日本への再導入が発表されているオペルですが、新型コロナウイルスや半導体不足などの問題により延期されてから、現時点(2024年4月)で最新の導入スケジュールは発表されていないようです。一方欧州現地では積極的なモデル展開を行っており、40年以上に渡りドイツでベストセラーコンパクトであり続けているモデルがさらなる進化を遂げています。
今回はオペル/ボクスホールのコンパクトカー、コルサ(OPEL/VAUXHALL Corsa)のマイナーチェンジした新型モデルのエンジン仕様を中心に解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
オペル 新型コルサとは
コルサはオペル(英国ではボクスホールブランドで販売)のBセグメント級のボディサイズをもつコンパクトカーです。ボディサイズは全長:4,061mm×全幅:1,765mm×全高:1,435mm(ミラー部分を含まず)と、国産車では日産 ノート オーラに近いサイズです。
初代モデルのデビューは1982年、オペルの量販モデルであるカデットの弟分としてデビューしました。コルサAと呼ばれる初代モデルは早速市場で高評価を得た結果、先発のライバルであるフォード フィエスタやフォルクスワーゲン ポロなどに並び欧州Bセグメント主要モデルの一員になりました。日本市場にもオペル130/100として導入されています。
1993年には2代目モデルとなるコルサBがデビューしました。空力性能を高めて曲線を多く用いたデザインを採用し、コルサをベースにクーペボディをまとった派生モデルのティグラが追加されています。日本市場にはヴィータとして導入され、テレビドラマでの起用や輸入車として手頃な価格からヒットモデルとなりました。
2019年には6代目モデルとなるコルサFがデビューし、オペルがPSAグループ(現ステランティス)入りしてはじめて新規開発されたモデルとなりました。これに伴いプラットフォームがGM系のものから、ステランティスのEMP1プラットフォームに変わり、パワートレインもステランティス系のユニットを採用したほか、初のBEV仕様となるコルサeがラインナップされました。
2023年にはマイナーチェンジが行われ、現在販売されているモデルとなります。エクステリアおよびインテリアをはじめ、パワートレインまで広範囲に手が入るアップデートとなりました。プラットフォームを共有する兄弟車には、プジョー 208やシトロエン C3などをはじめ、オペルと同じくステランティス入りしてフルモデルチェンジしたランチア イプシロンなどがあります。
ドイツ本国では初代モデル以降、40年以上に渡りベストセラーを続けているコルサですが、日本市場には2006年の撤退時に販売されていた3代目を最後に以降は正規導入されておりません。オペルブランド再上陸にあたり初期導入モデルとして挙られており、日本で右ハンドルモデルの展示などがありましたが、現時点ではまだ販売されておりません。(2024年4月現在)
オペル 新型コルサ 紹介動画(約2分)
ココがスゴイ!オペル 新型コルサ
オペル 新型コルサを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 最新オペルの意匠に合わせたアップデート
- オペル初の48Vマイルドハイブリッドシステムを採用
- デュアルクラッチトランスミッションを新開発
- 内燃機関/ハイブリッド/BEVと選べるパワートレイン
- パワーアップしたバッテリーを採用(BEV仕様)
スタイリングとインテリア
- オペルのデザインコンセプト「Opel Visor」を適用
- より高性能なマトリクスLEDヘッドライトにアップデート
- ワンランク高く上質に仕上がったインテリア
- フルデジタルコックピットをはじめとするデジタル面の強化
今回のマイナーチェンジでは、最新オペルのデザインコンセプト「Opel Visor」が適用されました。大きく変わったフロントセクションは、ヘッドライトからオペルブリッツ(ブランドロゴ)、ブラックアウトされたフロントグリルまでシームレスに一体化され、最新のアストラやモッカなどに共通した意匠にアップデートされたのに加えて、拡大されたバンパー下部のエアインレットは力強い印象を与えています。リアセクションはブランドエンブレムがより立体化され、車名のエンブレムは従来モデルの限定車としてリリースされた「コルサ40」のようにテールゲート中央に配置されました。
一方、従来モデルで印象的であったブラックのルーフが浮いているように見せるブレイクスルーCピラーは継続採用されたほか、眩しさの少ないIntelli-Lux LEDマトリクスライトはLEDエレメントが8個から14個に増やされ、より精度が向上したものが採用されています。
インテリアは新意匠のステアリングホイールやシフトレバーの採用をはじめ、ハイグロスブラックのパネルや各所のクロームモールディング、アルカンターラも選択可能なトリムなど、かつてのコルサよりもワンランク高い上質な空間に仕上がっています。シートは人間工学に基づいたアクティブシートが採用され、仕様によりコンフォートもしくはスポーツタイプのものが設定されます。
デジタル面もマイナーチェンジで大きくアップデートされました。新開発のフルデジタルコックピットの採用をはじめ、10インチに大型化されたタッチスクリーンに組み合わされるインフォテインメントシステムには、スマートフォンなどでも使われるクアルコム社の技術を搭載した最新システムが採用されました。グラフィックやマルチメディア、AI機能などが強化されており、より直感的な操作が可能です。スマートフォン接続についてもAppleCarPlay/AndroidAutoがワイヤレス接続対応になりました。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ガソリンおよびマイルドハイブリッドが設定。
