世界的にいま最も人気のジャンルと言っても過言ではない「SUV」市場。各ブランドが大小さまざまなモデルを投入し盛り上がりを見せています。そのなかでもオフロードモデルの老舗ブランドがリリースする最もコンパクトでスポーティなSUVが大きな進化を遂げました。今回は2019年にマイナーチェンジしたばかりのランドローバー ディスカバリー スポーツ(LANDROVER Discovery Sport)を解説。進化のポイントをはじめ、概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報をご紹介します。
ランドローバー ディスカバリー スポーツとは
ランドローバー ディスカバリー スポーツは、ディフェンダーをはじめオフロードモデルの老舗である同社のなかで最もコンパクトなモデルとなります。3列7人乗りを基本としますがオーダー時に2列5人乗りの選択も可能。エンジンはガソリン/ディーゼル共に2.0Lを搭載。サイズは全長:4,597mm×全幅:2,069mm×全高:1,727mmと、国産車で例えると最近復活して人気なトヨタ RAV4と幅以外は近いサイズです。
デビューは2014年のパリモーターショー。同社のボトムレンジであるディスカバリーに対してスポーティな派生車種という位置づけであり、レンジローバーとレンジローバー スポーツと同じような関係性です。合わせてかつて販売されていたフリーランダーの後継的な役割も持っており、フリーランダーが持っていたフットワークの軽いスポーティさも含んでいるように感じます。
取り回しのしやすいボディサイズと、確かな悪路走破性から、ディスカバリー スポーツはデビュー直後から好調なセールスを記録し、たちまち同社の売上に対して中心的な存在となりました。
2019年にはマイナーチェンジを実施。エクステリアやインテリアだけでなくプラットフォームも変更されるなど、マイナーチェンジとは思えないほど大きく手が入れられています。ディスカバリースポーツは日本にも導入されていますが、2019年7月現在は、マイナーチェンジ前のモデルが販売されています。
ココがスゴイ!ディスカバリー スポーツ
ランドローバー ディスカバリー スポーツを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- マイナーチェンジでは異例のプラットフォーム変更
- トレンドの48Vマイルドハイブリッドを新採用
- 注目の新技術「ClearSight」を実用化
- 最新コントロールシステム採用でどんな道でも安定した走り
- プラグインハイブリッド仕様も遅れて追加予定
ランドローバー ディスカバリー スポーツ コンセプトムービー(約45秒)
スタイリングとインテリア
- マイナーチェンジで各部が新意匠にアップデート
- プラットフォームが変わってもボディサイズはほぼ不変
- 最新技術の導入と質感が大幅に向上したインテリア
- フレキシブルなシートアレンジが魅力
エクステリアのポイントはマイナーチェンジでアップデートされた各所。バンパーやフロントグリルが新意匠のものになったのに加え、灯火類にも手が入っています。ヘッドライトは全てLEDでグレードによりLED/プレミアムLED/マトリクスLEDの3種類が設定、どれもシャープで眼光鋭い印象です。リアも従来の丸型をモチーフにしたものから角型のものに変更。フロント同様シャープでスマートな印象になりました。
今回のマイナーチェンジではプラットフォームが一新される大工事がされましたが、ボディサイズはほぼ変わっておりません。ボディカラーは全11色と豊富な設定。ルーフはメタルルーフと頭上の開放感を演出するパノラマルーフの2種類があり、バイトーンルーフも選択可能です。
インテリアは今回のマイナーチェンジで大きくアップデートされた箇所のひとつ。トリムや各部の素材が見直され質感がさらに上がっています。特にウッドとマテリアルの組み合わせ具合が秀逸で、ジャガーなどの高級車作りの経験が生かされていると言えるでしょう。インテリアトリムは標準モデルが3種類、R-DYNAMIC仕様にはバイトーンを含む2種類から選択可能です。
シートは基本3列7人乗り(オーダー時に2列5人乗りの選択も可能)です。ボディサイズの関係で3列目は若干窮屈さを感じるかも知れませんが、普段は5人乗りとして、いざという時に2人分をプラスできるのは大きいです。実際にメーカー自身もこのシートを「5+2シーター」と呼んでいます。2列目は40:40:20で分割可倒で2人乗りから7人乗りまで乗員と荷物に合わせてフレキシブルに使えます。
