欧州最強のピックアップトラックとも言えるフォード レンジャー・ラプターは先代に引き続きウィズトレーディングでもお客様からの注目度が高い車種のひとつです。欧州市場で新型ラプターはベースとなるノーマルモデルに先駆けてリリースされていましたが、ようやくノーマルモデルも正式発表となりました。
今回はフォードのピックアップトラックであるフォード レンジャー(FORD Ranger)を解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
フォード レンジャーとは
レンジャーは、フォードのミドルサイズピックアップトラックです。ボディサイズは全長:5,370mm×全幅:2,015mm×全高:1,884mm(ミラー折り畳み時)と国産車ではトヨタ ハイラックスに近く、欧州で販売されるピックアップトラックでは標準的なサイズとなります。
レンジャーの名前は当初、1980年代に北米市場で販売されていたコンパクトピックアップに付けられていたもので、当時のブロンコやエクスプローラーなどSUVのベースにもなったモデルでした。現在欧州で販売されているレンジャーのルーツはこれとは異なり、2011年にデビューしたT6プラットフォームを採用したモデルになります。そのため、欧州ではレンジャーに対してこのモデルを初代としてカウントしているところもあります。欧州での初代レンジャーはピックアップトラックの需要が大きいタイで生産されたモデルで、2015年、2019年の2回フェイスリフトが行われました。そのなかでも2回目のフェイスリフトではフォードパフォーマンスが手掛けたハイパフォーマンスモデル「ラプター」仕様が北米市場で販売されているF-150に次いで追加され好事家から大きな支持を得ました。
現在販売されているのは欧州では2代目にあたるモデルです。2022年に先代モデルに引き続き設定されたラプター仕様が発表になったのち、ベースモデルであるノーマルモデルも追って発表となりました。合わせてデリバリーは2023年初頭の開始予定とアナウンスされています。
今回のモデルチェンジでは「Living the Ranger Life」をスローガンにオーストラリアを中心に開発されており、メーカーは新型モデルが「これまでで最もスマートで多機能かつ高性能なレンジャーである」とアピールしています。
プラットフォームは先代モデル同様T6プラットフォームを採用していますが、2代目モデルは、フォードがフォルクスワーゲンと商用車開発で提携したことにより、フォルクスワーゲンの新型アマロックが兄弟車になりました。
現時点で欧州市場で販売されているのはダブルキャブボディのみですが、タイをはじめとするASEAN諸国などではシングルキャブやエクストラキャブが設定されるほか、欧州市場に設定のないレンジャーベースのSUVとなるエベレストがラインナップされています。
日本市場にはかつてエクスプローラーのピックアップモデルが一時期販売されたことがありましたが、欧州市場向けレンジャーが正規導入された実績はありません。
ココがスゴイ!フォード レンジャー
フォード レンジャーを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 長年培ってきたピックアップトラックのノウハウを投入
- ハイパワーなV6エンジンや新設計の10速ATを採用
- 仕様に合わせて2種類のAWDシステムが設定
- オンロード/オフロードでの走行性能が向上
- ガソリンユニットや電動化ユニットが今後追加予定
スタイリングとインテリア
- F-150やブロンコにインスパイアされた武骨で力強いエクステリア
- トレッドが拡大し積載性能が向上
- 機能的で洗練されたインストメントパネル
- 最新のインフォテイメントシステムにアップデート
欧州市場で設定されるボディタイプは現時点でダブルキャブのみで従来モデルに設定されていたシングルキャブなどはありません。エクステリアのデザインは、従来モデルがフォードの乗用車を中心に採用していたキネティックデザインから一転、北米市場のF-150や復活したブロンコを彷彿とさせるボクシーで武骨なものになりました。迫力のある大型グリルとLEDを初採用したCクランプヘッドライトを組み合わせたフロントセクションからはじまり、ホイールアーチが強調されたサイド、レンジャーのネーミングがプレスされたテールゲートなど、ラプターではないノーマルモデルでも十分に力強い印象を与えます。
さらに今回のフルモデルチェンジではトレッドおよびホイールベースが拡大されたことで、デザインに安定感をもたらしたのに加え、荷台はユーロパレットがそのまま積み込められるようになり積載性能が向上しました。
インテリアは今回のフルモデルチェンジでインストルメントパネルのデザインが一新され、縦型の大型タッチスクリーンを中心にしたものになりました。質感も大幅に向上しており、乗用車としても十分なものにアップデートされたほか、WildTrakグレードでは各所に明るいオレンジ色のステッチが入り、合わせて助手席側のインストルメントパネルにはWildTrakのロゴが入ります。
質感だけでなく使い勝手も向上しており、センターコンソールの大型収納をはじめ、数々のアイテムが入るよう設計されたドアポケットやダッシュボード上の広いグローブボックスなど多くの収納スペースが用意されています。シート配列はダブルキャブの場合、2列5人乗りとなり、後席についても乗用車として十分に使える空間が確保されています。
ほかにも今回のフルモデルチェンジでは新たに各種情報が表示可能なフルデジタルメーターの採用や、従来モデルと比べて大幅に大型化された最大12インチのタッチスクリーンには最新のインフォテイメントシステムのSYNC4Aが組み合わされました。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ディーゼルの設定です。
- ディーゼル
2.0L 直4ターボ EcoBlue 170PS(125kw)/405Nm
2.0L 直4ツインターボ EcoBlue 205PS(151kw)/500Nm
3.0L V6ターボ EcoBlue 240PS(177kw)/600Nm
現時点で設定されるのは全てディーゼルのEcoBlueユニットなります。2.0L直4はシングルターボの170PS仕様とツインターボの205PS仕様が設定され、従来モデルのラプター(213PS)に迫る高出力となります。燃費性能は205PS仕様で11.3km/L(WLTP複合)です。今回のフルモデルチェンジでの注目は新たに採用されたV6ユニットです。3.0Lの大排気量と、このクラスでも今ではめずらしくなったマルチシリンダーとなるディーゼルユニットは滑らかな回転感覚に加え、車両重量のあるピックアップトラックに対しても余裕のある動力性能を生み出します。
