ルーマニアの自動車メーカー「ダチア(Dacia)」。日本には正規輸入されたことがありませんが、“ルノー・日産・三菱アライアンス”に属し日本にも縁のある会社です。
今回は、そんなダチアの人気SUV「ダチア ダスター(Dacia Duster)」について詳しく解説します。
ダチア ダスターとは?
まずは、ダチア ダスター(Dacia Duster)がどんなクルマか見ていきましょう。
・メカニズムはルノー・日産と共通
・サイズはC-HRやデュアリスくらい
・安価でも安全装備はケチっていない
・立派になったが”道具感”は健在
ダスターは欧州で人気のSUV
ダスターはダチアで唯一のSUVです。初代モデルは2010年、現行の2代目モデルは2018年に発売され、生産は南ルーマニアのダチア・ミオヴェニ(Mioveni)工場で行われています。
欧州での販売台数はVW ティグアンに次ぐSUV部門4位(2019年3月データ)。圧倒的なコストパフォーマンスが欧州の先進国でも認められ、人気SUVとなっています。
ダスターとサイズが近い日本車はC-HR・デュアリス
ダチア ダスターのボディサイズは、かつて日本で販売されていた日産 デュアリス(初代キャシュカイ)や、トヨタ C-HRと近い大きさです。
全長 | 全福 | 全高 | |
---|---|---|---|
C-HR | 4,360mm | 1,795mm | 1,565mm |
ダスター | 4,315mm | 1,822mm | 1,625mm |
デュアリス | 4,315mm | 1,780mm | 1,615mm |
C-HRやデュアリスは日本でも人気のモデル。ダスターも日本の道で扱いやすいサイズと言えそうです。
注目は、C-HRとデュアリスはCセグメント用のプラットフォームを使うのに対し、ダスターはBセグメント用のプラットフォームを使っていることです。
同じような大きさですが、厳密にはクラスが異なることがわかります。
ダチア ダスターのメカニズム
次に、ダスターのメカニズムについて詳しく見ていきましょう。
プラットフォームはルノー・日産譲り
ダチア車は、ルノー・日産で実績のあるメカニズム・パーツを流用して作られています。これは、コストパフォーマンスと信頼性を両立する有効な方法です。
2代目ダスターのプラットフォームは、初代に続きダチアB0プラットフォーム(Dacia B0 platform)を使用しています。
これは日産ジュークやNV200でも使用している、日産・ルノーB0プラットフォームの派生版です。
エンジンもルノー・日産と共通
ダスターのエンジンは以下の7種類で、変速機はすべてマニュアルです。
燃料 | 排気量 | エンジン形式 | 最高出力/最大トルク | 変速機 | |
---|---|---|---|---|---|
TCe 100 | ガソリン | 999cc | 直列3気筒ターボ | 101ps/260Nm | 5MT |
SCe 115 | ガソリン | 1598cc | 直列4気筒NA | 115ps/156Nm | 5MT |
TCe 130 | ガソリン | 1332cc | 直列4気筒ターボ | 131ps/240Nm | 6MT |
TCe 150 | ガソリン | 1332cc | 直列4気筒ターボ | 150ps/240Nm | 6MT |
TCe 150(4WD) | ガソリン | 1332cc | 直列4気筒ターボ | 150ps/250Nm | 6MT |
dci 95 | 軽油 | 1,461cc | 直列4気筒ターボ | 95ps/240Nm | 6MT |
dci 115 | 軽油 | 1,461cc | 直列4気筒ターボ | 116ps/260Nm | 6MT |
シャシー・サスペンション・ブレーキ
サスペンンションとブレーキは以下のとおりで、実用車としてごく標準的な仕様です。
サスペンション | ブレーキ | |
---|---|---|
フロント | マクファーソン・ストラット | ディスク |
リア | トーションビーム | ドラム |
駆動方式はFFもしくは4WD。4WDは、TCe100とdci 95を除くグレードで選択できます。(販売国によって組み合わせが異なります)
