日本でも車中泊人気やモバイルオフィスとしてのテレワーク需要などで改めて注目を集めつつあるキャンピングカー。ウィズトレーディングでもお客様から多くの問い合わせや販売を通して注目の高さを実感しています。
今回は欧州キャンパーの老舗モデルとして人気なT6.1カリフォルニアの弟分とも言える一台。2020年にフルモデルチェンジしたフォルクスワーゲン キャディに設定されるキャンパー仕様、「キャディ・カリフォルニア(VOLKSWAGEN Caddy California)」を解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
フォルクスワーゲン キャディ・カリフォルニアとは
フォルクスワーゲンキャディ・カリフォルニアは、フォルクスワーゲンの小型LCV「キャディ」をベースにしたキャンピングカーです。
フォルクスワーゲンのキャンパー仕様の歴史は長く、通称「ワーゲンバス」と呼ばれるType2に対してウェストファリアがキャンパー架装されたものからはじまり、最新のT6.1にメーカー自身がキャンパー架装したT6.1カリフォルニアは作りの良さから正規輸入されていない日本でもファンは多く、ウィズトレーディングでも並行輸入実績があり動画で紹介されています。
キャディのキャンパー仕様は3代目モデルで追加されましたが、現在販売されている2020年にフルモデルチェンジした5代目モデルはモデルチェンジ当初からキャンパー仕様となるカリフォルニアがラインナップされました。現在フォルクスワーゲンには、フルサイズLCVのクラフターをベースにした「グランドカリフォルニア」、「T6.1カリフォルニア」に次ぐ末っ子的なモデルで、兄貴分のモデル同様フォルクスワーゲン自身がキャンパー架装しています。
ボディサイズは全長:4,500mm(SWB仕様の場合)×全幅:1,855mm×全高:1,833 mm(ミラー部分を含まず)と、高さ以外はゴルフヴァリアントに近いサイズで、日本で乗るのにも大きすぎず普段使いや旅先でも駐車場で困ることは少ないでしょう。国産車では日産 NV200ベースのキャンパーに近いサイズで、トヨタ ハイエースクラスよりもコンパクトになります。このボディサイズから機動性は高く、メーカーはキャディ・カリフォルニアを「いつでも持ち運べる小さな別荘」とアピールしています。
フォルクスワーゲン キャディ・カリフォルニア コンセプト紹介動画(約1分)
乗用モデルのキャディは別途紹介しておりますのでご参照ください。
ココがスゴイ!フォルクスワーゲン キャディ・カリフォルニア
フォルクスワーゲン キャディ・カリフォルニアを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 日本でも使いやすい絶妙なボディサイズ
- 2種類のホイールベースを設定
- キャンパーと普段の使い勝手を両立
- 初採用のミニキッチンやテーブルセットなど専用設計のキャンパーアイテム
- メーカー純正キャンパー架装の安心感
スタイリングとインテリア
- オリジナルのボディラインを変えずにキャンパー化
- フル乗車人数でもキャンプできる後部接続可能なモジュラーテントを装備
- 簡単に折り畳み可能な大人二人分の就寝スペース
- キャンパー装備は簡単に取り外し可能
キャディ・カリフォルニアのボディタイプは2種類、全長4,500mmのSWBと、4,853mmのLWBとなるマキシ(Maxi)仕様がラインナップされ用途によって選択可能です。ボディサイズは従来モデルより全長・全幅は拡大され一回り大きくなった一方、ルーフは従来モデルより低くなり空力性能が向上しました。兄貴分となるT6.1カリフォルニア同様、オリジナルのボディラインを変えずに違和感なくキャンパー化されており一見普通のMPVのように見えますが、これはメーカー純正架装ならではの仕事と言えるでしょう。ほかにもバックドアに接続できるモジュラーテントを装備しており室内空間を拡大することができます。
インテリアはインパネデザインなどは基本的にベースのキャディに沿ったもの。LCVベースとは思えない高い質感が魅力です。シートレイアウトはマキシ仕様も含めて5人乗りのみで、3列シートの設定はなく、ホイールベースの差はそのまま後端のラゲッジスペース容量の差になります。作り付けのベッドは大人2人が就寝できるスペースを提供。後部座席はストラップ一本を引くだけで簡単に折り畳みできるだけでなく、ベッドはコンバーチブルの屋根のように3つ折りでコンパクトに収納されます。後部座席とベッド、ミニキッチンは簡単に取りはずし可能なため、普段使いではLCV譲りの大容量ワゴンとしても使用可能です。
