日本で復活したトヨタ ハイラックスが好調なセールスを記録しています。しばらく空白の市場となっていたピックアップトラックの再ブレイクは、キャンプなどのアウトドアブームが後押ししているように感じます。
一方、欧州ではピックアップトラックは長年根強いニーズがあり、多くのメーカーがラインナップしています。そのため日本に導入されていないモデルが多くありますが、そのなかでも「最強の一台」とも言えるモデルがフルモデルチェンジでさらなる進化を遂げました。今回は、フォード レンジャー(Ranger)をベースにしたハイパフォーマンスモデルのレンジャー・ラプター(FORD Ranger Raptor)を解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
フォード レンジャー・ラプターとは
フォード レンジャー・ラプターはフォードの欧州でミドルクラスにあたるピックアップトラック「レンジャー」をベースとしたハイパフォーマンスモデルとなります。ボディサイズは全長:5,381mm×全幅:2,015mm×全高:1,922mm(ミラー折り畳み時)と、国産車ではトヨタ ハイラックス、そして日本未導入のいすゞ D-MAXに近いサイズとなります。
レンジャー・ラプターとして初代にあたるモデルは、2018年のタイ・バンコクモーターショーで発表され、同年欧州でも販売開始されました。ラプターの名前のルーツは、フォードが北米市場で展開するフルサイズのピックアップトラック「F-150」をベースにオフロードでの走りに特化したチューニングを行い「F-150・ラプター」とネーミングしたモデルとなります。北米以外で乗るには巨大で堂々とした体躯を持ったモデルであり、これを欧州向けに解釈して作られたのが「レンジャー・ラプター」です。開発はフォードのハイパフォーマンスモデルを開発するプロ集団である「フォードパフォーマンス」が手掛けており、ベースモデルに対して獰猛な存在感と高いパフォーマンスを手に入ました。欧州市場のピックアップトラックは、タフさをアピールするモデルが多かったなか、ハイパフォーマンスをアピールするレンジャー・ラプターは稀有な存在として欧州の熱狂的なオフロード愛好家に歓迎されました。
今回紹介するモデルは、2022年に発表されたレンジャー・ラプターとしては二代目にあたるモデルで欧州ではベースとなる新型レンジャー(通常仕様)に先駆けて発表となりました。二代目モデル同様、フォードパフォーマンスが手掛けたこのモデルは「本物のパフォーマンス・トラックを提供すること」を念頭に開発され、「砂漠を支配し、山をマスターする真の好事家のための一台である」とメーカーはコメントしています。
日本市場には歴代レンジャーが正規導入された実績はなく、レンジャー・ラプターも導入された実績はありません。しかし日本でも注目されたお客様は多く、ウィズトレーディングでは先代レンジャー・ラプターを並行輸入した実績があります。
フォード レンジャー・コンセプト紹介動画(約2分)
ココがスゴイ!フォード レンジャー・ラプター
フォード レンジャー・ラプターを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- フォードのスペシャリティ集団「フォード・パフォーマンス」が開発
- V6 EcoBoostユニットを新採用し従来モデルより大幅な出力向上
- さまざまな路面に対応した7種類のドライブモード
- クラス唯一の電子制御アクティブエキゾーストシステムの採用
- インフォテインメントシステムは最新のFORD SYNC4Aにアップデート
スタイリングとインテリア
- より武骨に力強く進化したエクステリア
- さらに大型化された印象的なフロントグリル回り
- 戦闘機をイメージしたインテリア
- 快適性とサポート性を高めた新設計の専用シート
レンジャー・ラプターのボディタイプはダブルキャブのみの設定で、今後発売予定となる通常版レンジャーに設定されるシングルキャブや延長されたキャブの設定はありません。
今回のフルモデルチェンジではベースとなるレンジャー自体がより四角く武骨な雰囲気になりましたが、そのなかでも大きく変わったのがフロント周りです。より大きく力強いインパクトを与えるフロントグリルは大型化され、これを囲むように配置されたCの字型のヘッドライト(欧州左ハンドル仕様はLEDマトリクスヘッドライトが標準装備)が印象的です。さらにラプターのアイコンのひとつとも言えるフロントグリルの「FORD」のレタリングも従来モデルより大きくなりました。ほかにもラプターを印象付けるオーバーフェンダーは引き続き採用され、17インチの専用アルミホイールに組み合わされる大きく筋肉質なオールテレーンタイヤを包み込みます。