- ガソリン
1.2L 直3 自然吸気 75PS(55kw)/118Nm
1.2L 直3 直噴ターボ 100PS(74kw)/205Nm
1.2L 直3 直噴ターボ 130PS(96kw)/230Nm - ガソリンマイルドハイブリッド
1.2L 直3 直噴ターボ+電気モーター 48Vマイルドハイブリッドシステム 100PS(74kw)/205Nm
1.2L 直3 直噴ターボ+電気モーター 48Vマイルドハイブリッドシステム 136PS(100kw)/230Nm
内燃機関仕様は、従来モデルにあったディーゼルユニットはなくなり、全て直3 1.2Lガソリンユニットになりました。これらはステランティスのPureTechユニットに相当するもので、自然吸気の75PSをはじめ、直噴ターボは100PSと130PSの2種類のほか、今回のマイナーチェンジで新たに直噴ターボに電気モーターを組み合わせた48Vマイルドハイブリッドシステムがオペルで初採用され、100PSと136PSの2種類が設定されています。燃費性能は直噴ターボ100PS仕様の欧州複合で18.5km/Lです。
新型コルサはBEV仕様のコルサeもあるため、ひとつの車種で内燃機関/ハイブリッド/BEVの3つのパワートレインが選択可能になったことが大きなポイントです。
駆動方式はFFで、トランスミッションは5速もしくは6速MTのほか、2ペダルは直噴ターボにはステランティスのEAT8に相当するトルクコンバーター式の8速AT、マイルドハイブリッド仕様には新設計のデュアルクラッチトランスミッションの6速eDCTが組み合わされます。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:マクファーソンストラット、リア:トーションビームが採用されています。従来モデルと同じ構成でこのクラスでは一般的な形式ですが、軽快で自然なフィーリングであると現地では評価をされており、ハンドリングについては独ゴールデン・ステアリング・ホイールを受賞(2023年)しています。
運転支援機能については、アダプティブクルーズコントロールや歩行者検知機能付き衝突被害軽減ブレーキをはじめ、新開発の高解像度パノラミック・リアビュー・カメラなどが仕様により設定されています。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,061×1,765×1,435 mm(ミラー部分を含まず)
【ホイールベース】2,538mm 【トレッド】前/後:1,501 / 1,500mm
【車両重量】-kg
●エンジン
【構成】水冷直列3気筒ターボ DOHC12V フロント横置 気筒休止機構付
【総排気量】1,199cc 【直径×内径】-×-mm 【圧縮比】10.5:1
【最高出力】100ps(74kw)/5500rpm 【最大トルク】205Nm/1750rpm
【燃料容量】44L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】6MT
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)トーションビーム
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ドラム
【タイヤ】(前後)-
●パフォーマンス
【最高速度】194km/h 【0-100km/h加速】9.9秒
【燃費】約18.5km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2024モデル:€22,680
歴史とトリビア
オペル 新型コルサ関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- 40年以上に渡りドイツのベストセラーカーの実績
- 独auto Motor und Sport誌の2023年ベストデザイン受賞
- 3代目モデルまで日本に導入実績あり
- コルサをベースにした派生モデルにティグラやメリーバなどがあり
- 過去モデルにはホットハッチのOPC(ドイツ)/VXR(英国)モデルが設定
ライバル
欧州Bセグメント級のコンパクトカーは、プラットフォームを共有する兄弟車以外にも各社がラインナップしており、ライバルも多く存在します。長年のライバルであったフォード フィエスタが生産終了したいま、フォルクスワーゲン ポロが最も近しいライバルと言えるでしょう。
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
オペルブランドの再上陸にあたり導入予定車種として挙げられているコルサですが、現時点(2024年4月現在)ではまだ販売されておりません。今後、正規導入される場合も欧州市場で展開される全ての仕様が導入される訳ではないと予想されます。そのため、お好みの仕様をいち早く確実に手に入れるなら引き続き並行輸入がおすすめです。新型コルサのグレード構成は以下の通りです。現在左ハンドル欧州仕様のオペル版および右ハンドル英国仕様のボクスホール版共に設定されています。
グレード構成(左ハンドル欧州仕様:オペルブランド)
- Corsa