快適な車中泊を実現するキャンパー装備
キャディ・カリフォルニアのハイライトは数々の専用キャンパー装備。フォルクスワーゲンのキャンパー仕様がいかに使い勝手を考えて設計されているかはT6.1カリフォルニアの紹介動画でも紹介されていますが、キャディ・カリフォルニアも長年のキャンパーに対する知見を生かして設計されています。T6.1カリフォルニアにも装備される折り畳みチェア(2脚)とテーブルは簡単に設置できるだけでなく、作り付けのためすっきりと収納され、移動中も動くことはありません。エクステリアにはフロンドドアには虫よけ付きのベンチレーショングリルを装備するほか、バックドアを開いた状態でも接続できる専用のモジュラーテントは大人4人~6人が使用可能。車内で就寝できる2人分と組み合わせてフル乗車(5人)でもキャンプ可能です。
インテリアは大人2人がしっかりと寝れる折りたたみ式ベッド(1980mm×1070mm)に寝心地のよいコイルスプリング入りマットレスが組み合わされます。収納スペースは豊富で座面下の引き出しやリアサイドウィンドウ下などに装備されます。これに今回のモデルチェンジで初採用されたのがミニキッチン(オプションで設定)。一口のガスコンロと折りたたみ式のカバーを備えたキッチンは車体後部に設置される引き出し式ですが、所定の位置でしっかりとロックされるため、誤って動いたりすることはありません。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ガソリンとディーゼルが設定。
- ガソリン
1.5L 直4 ターボ TSI 114PS (84kw)/220Nm - ディーゼル
2.0L 直4 ディーゼルターボ TDI 75PS (55kw)/250Nm(左ハンドル欧州仕様のみ)
2.0L 直4 ディーゼルターボ TDI 102PS (75kw)/280Nm
2.0L 直4 ディーゼルターボ TDI 122PS (90kw)/320Nm
ガソリンは1.5LターボのTSI。フォルクスワーゲングループ内の多くのメーカー・モデルに採用されるユニットで燃費性能は欧州複合で14.9km/Lです。ディーゼルは2.0LターボのTDIに3種類のチューニングが設定されています。2つのSCR触媒コンバーターとAdBlueを採用した次世代TDIユニットは環境性能も向上。設定されるTSI/TDI全てのユニットで最新のEuro6D-ISC-FCMをクリアしています。
駆動方式はFFを中心にTDIの122PS仕様にAWDの4Motionが設定。トランスミッションは6速MTを中心に、TSIとTDIの122PS仕様に日本でも需要の高い2ペダルの7速DSGが設定されています。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,500×1,855×1,833 mm(ミラー部分を含まず)
【ホイールベース】2,970mm 【トレッド】前/後:- / -mm
【車両重量】 1,658kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒自然吸気 DOHC16Vターボ フロント横置 気筒休止機構付
【総排気量】1,498cc 【直径×内径】-×-mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】114ps(84kw)/4500-6000rpm 【最大トルク】220Nm/1750-3000rpm
【燃料容量】-L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】7DSG
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)トーションビーム
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)205/60R16
●パフォーマンス
【最高速度】182km/h 【0-100km/h加速】-秒
【燃費】約17.2km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2021モデル:€33,790
歴史とトリビア
