ファニーな見た目からヒストリックカーになった今でも人気のワーゲンバス(T1)。デビューから60年近く経ちますが、現在も直系と言える車種が時代に合わせ進化しながらラインナップされています。今回はフォルクスワーゲンの最上級ミニバン、フェイスリフトされたフォルクスワーゲン T6.1カラベル(VOLKSWAGEN T6.1 Caravelle)を解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報をご紹介します。
フルクスワーゲン T6.1カラベルとは
フォルクスワーゲン T6.1 カラベルは、同社の全長5mクラスとなるLCV(小型商用車)ベースのMPV(多目的車)。大きさはトヨタ アルファード/ヴェルファイアより全体的にやや大きく、先日発表されたトヨタ グランエースに近いサイズです。
現在販売されているのは、2019年にフェイスリフトされたモデルで、内外装およびパワーユニットがアップデートされました。これに合わせて名称も「T6」から「T6.1」に変更されています。
堅牢なLCVをベースに上質な装備とハイパワーエンジンが与えられたT6.1 カラベルは、グランドツアラーとしての資質に優れていることも人気を支えている大きな要因です。
T6.1には上級MPVのカラベルのほかに、主に商用用途となるトランスポーターのパネルバン、貨客混在のコンビ、送迎用途を想定した乗用のシャトルがあり、さらにメーカー純正のキャンパーとなるカリフォルニアも設定されています。
これらT6.1ファミリーは、フォルクスワーゲンのなかでも商用車部門となるフォルクスワーゲンコマーシャルのプロダクトになります。
ココがスゴイ!フォルクスワーゲン T6.1 カラベル
フォルクスワーゲン T6.1 カラベルを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- ブラッシュアップされたエクステリア/インテリア
- 環境性能を向上させた新パワーユニット
- 最新の安全装備にアップデート
- メーカー純正のAWD仕様を設定
- 次期モデルに向けて有終の美を飾るラストモデル
スタイリングとインテリア
- フラッグシップモデルに通じるデザインに進化
- ワーゲンバスを彷彿とさせるバイトーンを含む豊富なボディカラー
- 新デザインにアップデートされたインパネ
- ライバルを寄せ付けない質感の高さ
ホイールベース違いで2種類のボディ(以下、ショートをSWB、ロングをLWB)があります。デザインは基本的にフェイスリフト前のT6を踏襲するボクシーなものですが、新型はクローム処理されたフロントグリルが大型化され、パサートやアルテオンのような雰囲気を持ちます。ヘッドライトも新たにフェンダーまで切れ込むシャープな印象なものに変更されました。合わせてLED化されたリアランプも新意匠のものになっています。ドアはオートクロージャー付きの両側スライドドアを採用しています
インテリアもT6を継承、質感の高さが大きなアドバンテージです。フォルクワーゲンらしい大ぶりで厚みのあるシートに、複数のシート表皮とインテリアトリムが組み合わされています。
そしてインテリアでの注目はフロアマウントレールシステム。これを利用して2列目は回転対座が可能になり、展開して使用するマルチファンクションテーブルも備わります。
今回のフェイスリフトでは新たにフルディスプレイのデジタルメーターの採用に加え、インフォテインメントシステムは大画面の10.2インチタッチスクリーンに進化。これに合わせてインパネの形状も変更されています。
搭載されるエンジンと燃費
搭載されるエンジンは2.0Lディーゼル(2仕様)のみの設定です。
- ディーゼル
2.0L 直4 ターボディーゼル TDI 150PS(110kw)/340Nm
2.0L 直4 ツインターボディーゼル BiTDI 199PS(146kw)/450Nm
2.0Lのディーゼルエンジンは150PSのシングルターボと199PSのツインターボの2仕様。今回のフェイスリフトでは環境性能が向上し、Euro6D-Tempをクリアしており、燃費性能はハイパワーな199PS・4MOTION仕様の欧州複合で13.8km/Lです。
駆動方式はFFを基本にExecutiveグレードにメーカー純正となるAWD仕様の「4MOTION」が設定されています。トランスミッションは全仕様に7速DSGが組み合わされます。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:マクファーソンストラット、リア:トレーディングアーム。一部グレードには電子制御サスペンション(DDC)がオプションで設定されています。T6.1では電動パワーステアリングを初採用しましたが、大柄なボディを確実に操れると評価されているようです。
グランドツーリング性能の高さは歴代モデルから続く美点で、T6.1ではさらに磨きが掛かっているようです。AWDの4モーションなら路面状況・天候を問わず安定した走行が可能です。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,904×1,904×1,950 mm
【ホイールベース】3,000mm 【トレッド】前/後:- / -mm
【車両重量】1,930kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒ツインターボ DOHC16V フロント横置 気筒休止機構付
【総排気量】1,968cc 【直径×内径】81.0×95.5mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】199ps(146kw)/3800-4000rpm 【最大トルク】450Nm/1400-2400rpm