4WDシステムは「2WD・4WD・LOCK」の3つのモードを選べるタイプで、4WDモードでも通常時は前輪駆動で走行します。
安全性能は全グレード共通
ダスターの安全装備は、グレードによる差がありません。
全車標準装備
- 運転席&助手席エアバッグ
- 前後席カーテンエアバッグ
- 横滑り防止装置(ヒルスタートアシスト付き)
- オートハイビーム
- ISO-FIX対応シート(センターを除く後部座席)
- 後席ヘッドレスト×3
ただし、自動ブレーキ・車線逸脱防止システムがないこともあって、EURO NCAPは3つ星に留まります。
ダチア ダスターの魅力
では、2代目ダチア ダスターの魅力はどんなところにあるのでしょうか。
初代より品質感が向上し、スタイリッシュに
初代ダスターの簡素さと比べて、2代目ダスターは立派になりました。ベースとなるルノー車がプレミアム路線を歩めば、ダチア車も連動して立派になる…というわけです。
極東の自動車マニアからすれば「あの質素さがよかった」とも思うのですが、実際に使う欧州のユーザーにとって、少々質素すぎたのかもしれません。(実際、豪華な特別仕様車が人気でした)
とはいえ、他社のSUVに比べればシンプルで、価格はリーズナブルです。ダチアにとって重要な部分は失われていません。
クロスオーバーSUVにはめずらしい”道具感”がある
立派になったダスターですが、“大人4人とその荷物を積んで無理なく走れて、雪道や砂利道でも気を使わなくていい実用車”であることに変わりはありません。
道具として使い倒せる系のクロスオーバーSUVって、実は少ないですよね。
プレミアム路線で肥大化したクロスオーバーSUVが多いなかで、ダスターはシンプル&リーズナブル。その存在は清涼感すら感じさせます。
例えば、ジムニーの道具感に惹かれるけれど、4人乗りが必要だから手が出せない…という人にも響くかも。最低地上高に余裕のある実用車を探している人におすすめです。
ダチア ダスターに日本で乗るには
日本に正規輸入されていないダチア ダスターに乗るにはどうしたらよいのでしょうか?
日本にダチアのディーラーはない。輸入が必要
ダチアは日本に正規輸入されていないので、正規ディーラーが存在しません。
そのため、日本でダチア車に乗る場合はディーラーに行って購入するのではなく、「個人的に輸入を行う」か「並行輸入を行なっている業者から購入」する必要があります。
With Carsではダチア ダスターの並行輸入を承ります
もし、日本でダチア ダスターに乗りたくなったら、With Carsにご相談ください。ヨーロッパで販売されているグレード・好みのオプションを組み合わせて日本に輸入します。
保証についての詳しい内容はこちら
With Carsがおすすめするダスターはこんな仕様
豪華なSUVは日本にもたくさんあります。わざわざダチアを輸入して乗るなら「道具感」や「清貧さ」を味わえる仕様はいかがでしょうか。
エアコンが装備されるのは下から2番目の”Essential”グレードから。FFでOKなら、その中でもっともリーズナブルな英国仕様の「Essential SCe 115 4×2(£11,700〜)」をおすすめします。
車重が1.2tを切るのでパワーは足りますし、日本で実績のあるエンジン、しかもタイミングチェーン式なので安心感があります。
なお、英国仕様の4WDはディーゼルとの組み合わせがメインです。しかし、ディーゼルの排ガス検査のコストが高騰しており、安価なダチアには特におすすめできません。
そこで、4WDならドイツ仕様の「Comfort TCe 130 4WD(€17.450〜)」がおすすめです。英国仕様ではガソリン4WDは高価な”Prestige”グレードからですが、ドイツ仕様ならその下の”Comfort”グレードから選べます。
(1ポンド=135円時・値引き交渉前価格)
(値引き交渉前現地価格:£11,700)\2,976,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。
ディーゼル車をご希望の方へ
参考乗出し価格が掲載されていない場合には、別途お見積りいたしますのでお問合せ下さい。
なお、ディーゼル車を取り巻く環境は年々厳しくなっています。ディーゼルエンジン搭載車をご希望の場合には以下の記事もご覧ください。