日本でもファンが多いルノー カングーをはじめ、シトロエン ベルランゴ/プジョー リフターのショートボディの正規導入が決まり盛り上がりを見せつつある欧州LCVベースのMPV市場ですが、前述の車種のロングボディという選択肢の他にも日本に導入されていない実力派モデルが満を持してフルモデルチェンジしました。
今回はフォルクスワーゲンのLCVベースMPV、新型キャディ(VOLKSWAGEN Caddy)を解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
フォルクスワーゲン キャディとは
フォルクスワーゲン キャディは、フォルクスワーゲンのLCVベースのMPVです。ボディサイズは、全長:4,500mm×全幅:1,855mm×全高:1,834mmと、国産車では日産 NV200バネットに近く、欧州車では日本に導入されている2代目カングーより少し大きめなサイズになります。
新型キャディ2020年にフルモデルチェンジし、メーカー自身は5代目モデルとしています。しかし、2010年に登場した先代モデル(4代目)が3代目のビッグマイナーチェンジに相当するものであったため、事実上3代目がデビューした2003年以来、17年ぶりのフルモデルチェンジとなりました。初代モデルは1980年代、ハッチバックのゴルフをベースとした小型ピックアップからスタートし、Bピラー以降を箱型の荷室にしたフルゴネット、そしてスライドドアを備えたモノスペースのトールワゴン型と変遷してきました。
キャディのバリエーションは大きく分けて3種類。商用用途のパネルバン、乗用用途のワゴン、そしてキャンパー架装が施されたカリフォルニアがあります。そのなかでもワゴンにはバンに近い質実剛健な「Kombi系」と、より質感高く乗用用途よりの「Caddy系」の2種類に分けられます。ボディタイプは、ノーマルホイールベース仕様から販売開始され、その後にロングホイールベース仕様のマキシ仕様が追加されました。(2020年12月追記)
日本市場には、初代モデル以降正規で導入された実績はありません。
フォルクスワーゲン キャディ コンセプト紹介動画(約50秒)
ココがスゴイ!フォルクスワーゲン キャディ
フォルクスワーゲン キャディを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 17年ぶりのフルモデルチェンジ。各部が最新化
- キャディ初のMQBプラットフォームの採用
- デジタル化を推進
- LCVならではの堅牢さ
- 新型モデルもキャンパー仕様を設定
スタイリングとインテリア
- 最新VWのテイストを盛り込んだデザイン
- 従来モデルから空力特性が向上
- LCVベースではで出色のインテリアの質感
- ロングホイールベースのマキシ(7シーター)も選択可能
ボディサイズは従来モデルより全長・全幅は拡大され一回り大きくなった一方、ルーフは従来モデルより低くなり空力性能が向上しました。これは燃費性能の向上にも寄与しています。デザインは最新のゴルフを彷彿される雰囲気で、最近のVWのデザインテイストが盛り込まれています。サイドを走る彫りの深いキャラクターラインやフェンダーアーチは、平面になりがちなLCVのなかでも躍動感に満ちています。そして印象的なのはリアセクション。大きなガラスパネルのテールゲートはどのライバルにも似ていません。
ほかにもキャディでは初となるフルLEDテクノロジーを採用したヘッドランプ/リアランプや、パワースライドドア、パワーテールゲートの採用など従来モデルより装備が充実しています。
インテリアはフルモデルチェンジで大きく進化したポイントのひとつ。新たに採用された10インチの大画面タッチスクリーンを中心とした立体的な造形のインパネを含んだインテリアをメーカーは「Innovision Cockpit」と呼んでいます。質感も高くLCVとしては出色の出来栄えです。今回のフルモデルチェンジでは、デジタル化推進の一つとして、フルデジタルメーターの初採用をはじめ、インフォテインメントシステムは最新のものにアップデート。車両管理機能のあるスマートフォンアプリや、コネクテッド機能の「We Connect」を使用可能です。
シートは2列5人乗りが標準設定されており、全ての仕様に3列7シーター仕様となる7シーターパックがオプションで選択可能です。室内空間も広くバン仕様はユーロパレットを軽々飲み込むぐらいのため、乗用仕様でも抜群のユーティリティ性を備えています。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ディーゼルに加え、ガソリンも追加になりました。
