日本ではあまり馴染みがないブランドとも言える東欧チェコのシュコダですが、欧州ではフォルクスワーゲングループのエンジニアリングをリーズナブルに提供するのに加えて、ラリーフィールドでの活躍や、近年は質感が大幅に向上するなどで大きな支持を得ています。そのなかで基幹モデルといえる一台の完成度がさらに高まりました。
今回はシュコダのハッチバックおよびワゴンモデルのオクタビア(SKODA Octavia)のフェイスリフトした新型モデルを解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
シュコダ 新型オクタビアとは
オクタビアはシュコダのCセグメント級のボディサイズをもつハッチバック/ワゴンモデルです。ボディサイズは全長:4,698mm×全幅:1,829mm×全高:1,470 mm(ハッチバック:ミラー部分を含まず)と国産車ではトヨタ カローラやマツダ 3に近いサイズです。
オクタビアの名前は1950年代にシュコダがラインナップしていたセダン/ワゴンモデルに使われていましたが、生産終了後しばらく後継車種は出ませんでした。
1990年代にシュコダがフォルクスワーゲンの傘下に入り、1996年に再びオクタビアの名前が復活しました。このモデルが事実上現在販売されているオクタビアの初代モデルとされています。フォルクスワーゲン ゴルフをベースに5ドアハッチバックとワゴンがラインナップされ、ユーティリティ性の高さとリーズナブルな価格から市場では大きな支持を得ました。ホットモデルの「RS(英国市場ではvRS)」は初代から設定され、WRCなどにも参戦しました。
その後、2004年デビューの2代目、2012年デビューの3代目共に市場で高評価を得た結果、現在まで世界60か国以上/700万台以上の販売実績をもつ同社の基幹車種となりました。
2019年にデビューした4代目は従来モデルと比較して質感が大幅に上がり、最新のシュコダ車に共通するデザイン要素の採用や、同車初となるプラグインハイブリッド仕様のオクタビアiVがラインナップされました。
2024年にはフェイスリフトが行われ、現在販売されているモデルとなります。エクステリアやインテリアの各所がアップデートされたほか、48Vマイルドハイブリッド仕様が新たに追加されました。チェコの工場で生産され、プラットフォームを共有する車種にはフォルクスワーゲン ゴルフや、セアト レオンなどがあります。歴代モデルに設定されるホットモデルのRSは今後発売予定とアナウンスされています。(2024年5月現在)
欧州各国で好調な販売実績を上げるオクタビアですが、日本市場に正規導入された実績はありません。
ココがスゴイ!シュコダ 新型オクタビア
シュコダ 新型オクタビアを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 特徴的な5ドアハッチバックとワゴンのボディタイプを設定
- 48Vマイルドハイブリッドシステムを初採用
- Simply Cleverのコンセプトをオクタビアにも適用
- 将来的にはAI機能のChatGPTが統合される予定
- ハイパフォーマンス仕様のRSは今後追加予定
スタイリングとインテリア
- よりダイナミックにブラッシュアップされたエクステリア
- マトリクスLEDヘッドライトは第二世代にアップデート
- 持続可能な素材を使用したインテリア
- 人間工学と機能性を組み合わせたインテリア装備類
ボディタイプはオクタビアが復活して以降受け継がれている、一見セダンに見えつつも大きなハッチバックをもつ特徴的な5ドアハッチバックと、ワゴン(左ハンドル欧州仕様はCombi/右ハンドル英国仕様はEstate)の2種類が設定されています。
今回のフェイスリフトでは、新たにフォルクスワーゲン同様に2Dにリニューアルされたシュコダの新ロゴエンブレムを取り込み、クローム部分が増えたフロントグリルの採用のほか、新設計されたフロント/リアバンパーはダイナミックな印象を与えています。従来モデルで初採用されたLEDマトリクスヘッドライトは、新たにクリスタリニウムエレメントを採用し、LEDセグメントが36個に増やされた第二世代のユニットにアップデートされ、対向車や歩行者に対して眩しさを抑ええつつも、より明るくなりました。
今回のフェイスリフトでは、化学薬品の代わりにコーヒー殻で鞣(なめ)したレザーやリサイクル素材の生地など、持続可能な素材をシートやインストルメントパネル、ドアパネルなどに採用しました。環境に対してやさしいアイテムを使いつつも、オクタビアではじめて設定されたタンカラーのインテリアなど従来モデルと比べてさらに質感高く仕上がっています。シートは人間工学に基づいた設計がされており、シートベンチレーションやマッサージ機能が備わるAGR認定(ドイツ脊椎健康推進協会品質認定)のErgoコンフォートシートも選択可能です。
これらに加えて近年シュコダが掲げる「SimplyClever」コンセプトが新たにオクタビアにも適用されました。シュコダ車で特徴的なアイテムのひとつであるドアに収納可能な専用の傘以外にも、自動格納式ラゲッジコンパートメントカバーやフロントシートバックのタブレットホルダー、寒冷地で役に立つ給油口フラップに備わるスクレーパーなど日常生活を快適にする実用的なアイテムが装備されています。
デジタル面では、10インチのバーチャルコックピットには新たにヘッドアップディスプレイが設定されるほか、13インチに拡大されたタッチスクリーンに組み合わされるインフォテインメントシステムは再設計され、将来的にAI機能のChatGPTが統合されるとアナウンスされています。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ガソリン、マイルドハイブリッド、ディーゼルが設定。