【燃料容量】70L
●駆動系
【駆動方式】AWD 【トランスミッション】7DSG
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)トレーディングアーム
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)235/55R17-255/45R18
●パフォーマンス
【最高速度】198km/h 【0-100km/h加速】10.3秒
【燃費】約13.8km/L(新欧州複合基準)
【価格】英国仕様 2019モデル:£58,297
歴史とトリビア
RRレイアウトや空冷エンジンなど、ビートルと仕組みを共通する初代モデルのT1(ワーゲンバス)に続き、2代目のT2もドイツ本国だけでなく、世界の多くの国で生産/販売されました。そのなかでもブラジルは最も長く、1960年代デビューのT2を2013年まで生産していました。3代目で水冷化、4代目となるT4以降はFFレイアウトになりました。T6は2016年のデビュー。歴代モデルから受け継がれる作りの良さは特に抜きん出ており、欧州MPVの最高峰との呼び声も名高いです。
カラベルの名前は英国仕様では乗用MPVモデルに名付けられますが、左ハンドル圏では最上級仕様に準ずるモデルをカラベル、それ以外のモデルはマルチバンの名前を使い分けています。日本ではかつてヤナセが輸入していたT3がカラベルの名前で販売されたことがありました。
日本市場にはT4前期型まで正規導入されていましたが、以降はT5の右ハンドルモデルが東京モーターショーに参考出品されたのみで、現在まで再導入された実績はありません。
ライバル
欧州市場で全長5mクラスとなるLCVベースのMPVは各社にラインナップされています。最も近いライバルはメルセデス・ベンツ Vクラスや、シトロエン スペースツアラーをはじとするPSAの兄弟車ではないでしょうか。かつては圧倒的な質感が大きなアドバンテージを持っていたフォルクスワーゲン T6ですが、最近ではライバルも質感を上げ猛追しています。
国産メーカーではトヨタがプロエース ヴァーソを欧州ではラインナップしており、今後日本で発売予定のグランエースも近いコンセプトのためライバルになりそうです。
- メルセデス・ベンツ Vクラス
- シトロエン スペースツアラー
- フォード トルネオカスタム
- ルノー トラフィック
- トヨタ プロエース ヴァーソ
- トヨタ グランエース
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
LCVベースとなるフォルクスワーゲン製ミニバンは、T5以降、正規導入された実績はありません。現状は乗用モデルベースのシャランが国産ミニバンの競合としての役目を担っています。残念ながら今後もT6.1 カラベルが正規導入される可能性は少ないでしょう。T6.1 カラベルを手に入れるには並行輸入が最も確実な方法です。
グレード構成は「標準グレード SE」と「最上級仕様 Executive」の2種類。これにSWBとLWBがグレードによって設定されます。主な特徴は以下の通り。
- SE(SWB/LWB)
カラベルのベースグレード。デイタイムランニングライト、セミオートマチックエアコン、レザーステアリング/シフトノブ、オートクロージャ付き両側スライドドアなどが標準装備 - Executive(SWB)
カラベルの最上級グレード。SEに対してLEDデイタイムランニングライト、電動スライドドア、17インチアルミホイール、デジタルメーター、レザー/アルカンターラシート、3ゾーンオートエアコン、クロームパックなどが標準装備
オススメは「Executive SWB 4Motion 199PS 2.0 BiTDI 7DSG」の組み合わせです。フォルクスワーゲンの最上級ミニバンとしての質感の高さとハイパワーなツインターボにAWD 4Motionの組み合わせは、天候や路面状況を選ばずにグランドツーリングを楽しめます。
これはファミリーユースでもエクゼクティブ用途でもパッセンジャー全員が満足できるマルチプレイヤーなラグジュアリーMPVとしてのチョイスです。特に降雪地域の顧客送迎用車両として最適な一台です。
- フォルクスワーゲン カラベル Executive SWB 199PS 2.0 TDI 7sp DSG 4MOTION
- フォルクスワーゲン カラベル SE SWB 150PS 2.0 TDI 7sp DSG
T6.1の次期型モデルはシャランとプラットフォームが共有され、ボンネットが大きく張り出す乗用車チックなものになるという噂も耳にします。そのためT6.1はタフなLCVをベースとした質実剛健なトランスポーターとして有終の美を飾るに相応しい完成度を持ったモデルであると言えそうです。
ほかにもSEグレードやLWB、そしてMPVが欲しいが、もう少しシンプルで価格を抑えたいユーザーにはトランスポーター シャトルも選択できます。ほかにも様々な仕様のあるT6.1ファミリーですが、パネルバンからキャンパーのカリフォルニアまで並行輸入可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
(£1=135円時・値引き交渉前価格)
(値引き交渉前現地価格:£58,297)\10,283,000
(値引き交渉前現地価格:£46,537)\8,494,000
ディーゼル車をご希望の方へ
参考乗出し価格が掲載されていない場合には、別途お見積りいたしますのでお問合せ下さい。
なお、ディーゼル車を取り巻く環境は年々厳しくなっています。ディーゼルエンジン搭載車をご希望の場合には以下の記事もご覧ください。
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。