象的なピクセルスタイルのLEDヘッドライト
- シンプルさが魅力のPOPグレード
インテリアもエクステリア同様に、各所が初代モデルをモチーフにしつつも、しっかりと考えられて作られています。水平基調のインテリアのなかで目を引く、メーター回りやシフトを囲むスクワークル(角丸長方形)の意匠は、フィアットのリンゴット工場にある歴史遺産、屋上テストコースをモチーフにしています。インストルメントパネルには初代同様に物入れとなるスペースが用意されるほか、一部仕様にはBAMBOXと呼ばれる竹の筒のようなグローブボックスが備わります。これは見た目だけでなく実際に竹の繊維が用いられているのが特徴です。ほかにも内側ドアパネルなどに飲み物の紙パックをリサイクルした素材を自動車で初採用しました。内側に使われているアルミニウムなどを再利用することで光沢と印象的なブルーの色彩を実現するなど、イタリアンな個性とサステナビリティを両立させています。
室内空間はボディサイズが拡大されたことで、従来モデルよりも余裕が生まれました。かつては5人乗りはオプションで基本は4人乗りでしたが、5人乗りがより実用的になりました。
インフォテインメントシステムには10.25インチのタッチスクリーンが組み合わされ、10インチデジタルメーターが標準装備となりました。AppleCarPlay/AndroidAutoでのスマートフォン連携にも対応しており、USBソケットも用意されます。デジタル化は現代のモデルとして必須とも言えますが、シンプルなインタフェースやメーター表示、意図的に残された物理ボタンなど直感的な操作系を採用しているのは、パンダのポリシーのひとつも言えそうです。
- グランデパンダのインテリア
- 屋上テストコースをモチーフにしたスクワークルのメーター回り
- 竹の繊維を用いたグローブボックスのBAMBOX
- リアの空間も広くなり5人乗りがより実用的になりました
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットはガソリン、ハイブリッド、BEVの設定です。
- ガソリン
1.2L 直3 ターボ 100PS (74kw)/205Nm
ガソリンは100PSを出力する直3 1.2Lターボとなります。ステランティスのTurbo100に相当するユニットでシトロエンC3をはじめ、グループ内Bセグメントモデルの多くに搭載されています。燃費性能は欧州複合で17.5km/Lです。ほかにも直3 1.2Lガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせた48VマイルドハイブリッドやBEV仕様も設定されています。
駆動方式はFFで、ガソリン仕様は6速MTのみ、ハイブリッドやBEV仕様には2ペダルのみの設定となります。
走行性能とハンドリング
サスペンションは、フロント:マクファーソンストラット、リア:トーションビームとなります。コンベンショナルな組み合わせですが、乗り心地のよいセッティングがされていると現地では評されています。
安全装備も強化され、アクティブセーフティブレーキや、ドライバー注意力警告システムなどが全車標準装備されます。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】3,999×1,763(ドアミラー部分を含まず)×1,586 mm
【ホイールベース】2,540mm 【トレッド】前/後:1,565 / 1,570mm
【車両重量】 -kg
●エンジン
【構成】水冷直列3気筒ターボ DOHC12V フロント横置き
【総排気量】1,199cc 【直径×内径】 75.0×90.5mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】100ps(74kw)/5500rpm 【最大トルク】205Nm/1750rpm
【燃料容量】-L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】6MT
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)トーションビーム
【ブレーキ】(前)ディスク / (後)ドラム
【タイヤ】(前後)-/-R-
●パフォーマンス
【最高速度】160km/h 【0-100km/h加速】10.6秒
【燃費】約17.5km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2026モデル:€18,990
歴史とトリビア
フィアット グランデパンダ関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- ステランティスのBセグメント級プラットフォームを採用
- シトロエン C3/プジョー 208/オペル コルサ/ランチア イプシロンなど多くのモデルとプラットフォームを共有
- 発表当初は電動化モデルからスタート
- レッドドットアワード2025を受賞
- グランデパンダ4×4コンセプトモデルを公開
- プラットフォームを共有するランチア イプシロン
- 公開されたグランデパンダ4×4コンセプトモデル
ライバル
欧州Bセグメントクラスは、多くのメーカーがラインアップするライバルの多い市場です。プラットフォームを共有する兄弟車も多くありますが、そのなかでも最も近しいライバルとしてダチア サンデロ・ステップウェイを挙げます。ローコストブランドのダチアがコンパクトカーのサンデロをベースにクロスオーバー要素を盛り込んだこのモデルは、戦略的な価格を含めてグランデパンダの手強いライバルとなりそうです。
- ダチア サンデロ・ステップウェイ
- フォルクスワーゲン ポロ
- セアト イビザ
- ルノー クリオ
- シトロエン C3
- プジョー 208
- トヨタ ヤリス
- ダチア サンデロ・ステップウェイ