インテリアは大画面の縦型タッチスクリーンを中心としたインストルメントパネルをはじめ、印象的なのは各所に入れられたオレンジ色の差し色です。このオレンジ色の差し色はラプターが武骨なだけでなく、スポーティな要素を含んでいることをアピールしているように感じます。ほかにも、このカラーリングを採用したロゴ入り専用設計のシートは戦闘機をイメージしたと言われており、このクラスではめずらしいスポーティな印象です。快適性を高めると共に、高速コーナリング時のサポート性も高められています。
インフォテイメントシステムは、12インチクラスの縦型大画面タッチスクリーンにフォード最新のSYNC4Aが組み合わされます。日本で使うのに便利なスマートフォン接続機能(AndroidAuto/AppleCarPlay)のほか、後述のドライブモードに関する詳細設定も表示可能です。オーディオもハイエンドオーディオブランドであるB&Oが手掛けた10スピーカーのサウンドシステムも用意されています。ハイエンドオーディオとオフロード走行は一見相反するベクトルのようにも感じられますが、どんな状況下でも素晴らしいリスニング環境を提供します。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ガソリンとディーゼルが設定されています。
- ガソリン
3.0L V6 ターボ EcoBoost 292PS(215kw)/491Nm - ディーゼル
2.0L 直4 ターボ EcoBlue 210PS(154kw)/500Nm
ガソリンは新設計のV6 3.0LのEcoBoostユニットなります。これはフォードパフォーマンスがチューンした最新ユニットで、ツインターボを採用し欧州クラス最強の292PSの出力し、エンジンブロックにコンパクテッド黒鉛鋳鉄を採用することで75%の強度及び剛性向上を実現しています。合わせてフォードGTやフォーカスSTなどのハイパフォーマンスモデルに搭載されるアンチラグシステムを新たに採用しました。これはドライバーがスロットルオフした際に最大3秒間ターボチャージャーの回転を維持するもので、素早く次の加速に備えることが可能です。燃費性能について欧州複合値は公開されておりません。ディーゼルは最新の直4 2.0LのEcoBlueユニットが設定されています。最高出力は210PSとガソリンユニットには及びませんが、500Nmという強大なトルクを出力するのがポイントです。
駆動方式はAWDで、トランスミッションは鋳造マグネシウムのパドルシフター付き10速ATが組み合わされます。
走行性能とハンドリング
サスペンションは、ラプターのポイントのひとつで、FOXショックと呼ばれる軽量なアルミ製アッパー/ロアコントロールアームやロングトラベルサスペンションを採用しています。これは高性能オフローダーとして過酷な状況でも対応できるように完全再設計された専用アイテムです。これに加え、屈強な専用シャーシの採用やCピラーをはじめとするボディ各所の補強のほか、電子制御のオンデマンド2速トランスファーとフロント/リア・ロッキング・ディファレンシャルを組み合わせた新開発のAWDシステムを採用し、力強い走りと高い走破性を実現しています。
新型ラプターでは、あらゆる路面にも対応するために、7つのモードが選択可能なドライブモードを搭載しています。エンジンやトランスミッションのレスポンスやステアリングの感度だけではなく、エキゾーストに対しても細かく設定をすることが可能です。走りを楽しむときには存在感のある獰猛なエキゾーストを奏でる一方、早朝や深夜の住宅街では静かにする配慮も可能です。用意される設定のなかでも、特に目を引く「Baja」モードは、全てに対して最大限の性能を発揮する設定で、オフロード走行時のみ選択可能です。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】5,381×2,015×1,922 mm(ミラー折り畳み時)
【ホイールベース】3,270mm 【トレッド】前/後:1,710 / 1,710mm
【車両重量 1,550kg
●エンジン
【構成】水冷V型6気筒ツインターボ DOHC24V フロント縦置き 気筒休止機構付
【総排気量】-cc 【直径×内径】 -×-mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】292ps(215kw)/-rpm 【最大トルク】491Nm/-rpm
【燃料容量】-L
●駆動系
【駆動方式】AWD 【トランスミッション】10AT
【サスペンション】(前)- / (後)-
【ブレーキ】(前)- / (後)-
【タイヤ】(前後)285/70R17
●パフォーマンス
【最高速度】-km/h 【0-100km/h加速】-秒
