日本再導入の報道で話題になったオペルですが、世界的な半導体不足などの影響もあり、現時点(2022年7月現在)では2023年以降に延期となっているようです。残念ながら正規導入は少し先になってしまいましたが、ウィズトレーディングでは引き続きオペルを応援します!日本に導入されない仕様も含めてオペル/ボクスホールのモデルに対する要望に積極的に応えていきます。
そのなかでも今回は、ステランティス入りしてはじめてフルモデルチェンジした基幹モデルのアストラ(OPEL/VAUXHALL Astra)およびアストラ・スポーツツアラー(Astra SportsTourer)を解説。初期導入予定の3車種には入っていないので、導入があってもかなり先になるかもしれません。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
オペル アストラとは
オペル/ボクスホール(オペルの英国市場向けブランド)アストラは、欧州ではCセグメントクラスに属する、同社のなかでは基幹車種と言えるモデルです。ボディサイズは、全長:4,374mm×全幅:1,860mm×全高:1,441mm(ミラー部分を含まず。5ドアハッチバックの場合)と、国産車ではトヨタ カローラ・スポーツ/ツアラーや、マツダ 3、ホンダ シビックなどに近いサイズと言えるでしょう。
アストラの初代モデルは、1992年に前任車種であるカデットの後継としてデビューしました。初代モデルはアストラFと呼ばれ、その後モデルチェンジの度に後ろに付く文字がアルファベット順に変わりますが、初代がFであった理由は、AからEはカデットに割り振られており、これを継承したためとなります。ボディタイプはハッチバックのほか、カデット時代から続くコンパクトエステート、さらにカロッツェリアのベルトーネが手掛けたカブリオレがありました。
現在販売されているモデルは、2021年にデビューしたアストラとしては6代目モデルでアストラLと呼ばれています。ボディタイプは5ドアハッチバックと、歴代設定されるコンパクトエステートのアストラ・スポーツツアラーがあります。プラットフォームはPSA系のEMP2が初採用され、これはプジョー 308やシトロエン C4などと共有するものとなります。先代モデルの途中でオペルがグループPSA入りしたこともあり、パワーユニットの一部がPSA系のものに換装されましたが、今回のフルモデルチェンジは自動車の根幹となるプラットフォーム/パワーユニット/トランスミッションの全てがステランティス内で共通化された初のモデルとなりました。
アストラは前任のカデットの時代から日本に正規導入され、いくつかのインポーターを経たのち、1990年代半ばには大々的にプロモーション活動がされて記憶に残っている方も多いと思われます。しかし、2006年に日本から撤退となりました。現在オペルの再上陸が話題となっていますが、撤退時に販売されていた3代目のアストラH以降のモデルが正規導入された実績はありません。
オペル アストラ コンセプト紹介動画(約45秒)
ココがスゴイ!オペル アストラ
オペル アストラを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 新世代オペルのデザインコンセプト「OpelVisor」をアストラにも採用
- 従来モデルより拡大されたホイールベース
- PSA系のプラットフォームを初採用
- プラグインハイブリッド仕様のラインナップ
- コンベンショナルな6MT仕様も継続してラインナップ
スタイリングとインテリア
- 懐かしさと最先端が融合したダイナミックなエクステリア
- 従来モデルよりワイドアンドローなシルエットに
- フルデジタル化されたインテリアは前衛的でも直感的な操作が可能
- 人間工学に基づいて本格的に専用設計されたシート
アストラのボディタイプは2種類あります。全長4,374mmの5ドアハッチバックと、全長4,662mmのスポーツツアラーが設定されています。今回のフルモデルチェンジでは従来モデルより全高が低くなりワイドアンドローなシルエットになりました。
今回のフルモデルチェンジの大きなポイントと言えるのがエクステリアです。モッカで初採用された新世代オペルのデザインコンセプトである「OpelVisor」がアストラにも取り入れられました。薄型のヘッドライトを繋ぐ印象的な扇状のフロントセクションからはじまり、サイドは筋肉質なホイールアーチやCピラー回りの印象的な傾斜があり、リアはスリムなリアランプの間には最先端の複合素材で作られたテールゲートが組み合わされます。これらエクステリアのアクセントとなるポイントは多く、新型アストラは少し懐かしさを感じるエッセンスと革新的なダイナミックさが融合しています。
今回、満を持して基幹車種であるアストラにOpelVisorを採用したことは、これを新世代のオペルのアイデンティティにしようとする強い決意を感じます。
ほかにも装備として、フラッグシップモデルのインシグニアにも採用される168個のLEDエレメントを配置した薄型のIntelliLUX LEDピクセルヘッドライトが設定されるほか、スポーツツアラーには電動テールゲートが装備されます。