インフォテインメントシステムは10インチを超える大画面のTouchProシステムを採用しました。そして今回のトピックのひとつが「ClearSight GroundView」です。これは2014年に同社がショーで発表した「トランスペアレント・ボンネット・テクノロジー」と呼ばれる画像処理で、ボンネットが透明になったかのように周囲を死角なく表示する技術を市販車で実現したもの。ほかにもリアに大きな荷物を積み視界が遮られても、まるで荷物がないような鮮明で自然なカメラ映像をバックミラーに表示する「ClearSight RearView」も設定されています。
搭載されるエンジンと燃費
搭載されるエンジンは全て直4 2.0L。ガソリンが2仕様、ディーゼルが3仕様です。
- ガソリン
2.0L 直4ガソリンターボ P200 200PS(149kw)/320Nm AWD/9AT
2.0L 直4ガソリンターボ P250 249PS(185kw)/365Nm AWD/9AT - ディーゼル
2.0L 直4ディーゼルターボ D150 150PS(111kw)/380Nm FF/6MT/9AT
2.0L 直4ディーゼルターボ D180 180PS(134kw)/430Nm AWD/9AT
2.0L 直4ディーゼルツインターボ D240 240PS(178kw)/500Nm AWD/9AT
デビュー当初はフォードから供給されるユニットを使用していましたが、現在は全てジャガー・ランドローバーの自社開発となる「インジニウム(Ingenium)」エンジンと呼ばれるユニットです。
今回のマイナーチェンジで、ベーシックなD150を除く全てのユニットに、最近のトレンドである48Vマイルドハイブリッドシステム「MHEV」が組み合わされました。これはバッテリーをフロア配下に配置したコンパクトなハイブリッドユニットです。さらに充電機能やEVモードを備えたプラグインハイブリッド仕様が2019年後半に追って追加予定です。
駆動方式・トランスミッションは基本的にAWD仕様とZF製9速ATの組み合わせ。D150にのみFFとゲドラグ製6MTの設定があります。ZF製9速ATは最新仕様で変速の滑らかさと素早さに加え、改良により2%の燃費向上を実現しています。
燃費は新欧州複合基準でD150(FF/6MT)が約16.9km/L、P250(7シート)で10.0-10.6km/L。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロントにストラット、リアはマルチリンク。さらに統合制御システムとして最新の「Terrein Response2」を採用しました。路面に合わせて4つのドライブモードが設定できるこのシステムには、ヘビーデューティーなオフロードに強いモデルを長年作ってきたランドローバーのノウハウが生かされています。オフロードの高い悪路走破性はもちろんのこと、オンロードでも快適性の高い走りを提供します。これらオン/オフ問わない走りの安定感は、ディスカバリー スポーツの魅力のひとつです。
最低地上高:212mm、アプローチアングル:25.0°、デパチャーアングル:30.2°、そして最大渡河深度は何と600mm!普通のクルマなら立ち往生してしまう冠水路面でも走破※できます。
※冠水時の走行には危険が伴います。過信せず慎重な走行を心がけましょう。
加えて、最大牽引重量は2.5トンという本格的なピックアップトラックに匹敵する牽引性能を備えており、オプションで牽引時の安定感をサポートする「Advanced Tow Assist」も選択可能です。数々のレジャーアイテムを牽引出来るアソビの友としても活躍してくれるでしょう。
サイズとスペック
●寸法・重量
【全長×全幅×全高】4,597×2,069×1,727 mm
【ホイールベース】2,741mm 【トレッド】前/後:1,625 / 1,632mm
【車両重量】2,017kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒 DOHC16Vターボ フロント横置き