- ガソリン
1.5L 直4 ターボ TSI 114PS (84kw)/220Nm - ディーゼル
2.0L 直4 ディーゼルターボ TDI 75PS (55kw)/250Nm
2.0L 直4 ディーゼルターボ TDI 102PS (75kw)/280Nm
2.0L 直4 ディーゼルターボ TDI 122PS (90kw)/320Nm
販売開始当初はTDIディーゼルのみの設定からスタートしました。ディーゼルは2.0Lターボに3種類のチューニングが設定されています。2つのSCR触媒コンバーターとAdBlueを採用した次世代TDIユニットは環境性能も向上。最新のEuro6Dをクリアし、燃費性能は122PS仕様の欧州複合で20.4km/Lの低燃費です。そして追って待望のガソリン仕様となる1.5L TSI仕様が追加になりました。114PSを出力するこのユニットは、フォルクスワーゲングループの多くの車種に採用されるもの。ライトサイジングのコンセプトを取り込みハイパワーとクリーンな環境性能を実現しています。燃費性能は欧州複合で17.5km/Lです。(2020年12月追加)
駆動方式はFF。トランスミッションは6MTを中心に、Caddy系のTDI 122PS仕様とTSI仕様に7速DSGが設定されています。(2020年12月更新)
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:マクファーソン・ストラット、リア:トーションビームを採用。従来モデルと同じ構成ですが、ホイールベース拡大により走行安定性が向上されていると現地では評価されています。キャディはLCVをベースとするため、長距離・長時間走行でも疲れづらい運転環境を乗用モデルでも提供します。ほかにも今回のモデルチェンジでは安全性能も大きく進化、19種類ものドライバーアシスト機能が新たに採用されました。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,853×1,855×1,836 mm
【ホイールベース】2,970mm 【トレッド】前/後:- / -mm
【車両重量】 -kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒自然吸気 DOHC16Vターボ フロント横置 気筒休止機構付
【総排気量】1,498cc 【直径×内径】-×-mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】114ps(84kw)/4500-6000rpm 【最大トルク】220Nm/1750-3000rpm
【燃料容量】-L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】7DSG
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)トーションビーム
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)215/55R17
●パフォーマンス
【最高速度】182km/h 【0-100km/h加速】-秒
【燃費】約17.2km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2020モデル:€35,240
歴史とトリビア
フォルクスワーゲン キャディ関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- 全世界で300万台以上の販売実績があるベストセラー車
- 初代モデルはゴルフI(初代)ベースのピックアップトラック
- 2代目モデルはBピラー以降を箱型にしたフルゴネットが追加
- 3代目モデルではAWDの4Motion仕様が追加
- 3代目モデルは4代目に相当するモデルも含め2回デザインを変更
ライバル
日本でも人気のルノー カングーをはじめ、トヨタ プロエース・シティ ヴァーソを含むPSAグループのシトロエン ベルランゴ4兄弟や、老舗LCVのフォード トランジット コネクトなど欧州LCVベースのMPVはホットな市場と言えるでしょう。2021年には満を持してルノー カングーもフルモデルチェンジしたのでより熾烈な戦いとなりそうです。
- ルノー カングー
- シトロエン ベルランゴ
- プジョー リフター
- トヨタ プロエース・シティ ヴァーソ
- オペル/ボクスホール コンボ・ライフ