- ガソリン
1.5L 直4ターボ TSI 116PS(85kw)/220Nm
1.5L 直4ターボ TSI 150PS(110kw)/250Nm - ガソリンマイルドハイブリッド
1.5L 直4ターボ+電気モーター 48Vマイルドハイブリッドシステム TSI mHEV 116PS(85kw)/220Nm
1.5L 直4ターボ+電気モーター 48Vマイルドハイブリッドシステム TSI mHEV 150PS(110kw)/250Nm - ディーゼル
2.0L 直4ターボ TDI 116PS(85kw)/300Nm
2.0L 直4ターボ TDI 150PS(110kw)/360Nm
ガソリン仕様は、日本にもフォルクスワーゲンのモデルで導入される気筒休止機能付きの1.5L直4ターボのTSIユニットが設定されています。オクタビア初となる48Vマイルドハイブリッド仕様は、このTSIユニットに電気モーターが組み合わされ、ディーゼルは2.0L直4ターボのTDIユニットが設定されています。
これらガソリン/マイルドハイブリッド/ディーゼルのそれぞれに116PSと150PSの2種類のチューニングが用意されており、全てのユニットでEuro6eに準拠しています。燃費性能はガソリン1.5L TSI 150PS仕様の欧州複合で18.8km/Lです。
現時点(2024年5月現在)の駆動方式はFFのみで、今後AWD仕様も追加予定とアナウンスされています。トランスミッションは6MTを中心に2ペダルデュアルクラッチトランスミッションのDSGがマイルドハイブリッドとディーゼルに設定されています。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:マクファーソンストラット、リア:トーションビームを採用しています。兄弟車のゴルフと同じ構成ですが、シュコダ独自のセッティングがされているほか、ドライバーの好みに合わせて設定できるDCC(Dynamic Chassis Conetol)も一部仕様で選択可能です。
安全装備については、最大10個のエアバッグや衝突被害軽減ブレーキのほか、疲労検出アシストはドライバーの行動を追跡して疲労度を測定する新たなアルゴリズムにアップデートされました。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,698×1,829×1,470 mm(ミラー部分を含まず)
【ホイールベース】2,686mm 【トレッド】前/後:1,543 / 1,535mm
【車両重量 -kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒ターボ DOHC16V フロント横置 気筒休止機構付
【総排気量】1,498cc 【直径×内径】-×-mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】150ps(110kw)/5000-6000rpm 【最大トルク】250Nm/1500-3500rpm
【燃料容量】45L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】6MT
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)トーションビーム
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)-/-R-
●パフォーマンス
【最高速度】229km/h 【0-100km/h加速】8.5秒
【燃費】約18.8km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2024モデル:€33,400
歴史とトリビア
シュコダ 新型オクタビア関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- フォルクスワーゲン傘下に入りオクタビアの名前が復活
- 1950年代のオクタビア以降すべての世代でワゴンボディを設定
- 世界60か国/700万台以上の販売実績のあるシュコダの基幹モデル
- 欧州で最も人気のあるワゴンモデル(2016年以降)
- WRCや欧州ツーリングカー選手権にも参戦
ライバル
欧州Cセグメント級のモデルは、長年のベストセラーであるフォルクスワーゲン ゴルフをはじめ、プラットフォームを共有する兄弟車以外にも多くのメーカーが基幹モデルをラインナップするホットな市場です。そのなかでも近しいライバルとしてステランティス入りしてオクタビア同様に質感が大幅に向上したオペル/ボクスホール アストラを挙げます。
- オペル/ボクスホール アストラ
- フォルクスワーゲン ゴルフ
- セアト レオン
- シトロエン C4
- プジョー 308
- トヨタ カローラ
- マツダ 3
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
欧州では大きな支持を得ているオクタビアですが、日本ではシュコダブランドが展開されてないことに加えて、フォルクスワーゲングループ内で競合する車種が既に展開されているため、新型モデルが正規導入される可能性は今後も残念ながら低いと予想されます。そのため、確実に手に入れるなら引き続き並行輸入がおすすめです。新型オクタビアのグレード構成は以下の通りです。現在左ハンドル欧州仕様、右ハンドル英国仕様共に設定されています。
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)
- Selection