ほかにもガソリンのEcoBoostユニットや電動化ユニットが今後追加予定と言われています。
駆動方式は全車AWDの設定で、トランスミッションは一部の仕様にコンベンショナルな6MTが設定されるほか、2ペダルは6ATに加えて、新たに電気式パーキングブレーキと共に採用された新開発のE-Shifterを備える10ATは、ギア比をより細かく設定することで、低回転域での牽引能力を向上させています。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:ダブルウィッシュボーン、リア:リーフスプリングの組み合わせです。従来モデルからトレッドとホイールベースを拡大した結果、前輪がフロント側にシフトすることでフロントのアプローチアングルの拡大と、リアダンパーの取付位置を改善することでコントロール性能が向上しています。
現在販売されるレンジャーの駆動方式は全てAWDになりますが、コンベンショナルなパートタイムAWDと、今回のフルモデルチェンジで新設計されたフルタイムAWDのe4WDがあります。電気式シフターのE-Shifter(10AT)と組み合わされるe4WDは設定の全てをタッチスクリーンで完結するため分かりやすく、路面状況を意識せずとも高い走破性を味わうことが可能です。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】5,370×2,015×1,884 mm(ミラー折り畳み時)
【ホイールベース】3,270mm 【トレッド】前/後:1,620 / 1,620mm
【車両重量】 2,436kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒ターボ DOHC16V フロント縦置き
【総排気量】-cc 【直径×内径】 -×-mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】205ps(151kw)/-rpm 【最大トルク】500Nm/-rpm
【燃料容量】-L
●駆動系
【駆動方式】AWD 【トランスミッション】10AT
【サスペンション】(前)ダブルウィッシュボーン / (後)リーフスプリング
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ベンチレーテッドディスク
【タイヤ】(前後)255/65R18
●パフォーマンス
【最高速度】-km/h 【0-100km/h加速】-秒
【燃費】約11.3km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2022モデル:£47,220
歴史とトリビア
フォード レンジャー関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- 欧州ではT6プラットフォームを初採用したモデルが初代モデルとして扱われる
- 現時点で欧州市場にはダブルキャブのみのラインナップ
- フォルクスワーゲン アマロックが新たに兄弟車に
- タイなどの市場にはシングルキャブやキングキャブボディも展開
- ほかにも欧州未導入のレンジャーをベースにしたSUVのエベレストもラインナップ
ライバル
欧州でも根強い需要のあるピックアップトラックですが、ライバルとして新たに兄弟車となったフォルクスワーゲン アマロックのほか、トヨタ ハイラックスやいすゞ D-MAXなど国産ブランドのモデルも長年大きな支持を得ています。
- トヨタ ハイラックス
- いすゞ D-MAX
- 三菱 L200
- フォルクスワーゲン アマロック
- メルセデスベンツ Xクラス(絶版)
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
さらに完成度が高まった新型レンジャーですが、フォードが日本のインポーター事業から撤退した現在、新型レンジャーが新たに正規で導入される可能性は残念ながら低いと予想されます。そのため、確実に手に入れるなら引き続き並行輸入がおすすめです。レンジャーのグレード構成は以下の通りです。現在左ハンドル欧州仕様および右ハンドル英国仕様共に設定されています。
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)
- Limited
18インチアルミホイール、LEDヘッドライト、ヒーテッドウィンドウ、リアプライバシーガラス、一体型リアステップ、10インチデジタルメーター、10インチタッチスクリーン、オフロードパッケージなどが装備 - WildTrak
(Limitedに対して)18インチWildTrak専用アルミホイール、アクセントカラー付きラジエターグリル、エンジンおよびタンクガード、ルーフレール、12インチタッチスクリーン、アンビエント照明、リアリミテッドスリップデフ、テクノロジーパッケージなどが装備
グレード構成(右ハンドル英国仕様)
- WildTrak
18インチWildTrak専用アルミホイール、アクセントカラー付きラジエターグリル、アクティブグリルシャッター、フロントフォグランプ、ルーフレール、プライバシーガラス、運転席パワーシート、運転席・助手席ヒーター、スポーツレザーステアリング、2ゾーンオートエアコン、12インチタッチスクリーン、LEDアンビエントライトなどが装備
新型レンジャーのオススメは右ハンドル英国仕様のWildTrakグレードに2.0L EcoBlueディーゼル 205PSと10ATの組み合わせです。右ハンドル仕様は日本でも運転しやすく、新開発の10ATと電子制御フルタイムAWDのe4WDは路面状況に問わず高い走破性を得られます。WildTrakグレードは各種専用アイテムを装備しており、従来モデルより武骨な方向に進化した新型レンジャーのコンセプトより感じられるチョイスです。
日本ではトヨタ ハイラックスが好調なセールスを記録していますが、欧州市場でベストセラーのレンジャーはフォードがもつピックアップの歴史およびノウハウが詰まった一台です。たくさんのワークツールを積み込んで仕事にも、レジャーアイテムを積み込んでアウトドアにも活躍してくれそうなこのピックアップトラックを欧州からお取り寄せしてみませんか。
- フォード レンジャー WildTrak 2.0EcoBlue 205PS 10AT(右ハンドル英国仕様)
- フォード レンジャー Limited 2.0EcoBlue 170PS 6MT(左ハンドル欧州仕様)
(€1=140/£1=165円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:£47,220)\10,416,000
(現地値引き交渉前価格:€52,467)\9,838,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。