16インチスチールホイール+フルホイールキャップ、LEDヘッドライト、電動ヒーテッドドアミラー、ボディ同色ルーフ、カラードバンパー、ルーフスポイラー、フラットボトムコンフォートステアリングホイール、コンフォートシート、運転席6ウェイ調整、エアコン、パワーウィンドウ、3.5インチデジタルカラー・インストルメント・クラスター、10インチタッチスクリーン+ワイヤレスAppleCarPlay/AndroidAuto接続、アンビエント照明、キーレス集中ドアロック、インテリジェント・クルーズ・コントロールなどが装備 - GS
(Corsaに対して)16インチダブルスポークアルミホイール、LEDテールライト、ブラックルーフ、ハイグロスブラック仕上げのBピラー、電動格納ヒーテッドドアミラー、フラットボトム/ヴィーガンレザーステアリングホイール、スポーツシート(ファブリック/レザールック)、収納付きセンターアームレスト、7インチデジタルカラー・インストルメント・クラスター、コルサ・テック・パッケージ(リアビューカメラ、パーキングパイロットなど)などが装備 - Corsa Yes(特別仕様車)
(Corsaに対して)16インチブラックアルミホイール、LEDテールライト、ブラックルーフ、サイレントブラック/ホワイト装飾トリム、電動格納ヒーテッドドアミラー、フラットボトム/ヴィーガンレザーステアリングホイール、センターコンソール、リアディスクブレーキ、リアパーキングエイドなどが装備
グレード構成(右ハンドル英国仕様:ボクスホールブランド)
- Yes(特別仕様車)
16インチブラックアルミホイール、ブラックルーフ+ミラーキャップ、ハイグロスブラックロアバンパーグリル、LEDヘッドライト/デイタイムランニングライト、手動6ウェイ調整運転席シート、手動4ウェイ調整助手席シート、フロント/リアパワーウィンドウ、7インチデジタルインストルメントクラスター、10インチタッチスクリーン+AppleCarPlay/AndroidAuto接続(有線)、エアコン、クルーズコントロール、リアーパークアシストなどが装備 - Design
16インチグレーアルミホイール、LEDヘッドライト/デイタイムランニングライト、クロームグリフィンロゴ、フラットボトムレザーステアリングホイール、コンフォート・フロントシート、運転席6ウェイ調整、エアコン、3.5インチデジタルカラー・インストルメント・クラスター、10インチタッチスクリーン+AppleCarPlay/AndroidAuto接続(有線)、集中ドアロック、衝突被害軽減ブレーキ、クルーズコントロールなどが装備 - GS
(Designに対して)17インチダイヤモンドカットアルミホイール、LEDフロントフォグライト/テールライト、ブラックルーフ&Aピラー、スポーツフロント/リアスタリング、ブラックグリフィンロゴ、スポーツスタイルフロントシート、ワイヤレスAppleCarPlay/AndroidAuto接続、6スピーカー、リアビューカメラなどが装備 - Ultimate
(GSに対して)IntelliLuxアダプティブLEDマトリクスヘッドライト、ヒーテッドステアリングホイール、アルカンターラシートトリム、ヒーテッド機能付きコンフォート・フロントシート、運転席マッサージ機能(ランバーサポート付き)、アダプティブクルーズコントロール(ATのみ)などが装備
新型コルサのオススメは、左ハンドル欧州仕様のCorsaにガソリン直噴ターボ100PSと6MTの組み合わせです。Corsaグレードはベーシックな仕様ですが大型化されたタッチスクリーンやスマートフォンワイヤレス接続など装備は充実しており、軽快で素直な回転感覚のガソリン直噴ターボと6MTの組み合わせは、より上質になった新型コルサを積極的に運転を楽しみつつリーズナブルに味わえるチョイスです。また、日本でも乗りやすい右ハンドルをご希望ならボクスホールブランドの右ハンドル英国仕様の選択もよいでしょう。
ステランティスの傘下となり新開発されたコルサはマイナーチェンジでより上質に、完成度が高まりました。欧州現地で長年愛されるこの一台をいち早くお取り寄せして手に入れてみませんか。
- オペル コルサ Corsa 1.2 Direct Injection Turbo(100PS) 6MT(左ハンドル欧州仕様)
- オペル コルサ GS 1.2 Direct Injection Turbo(130PS) 8AT(左ハンドル欧州仕様)
- ボクスホール コルサ Design 1.2 Turbo(100PS) 6MT(右ハンドル英国仕様)
- ボクスホール コルサ GS 1.2 Turbo(130PS) 8AT(右ハンドル英国仕様)
まだ具体的な再上陸スケジュールが公開されておりませんが、ウィズトレーディングでは引き続きオペルブランドを応援します。ほかのモデルについても解説記事があり、並行輸入できますのでお気軽にお問合せください。
(€1=155/£1=185円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€22,680)\5,260,000
(現地値引き交渉前価格:€28,990)\6,363,000
(現地値引き交渉前価格:£20,535)\5,644,000
(現地値引き交渉前価格:£25,615)\6,684,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
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