インテリアもエクステリアと同じく革新的です。次世代コックピットとなるPurePanelは、2つの10インチパネルからはじまりエアベントまでシームレスに融合されており、メーターパネルも従来のアナログメーターを排しフルデジタル化されました。一見、前衛的に見えるこのハイテクノロジーなコックピットですが、タッチスクリーンを通して直感的な操作ができるよう、細心の注意を図ったとオペルのエンジニアはコメントしています。デジタル化を推進した一方、エアコンのコントロールなど主要な設定についてはブラインド操作ができるよう物理ボタンを残すような配慮もされています。
革新的なインテリアに組み合わされるシートは、オペルの別モデルにも採用され好評なAGR(ドイツ脊椎健康推進協会品質認定)によって人間工学に基づいて開発された専用アイテムです。コンフォート/スポーツのシート形状に合わせてフォームの密度を最適化されることで、正しい姿勢での着座をアシストし、長距離のグランドツーリングでも快適で疲れづらいものに仕上がっています。
ユーティリティ性についてもアップデートされており、5ドアは最大422Lのスペースが確保されるほか、スポーツツアラーでは40:20:40で分割可倒なリアシートはフルフラットにできるだけでなく、新たに採用されたIntelli-Space(PHEV仕様を除く)と呼ばれるラゲッジスペースの高さを片手で簡単に調整できる可動式ロードフロアを採用することで、最大1634Lの広大なラゲッジスペースを提供します。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッドの設定です。
- ガソリン
1.2L 直3ターボ 110PS(81kw)/205Nm
1.2L 直3ターボ 130PS(96kw)/230Nm - ディーゼル
1.5L 直4ターボ 130PS(96kw)/300Nm - プラグインハイブリッド
1.6L 直4ターボ 150PS(110kw)/250Nm + 電気モーター
従来モデルの途中で一部ガソリンユニットがオペル(GM)系ユニットからPSA系のユニットに換装されたアストラですが、今回のフルモデルチェンジでは全てのユニットでPSA系のユニットが採用されました。ガソリンは1.2Lの直3ターボが110PS仕様と130PSの2種類が設定されています。これはPSA系ではPureTech110/130と呼ばれ、日本にもシトロエンやプジョーのモデルに搭載されて導入されているものに近く、燃費性能は130PS仕様の欧州複合で17.8km/Lです。ディーゼルは1.5Lの直4ターボの1種類が設定されており、こちらもPSA系ではBlueHDiと呼ばれるものに近いユニットです。そしてアストラ初となるプラグインハイブリッドは1.6Lガソリンユニットと電気モーターを組み合わせたシステムが採用されました。
トランスミッションもPSA系のものを採用し、8速ATのほかに、プラットフォームを共有する新型プジョー308(3代目)では欧州でも設定がなくなったMT仕様についても、フリクションを最適化した6MTがアストラには設定されます。駆動方式はFFの設定です。
走行性能とハンドリング
サスペンションは、フロント:マクファーソンストラット、リア:トーションビームを採用。このクラスではコンベンショナルな組み合わせですが、従来モデルと比較して14%のねじり剛性が向上したことで、ダイナミックでありつつも落ち着きのあるハンドリングを実現しています。
安全機能については最先端の運転支援システムが新たに採用されました。フロントガラスのマルチファンクションカメラをはじめ、ボディに4台のカメラと、5台のレーダーセンサー、前後の超音波センサーで構成され、アダプティブクルーズコントロールなどを含んだ半自動運転システムのIntelli-Driveが一部仕様に設定されています。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,642×1,860×1,443 mm(ミラー部分を含まず)
【ホイールベース】2,732mm 【トレッド】前/後:- / -mm
【車両重量】 1,550kg
●エンジン
【構成】水冷直列3気筒ターボ DOHC12V フロント横置き 気筒休止機構付
【総排気量】1,199cc 【直径×内径】 -×-mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】130ps(96kw)/5,500rpm 【最大トルク】230Nm/1,750rpm
【燃料容量】-L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】6MT
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)トーションビーム
【ブレーキ】(前)- / (後)-
【タイヤ】(前後)225/45R17
●パフォーマンス
【最高速度】208km/h 【0-100km/h加速】9.7秒
【燃費】約17.8km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2022モデル:€30,630
歴史とトリビア
オペル アストラ関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- アストラとしては6代目、前任のカデットからは11代目
- コンパクトエステートはカデットの時代から60年近くの実績がある
- かつてはベルトーネが手掛けたカブリオレもラインナップ