【総排気量】1,997cc 【直径×内径】83.0×92.2mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】249ps(185kw)/5500rpm 【最大トルク】365Nm/1400-4500rpm
【燃料容量】67L
●駆動系
【駆動方式】AWD 【トランスミッション】9AT
【サスペンション】(前)ストラット / (後)マルチリンク
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)245/45R20
●パフォーマンス(5シーター)
【最高速度】225km/h 【0-100km/h加速】7.1秒
【燃費】約10.7km/L(新欧州複合基準)【価格】英国仕様 2019モデル:£48,575
歴史とトリビア
ディスカバリー スポーツ関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- 生産はイギリス・ヘイルウッド工場
- ランドローバーブランドで最もコンパクトな3列7人乗りモデル
- かつてはフォードのEcoBoost/Duratorqをベースにしたユニットを搭載
- ZF製9速ATはジャガーのSUV、E-Paceにも搭載
ライバル
全長4,600mmクラスのSUVは、ランドローバー以外にも各プレミアムブランドがラインナップをしており、これらのモデルがライバルになります。そのなかでも卓越した4WDシステムのクワトロを持ったアウディ Q5は最も近しいものと言えるでしょう。これらライバルのなかでも3列シートを選べるモデルは少なく、これはディスカバリー スポーツの優位性の一つとなります。
- アウディ Q5
- BMW X3
- メルセデス・ベンツ GLC
- ボルボ XC60
- アルファロメオ ステルヴィオ
- レクサス NX
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
ディスカバリー スポーツはマイナーチェンジ前モデルが日本にも導入されており、今後新型モデルが導入される可能性は高いでしょう。しかし、いち早く新型を手にされたいオーナーや、ほかにも希望にあった装備の組み合わせや、恐らく導入されないMTモデルなどをご希望の場合は、並行輸入で手に入れるのが確実な方法です。
グレードは大きく分けて4種類。ベーシックな「SPORT」をはじめ、18インチアルミホイールを装備した「S」、19インチアルミホイールやプレミアムLEDヘッドライトなど装備が充実した「SE」、そして20インチアルミホイールやMeridianSoundSystemなどを装備した上級仕様の「HSE」があります。これに対して専用アルミホイールやチタニウムのフィニッシャーなどを備えたスポーティな装いの「R-DYNAMIC」がベーシックなSPORT以外に設定されています。
そのなかでも、R-DYNAMIC HSEにP250もしくはD240のパワーユニットの組み合わせをおすすめします。これはラグジュアリーかつオフロードにも強いランドローバーブランドのモデルとして相応しいプレミアム感にハイパフォーマンスなパワーユニットの組み合わせ。オーナーに対して乗って質感の高さと装備に満足、走ってパフォーマンスや悪路走破性に満足と、全てにおいて納得して貰えるチョイスです。
- ランドローバー ディスカバリー スポーツ R-DYNAMIC HSE P250 AWD 9AT
- ランドローバー ディスカバリー スポーツ D150 FWD 6MT
ほかにもノーマルグレードや、MTを駆使したいユーザーにはD150のパワーユニットなどの組み合わせも並行輸入できますので、お気軽にお問い合わせください、
(£1=135円時・値引き交渉前価格)
(値引き交渉前現地価格:£48,575)\8,391,000
(値引き交渉前現地価格:£31,575)\6,109,000
ディーゼル車をご希望の方へ
参考乗出し価格が掲載されていない場合には、別途お見積りいたしますのでお問合せ下さい。
なお、ディーゼル車を取り巻く環境は年々厳しくなっています。ディーゼルエンジン搭載車をご希望の場合には以下の記事もご覧ください。
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。
画像と動画
ランドローバー ディスカバリー スポーツ ClearSight RearView説明動画 (約20秒)