【燃費】約-km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2022モデル:€77,338
歴史とトリビア
フォード レンジャー・ラプター関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- ラプターの名前は猛禽類(鷲や鷹など)を指す言葉を語源としている
- ラプターのルーツは北米のF-150・ラプターにある
- 2018年に欧州市場のレンジャーにもラプター仕様が初設定
- 泣く子も黙る巨体と武骨さを持ったF-150・ラプターを欧州市場向けに解釈したモデル
- 最近では復活したブロンコにもラプター仕様が設定
ライバル
欧州では日本市場よりも多くのピックアップトラックがラインナップされていますが、レンジャー・ラプターのようにパフォーマンスを追求したピックアップは少ないです。そのなかでも近しいライバルとして、欧州のハイパフォーマンストラックを造るプロ集団「ARCTIC TRUCKS」が出がけたスペシャルトラック、いすゞ D-MAX AT35と、英国トヨタ経由でハイパフォーマンス架装が可能なトヨタ ハイラックス AT35を挙げます。
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
欧州でもオフロード愛好家から大きな支持を得て、日本でも注目するユーザーがいるレンジャー・ラプターの新型モデルですが、フォードが日本のインポーター事業から撤退した現在、レンジャー・ラプターが新たに正規で導入される可能性は残念ながら低いと予想されます。そのため、確実に手に入れるなら引き続き並行輸入がおすすめです。レンジャー・ラプターのグレード構成は以下の通りです。現在左ハンドル欧州仕様および右ハンドル英国仕様が発売予定とされておりますが、共にモノグレードの展開です。
グレード構成(左ハンドル欧州仕様/右ハンドル英国仕様共に)
- RAPTOR
17インチ専用アルミホイール+オールテレーンタイヤ、FOXショック、専用AWDシステム、スチール製エンジンおよび燃料タンクガード、ヒーター付きロゴ入り専用シート(運転席/助手席)、後席吹き出し口付きフルオートエアコン、12インチデジタルメーター、12インチタッチスクリーン+FORD SYNC4Aシステム、専用パフォーマンスサスペンションなどが装備
さらにパフォーマンスが向上した新型レンジャー・ラプターですが、現時点ではモノグレードのため、基本的に左ハンドル欧州仕様か、それとも右ハンドル英国仕様かのハンドルの位置による選択になります。そのため、オーナーの好みに合わせたハンドル位置で選んで頂いてよいでしょう。現時点(2022年6月現在)で発表されている価格が左ハンドル欧州仕様と右ハンドル英国仕様で大きく差がありますが、仕向け地により装備が異なり、左ハンドル欧州仕様の装備が充実しているためとなります。
本物のパフォーマンス・トラックを提供することを念頭に開発された新型レンジャー・ラプターは、真の好事家もきっと満足して頂ける本格的な一台。どんな天候や路面状況でも力強い走りを提供するこのハイパフォーマンス・トラックをいち早く日本に取り寄せしてみませんか。
- フォード レンジャー・ラプター 3.0L EcoBoost 10AT(左ハンドル欧州仕様)
- フォード レンジャー・ラプター 3.0L EcoBoost 10AT(右ハンドル英国仕様)
今回発表になった新型レンジャー・ラプターのV6 EcoBoostガソリン仕様のほか、2023年に追加されるEcoBlueディーゼル仕様をご希望の方は発売開始され次第並行輸入可能です。合わせて今後追加予定の新型レンジャーの通常グレードについても同じく発売され次第並行輸入できますので、お気軽にお問い合わせください。
(€1=135/£1=160円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€77,338)\13,047,000
(現地値引き交渉前価格:£56,400)\11,380,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。
初代モデルのレンジャー・ラプターも今ならまだお探しできます!(お問合せください)
新型レンジャーのEcoBlueディーゼル仕様は2023年に追加となる予定ですので、ディーゼル仕様のハイパフォーマンストラックをお求めの方や、従来モデルのデザインがお好みの方は、初代モデルのお取り寄せも可能です。
現時点では市場在庫のみとなりますが、まだ新しくデリバリーマイレージのように走行距離が少ない物件もありますので、お気軽にお問い合わせください。初代モデルのレンジャー・ラプターの詳細情報は以下ページでも紹介されておりますのでご参照ください。