- 同様にかつてはハイパフォーマンスモデルのアストラOPC/VXRもラインナップ
- 3代目モデルまでは日本にも正規導入された実績あり
ライバル
欧州Cセグメントは、各社が基幹車種でしのぎを削る最もホットな市場と言えます。アストラのライバルとしては初代モデル以降、長年真っ向勝負を挑み続ける、ベストセラーのフォルクスワーゲン ゴルフをはじめ、走りの良さに定評のあるフォード フォーカスや、プラットフォームを共有するプジョー 308やシトロエン C4など力作揃いです。
- フォルクスワーゲン ゴルフ
- フォード フォーカス
- プジョー 308
- シトロエン C4
- ルノー メガーヌ
- セアト レオン
- トヨタ カローラ
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
基幹車種とも言えるアストラについて、オペルの再上陸に合わせて発表された初期導入のラインナップにはありませんでしたが、今後正規導入される可能性は考えられます。しかし、残念ながら現時点ではオペル再上陸については延期が発表されており、しばらく時間が掛かりそうです。これに加え、導入された場合も欧州で販売される全ての仕様が正規導入される可能性は残念ながら低いでしょう。そのため、いち早く手に入れたい方や、自分好みの仕様を確実に手に入れたい場合は並行輸入がおすすめです。アストラのグレード構成は以下の通りです。現在左ハンドル欧州仕様のオペル版および右ハンドル英国仕様のボクスホール版が5ドアハッチバックとスポーツツアラー共に展開されています。
グレード構成(左ハンドル欧州仕様:オペル)5ドアハッチバック/スポーツツアラー
- Elegance
17インチアルミホイール、フロントスポーツシート、デュアルゾーンオートエアコン、パワーウィンドウ、キーレスエントリー&スタート、前後パーキングアシスト付きパークパイロットなどが装備 - Business Elegance
(Eleganceに対して)スマートフォンワイヤレス充電、シートヒーター、ヒーテッドステアリング、クリーンキャビン(室内空気品質システム)などが装備 - GS Line
(Business Eleganceに対して)17インチブラックアルミホイール、カーボンブラックルーフ、ブラックヘッドライナー、アルミペダル、360度カメラ付きパークパイロットなどが装備 - Ultimate
(GS Lineに対して)18インチバイカラーアルミホイール、フロントスポーツシート、デュアルゾーンオートエアコン、キーレスエントリー&スタート、前後パーキングアシスト付きパークパイロットなどが装備
グレード構成(右ハンドル英国仕様:ボクスホール)5ドアハッチバック/スポーツツアラー
- DESIGN
16インチアルミホイール、PurePanelナビゲーション、電子制御オートエアコン、フロント、リアパーキングセンサー、レーンキーピングアシストなどが装備 - GS LINE
(DESIGNに対して)17インチアルミホイール、キーレスエントリー&スタート、ヒーテッドフロントシート、ダークリアガラス/テールゲート、ブラックルーフ、Intelli-Visionなどが装備 - ULTIMATE(5ドアハッチバックのみ)
(GS LINEに対して)18インチアルミホイール、デュアルゾーン電子制御オートエアコン、Intelli-HUD(ヘッドアップディスプレイ)、スマートフォンワイヤレス充電、ヒーテッドウィンドウなどが装備
フルモデルチェンジしたアストラのなかでもおすすめは、アストラ・スポーツツアラーの左ハンドル欧州仕様に対して、GS Lineにガソリン130PSユニットと6MTの組み合わせです。これは5ドアよりもさらに広いラゲッジスペースを持つコンパクトエステートのスポーツツアラーにスポーティな装いのGS Lineグレードを組み合わせて、プラットフォームを共有する兄弟車のように欧州でもMT仕様が設定されない車種があるなか、6MTとガソリン130PS仕様を選択しています。
この組み合わせはレジャーをはじめとする数々のアイテムを積み込み、キビキビとギアを選択して積極的にドライビングを楽しむという、生活に対してもクルマに対してもアクティブなユーザーに向けてのチョイスです。Cセグメントクラスの覇者であるゴルフに対して、「革新と前衛」で立ち向かうチャレンジングなモデルである新型アストラを、ひと足早く日本にお取り寄せしてみませんか。
- オペル アストラ・スポーツツアラー GS Line 1.2 Turbo 130PS 6MT(左ハンドル欧州仕様)
- ボクスホール アストラ DESIGN 1.2 Turbo 110PS 6MT(右ハンドル英国仕様)
ほかにも5ドアハッチバックや右ハンドル英国仕様、そして8速オートマチック仕様などの各仕様をはじめ、今後日本に導入されない仕様に対しても並行輸入可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
(€1=138/£1=160円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€30,630)\5,968,000
(現地値引き交渉前価格:£24,315)\5,648,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。