- フォード トランジットコネクト
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
カングー、ベルランゴ、リフターと欧州LCVはどれも日本で好調のため、キャディも支持を得られそうですが、初代モデルから一貫して日本に正規導入された実績はありません。そのため確実に手に入れるなら並行輸入が確実な方法です。
新型キャディのグレード構成は以下の通りです。欧州左ハンドル仕様に加え、右ハンドルの英国仕様も販売開始されました。(2021年11月追記)
グレード構成 Kombi系(左ハンドル欧州仕様)
- Kombi
16インチアルミホイール、ボディ同色バンパー、クルーズコントロール、LEDデイタイムランニングライトなどが装備 - Kombi “EcoProfi”
12ボルトソケット×2、助手席のLED読書灯、フロントパワーウィンドウ、マルチファンクションステアリングなどが装備
グレード構成 Caddy系(左ハンドル欧州仕様)
- Caddy
17インチアルミホイール、オートLEDヘッドライト/リアライト、デジタルコックピット、パーキングアシスト、キーレスゴー、「Air Care Climatronic」オートエアコンなどが装備 - Life
17インチアルミホイール、フルカラード前後バンパー、各所のクロームパーツ、「ArtVelours」マイクロフリースのシートセンターパネル、レザー調のサイドパネルなどが装備 - Move
ダークグラファイト17インチアルミホイール、プライバシーガラス、パワーテールゲート、パワースライドドア、パノラミックルーフ、レザーステアリング/シフトノブなどが装備 - Style
17インチアルミホイール、ルーフレールをはじめとする追加クロームパーツ、デジタルコックピット、パーキングアシスト、キーレスゴー、「Air Care Climatronic」オートエアコンなどが装備
グレード構成(右ハンドル英国仕様)
- Caddy
16インチスチールホイール、6.5インチカラータッチスクリーン、マニュアルエアコン、クルーズコントロール、歩行者/自転車検知機能付き衝突被害軽減ブレーキなどが装備 - Life
16インチアルミホイール、8.25インチカラータッチスクリーン、Appコネクト(AppleCarPlay/AndroidAuto)、LEDリアコンビネーションライト、ブラックルーフレール、電動格納ヒーテッドミラー、パーキングセンサーなどが装備
従来モデルはキャディの乗用ワゴンモデルを「キャディ・ライフ」とネーミングされていましたが、今回のフルモデルチェンジで「Life」はひとつのグレード名になりました。
そのなかでもおすすめは、左ハンドル欧州仕様でロングホイールベースのマキシのMoveグレードに、1.5L TSIとDSGの組み合わせ。7人フルに乗っても余裕のラゲッジスペースをもつマキシに、軽快なフィーリングと低燃費を両立したガソリンTSIと、2ペダルのDSGのこのチョイスは発売当初はまだ選択できなかった、日本のユーザーにとっても待望の仕様といえるでしょう。多くのアイテムを積み込んでアクティブな毎日を送れそうな新型キャディ、いち早く手に入れてみませんか?
- Volkswagen Caddy Move Maxi 7シーター 1.5TSI 114PS DSG(左ハンドル欧州仕様)
- Volkswagen Caddy Caddy 5シーター 1.5TSI 114PS Manual(左ハンドル欧州仕様)
ほかにもノーマルホイールベースや、ベーシックな仕様および、右ハンドル英国仕様や商用用途のパネルバンも並行輸入できますのでお気軽にお問い合わせください。
(€1=126円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€35,240)\6,325,000⇒日本導入お礼特価販売中!(お問い合わせください。)
(現地値引き交渉前価格:€26,001)\4,946,000⇒日本導入お礼特価販売中!(お問い合わせください。)
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。
メーカー純正キャンパー架装のキャディ・カリフォルニアも並行輸入可能です。
1,980mm×1,070mmの広々としたベットをはじめ、引き出し式となるキッチンや、バックドアと繋がる自立型リアテントなど、長年キャンパーモデルをラインナップし続けたフォルクスワーゲンならではのアイテムが装備されます。詳細はキャディ・カリフォルニアの解説ページをご参照ください。