17インチアルミホイール、LEDヘッドライト/リアライト、2スポークマルチファンクションレザーステアリング、フロントシートヒーター、2ゾーンオートエアコン、デジタルコックピットプラス、10インチタッチスクリーン、ワイヤレススマートリンク(AppleCarPlay/AndroidAutoワイヤレス接続対応)、フロント/リアパーキングセンサー、クルーズコントロールなどが装備 - SpoltLine
(Selectionに対して)18インチアルミホイール、ブラックアウトされたラジエーターグリル/リアスポイラーリップ/リアディフューザー、リアプライバシーガラス、レザー/ファブリックインテリア、ダークカーボン&ピアノブラック装飾モールディング、3スポークマルチファンクションレザーステアリング、プログレッシブステアリング、フロントヘッドレスト一体型スポーツシートなどが装備
グレード構成(右ハンドル英国仕様)
- SE Technorogy
16インチアルミホイール、LEDヘッドライト/リアライト、クロームフロントグリル、電動格納ヒーテッドドアミラー、フロントシートヒーター、マルチファンクションレザーステアリング、2ゾーンオートエアコン、バーチャルコックピット、13インチタッチスクリーン、ワイヤレススマートリンク(AppleCarPlay/AndroidAutoワイヤレス接続対応)、フロント/リアパーキングセンサー、キーレス、クルーズコントロールなどが装備 - SE L
(SE Technorogyに対して)17インチアルミホイール、アニメーション機能付きLEDリアウインカー、リアプライバシーガラス、ヒーテッドフロントウィンドウ、フロントドアのロゴプロジェクション(ウェルカム機能)、マイクロスエード/フェイクレザーインテリア、アンビエントライティング、ドライブモードセレクトなどが装備 - SportLine
(SE Technorogyに対して)18インチアルミホイール、メタリックペイント、ブラックスポーツスタイリング、グロスブラックスポイラー/ルーフレール(エステートのみ)、クロームエクゾーストテールパイプ、フロントドアのロゴプロジェクション(ウェルカム機能)、レザー/ファブリックインテリア、3スポークマルチファンクションレザーステアリング、カーボン装飾インテリア、アンビエントライティング、アルミニウムペダル、ドライブモードセレクト、リアビューカメラなどが装備
新型オクタビアのオススメは、左ハンドル欧州仕様の5ドアハッチバック、Selectionにガソリン1.5L TSI 150PSと6MTの組み合わせです。4ドアセダンのフォーマルさとハッチバックのユーティリティを兼ね備えた5ドアハッチバックに、Selectionはベーシック仕様ですが17インチアルミホイールや2ゾーンオートエアコン、スマートフォンのワイヤレス接続(AppleCarPlay/AndroidAuto)など装備が充実しています。1.5L TSIと6MTの組み合わせは積極的に運転を楽しめて燃費もよく、新型オクタビアをお求めやすく味わえるチョイスです。さらなるラゲッジ空間がご希望のユーザーにはワゴンボディの選択もよいでしょう。
従来モデルよりもさらに質感高くより便利に進化した新型オクタビア。一般的なCセグメントハッチバックとはひと味違うこの一台を欧州からお取り寄せしてみませんか。
- シュコダ オクタビア Hatch Selection 1.5TSI(150PS) 6MT(左ハンドル欧州仕様)
- シュコダ オクタビア Combi Selection 2.0TDI(150PS) DSG(左ハンドル欧州仕様)
- シュコダ オクタビア Hatch SE Technorogy 1.5TSI(116PS) 6MT(右ハンドル英国仕様)
- シュコダ オクタビア Estate SE L 2.0TDI(150PS) DSG(右ハンドル英国仕様)
ほかにもワゴンボディや日本でも乗りやすい右ハンドル英国仕様、TDIディーゼル仕様、2ペダルのDSG仕様なども並行輸入可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
これに加えて今後追加予定のAWD仕様や伝統のホットモデルであるRSも発売開始次第並行輸入できると思われますのでご希望の方はこちらもお気軽にお問い合わせください。
(€1=155/£1=185円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€33,400)\6,987,000
(現地値引き交渉前価格:€38,430)\8,195,000
(現地値引き交渉前価格:£25,890)\6,634,000
(現地値引き交渉前価格:£35,115)\8,786,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。
オクタビア伝統のホットモデル「RS」も今後追加予定
フォルクスワーゲン傘下に入ってオクタビアが復活して以降、ハイパフォーマンスなホットモデル「RS(英国はvRS)」が各世代にラインナップされてきました。新型オクタビアについても今後追加予定とメーカーからアナウンスされています。
新型オクタビアで最強となる265PSを出力する2.0L TSIガソリンターボを採用し、リニューアルされたRSロゴが入るフロントグリルをはじめ、フロントバンパーやサイドウィンドウトリム、リアディフューザーおよびテールパイプなど専用エクステリアパーツを装備し、インテリアにもホールド性の高い専用スポーツシートなどが採用されており、ドライバーのスポーツマインドを大きく刺激します。ラリーフィールドなどで培ったシュコダのノウハウをフィードバックした発売が待ち遠しい一台です。