- セアト イビザ
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
従来モデルからワンランク上級移行したグランデパンダですが、現時点では日本市場への正規導入について正式なアナウンスはされておりません。歴代モデルが日本に正規導入されていることを考慮すると、グランデパンダも日本に導入される可能性は高いと予想されます。一方、3代目モデルではFFのMT仕様が限定で少数のみ(100台)の導入であったことや、現在フィアットが展開するラインナップを考慮すると、導入された場合も2ペダル仕様(BEVもしくはハイブリッド)のみの可能性が高そうです。そのため、いち早く確実に手に入れるなら並行輸入がおすすめです。グランデパンダのグレード構成は以下の通りです。グランデパンダのガソリン仕様は、現在左ハンドル欧州仕様に設定されておりますが、右ハンドル英国仕様には設定されておりません。
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)
- POP
16インチブラックスチールホイール+センターキャップ、ハロゲンヘッドライトおよびテールライト、ボディ同色ドアミラー、ブラックレイン調ドアハンドル、「BASIC」ファブリックシート、上部グローブボックス付きダッシュボード、チルト&テレスコピックステアリング、フロントパワーウィンドウ、10インチデジタルメーターパネル、スマートフォンホルダー、フロントUSBポート、アクティブセーフティブレーキ、キーレス付き集中ドアロックなどが装備 - ICON
(POPに対して)16インチスチールホール+フルホイールキャップ、ピクセルLEDヘッドライトおよびテールライト、電動調整ヒーテッドドアミラー、ブラック塗装ドアハンドル、上下に開閉するグローブボックス付きダッシュボード、フロント/リアパワーウィンドウ、10.25インチタッチスクリーン、AppleCarPlay/AndroidAuto接続対応、リアパーキングセンサーなどが装備 - LA PRIMA
(ICONに対して)17インチアルミホイール、ルーフレール、LEDデイタイムランニングライト、LEDターンシグナル内蔵電動格納ヒーテッドドアミラー、BAMBOXが備わる竹のようなテキスタイルのダッシュボード、「LA PRIMA」ファブリックシート、スマートフォンワイヤレス充電パッド、バックカメラ、キーレスエントリー&Goなどが装備 - Business Edition
見た目などはICONに近い一方、一部LA PRIMAに備わるアイテムが組み合わされるグレードになります。ICONの装備に加えてLEDデイタイムランニングライト、スマートフォンワイヤレス充電パッド、バックカメラなどが備わる一方、ルーフレールや、BAMBOXなどは備わらないビジネス向けのシンプルな内外装になります
グランデパンダのオススメは、左ハンドル欧州仕様のPOPグレードに1.2Lガソリンターボと6速MTの組み合わせです。グランデパンダのなかでも最もシンプルな仕様ではありますが、フィアットのベーシックカーとしての素材のよさを最も味わえるチョイスです。エアコンやフロントパワーウィンドウなどベーシックカーとしての装備はありますので、あとは使い方に合わせて必要なオプションをトッピングをしてみるのはいかがでしょうか。一方、ピクセルLEDヘッドライトやサステナブルな素材を用いたインテリア、充実したデジタル装備など最新鋭のコンパクトカーとしてお求めのユーザーには上位グレードのLA PRIMAの選択もよいでしょう。
長年小型車作りに長けたフィアットが、時を超えて初代パンダの要素を盛り込み再定義したグランデパンダは、当初のネーミングの通り誰にでも愛される一台となることでしょう。
歴代モデルと比べて車格が上がったことで価格も高くなり、かつてのパンダのイメージからは割高に感じる面があるかもしれません。現地市場でも新車価格が全般的に高騰するなか、そのなかでもプラットフォームを共有するモデルと比べて割安で戦略的な価格を付けることで、高い評価を得ております。フィアットの最新コンパクトカーをコンベンショナルなガソリンエンジン&MTで楽しめるこの一台を、いち早くお取り寄せしてみませんか。
- フィアット グランデパンダ POP 1.2 Turbo 6MT(左ハンドル欧州仕様)
ほかにも上級仕様となるのICONおよびLA PRIMAグレードも並行輸入可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
加えて2026年にプラットフォームを共有するフィアット 600にも今回紹介したグラデパンダと同じ1.2Lガソリンターボに6速MTを組み合わせた「600 STREET」がリリースされました。(現時点で日本未導入)こちらもいち早く並行輸入できますのでご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
- 新たに追加されたフィアット 600STREET(日本未導入)
- フィアット 600にも待望のガソリン+6MT仕様が設定されました
(€1=170円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€18,990)\4,588,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。
画像と動画
- フィアット グランデパンダ(サイド)
- フィアット グランデパンダ(リア)
- ハッチゲートにはフィアットのロゴがエンボス加工されます
- リアのピラー周りに色濃く初代パンダの雰囲気を感じます
- グランデパンダにはデジタルメーターが全車標準装備
- ボディサイズ拡大によりラゲッジスペースも広くなりました

