フォルクスワーゲン キャディ・カリフォルニア関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- 3代目ではじめてキャンパー仕様が設定
- フォルクスワーゲンのキャンパーでは末っ子的な存在
- ドイツメーカー純正キャンパーでは最小サイズ
- 引き出し式のミニキッチンを初採用
ライバル
欧州小型LCVをベースとしたキャンパーは、日本でも一部のビルダーが架装したモデルが出つつありますが、このクラスでメーカー純正架装のキャンパーとしては、キャディ・カリフォルニアはオンリーワンな存在と言えるでしょう。ここではライバルとなるキャンパーを国産メーカーを含めていくつかピックアップします。
- シトロエン ベルランゴベースのキャンパー
- プジョー リフターベースのキャンパー
- 日産 NV200バネットベースのキャンパー
- トヨタ タウンエースベースのキャンパー
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
欧州でもデリバリー開始になった新型キャディ。早速現地では好調なセールスを上げているようです。これをベースにしたメーカー純正架装キャンパーのキャディ・カリフォルニア。日本でもキャンパーの人気が高まりつつありますが、ベースモデルとなるキャディを含めて日本には正規導入された実績はないため、キャディ・カリフォルニアが正規で導入される可能性は残念ながら低いと思われます。そのため、キャディ・カリフォルニアを確実に手に入れるなら並行輸入が確実な方法です。
キャディ・カリフォルニアのグレード構成は以下の通りです。基本的にモノグレードでホイールベースの違いでSWBのキャディ・カリフォルニア、LWBのキャディ・カリフォルニア・マキシが設定されています。当初は左ハンドル欧州仕様から発売開始されましたが、右ハンドル英国仕様の販売も始まり、現在は左右ハンドルどちらも選択可能です。(2023年9月追記)
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)
- キャディ・カリフォルニア/キャディ・カリフォルニア・マキシ
16インチ(マキシ仕様は17インチ)スチールホイール+フルホイールカバー、デイタイムランニングランプ+オートライト、ヒーテッドドアミラー、歩行者検知機能付き衝突被害軽減ブレーキ、6.5インチタッチスクリーン+USBインターフェース、ラゲッジの12Vソケットのほか、各種キャンパーアイテムなどが装備
グレード構成(右ハンドル英国仕様)
- キャディ・カリフォルニア/キャディ・カリフォルニア・マキシ
16インチアルミホイール、ヒーテッドドアミラー、デジタルコックピット、ラゲッジの12Vソケット、センターコンソールのUSB-TypeCソケット×2、集中ドアロック、スピードリミッター付きクルーズコントロール、後方カメラ、前後パーキングセンサーのほか、各種キャンパーアイテムなどが装備
フォルクスワーゲンのキャンパーモデルの末っ子として追加になったキャディ・カリフォルニアですが、そのなかでもおすすめは、左ハンドル欧州仕様のキャディ・カリフォルニア(SWB)にガソリンTSIユニットとDSGの組み合わせです。これはちょうどよいサイズ感やキャンパーとしての作りの良さを日本でしっかりと味わう一台としてのチョイス。これにオプションでミニキッチンやサイクルキャリアなどの組み合わせもおすすめです。普段使いにもジャストサイズのキャディ・カリフォルニア、コンパクトで機動性が高いぶん思い立ったらすぐ出発。週末のショート・トリップや、サーフィンやサイクリングなどのレジャーのベース、そして平日のテレワークにも幅広く活躍してくれそうです。使い方多彩なマイクロキャンパーを選んでみませんか。
- Volkswagen Caddy California 1.5TSI 114PS DSG(左ハンドル欧州仕様)
- Volkswagen Caddy California Maxi 1.5TSI 114PS DSG(左ハンドル欧州仕様)
ほかにも右ハンドル英国仕様をはじめ、LWBのマキシ仕様や6MT仕様をご希望するお客様も並行輸入できますので、お気軽にお問い合わせください。
(€1=130円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€33,790)\5,982,000
(現地値引き交渉前価格:€36,306)\6,368,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。