ウィズカーズでも多くのお問合せを頂いている新型ジュークや、最近発売開始になった新型キャッシュカイなど、日本には導入されない欧州日産のモデルがいくつもあります。そして魅力ある日本未導入モデルがまた一台、欧州にて新型に切り替わり各所がアップデートされました。
今回は欧州で販売される日産のLCV、NV300(NISSAN NV300)/プリマスター(NISSAN Primaster)の2021年にモデルチェンジした最新仕様について乗用モデルを中心に解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
日産 NV300(プリマスター)とは
日産 NV300(プリマスター)は、日産の全長5mクラスの中型LCVモデルです。大きさは全長:5,080mm×全幅:1,956mm×全高:1,935mm(ショートホイールベース仕様:L1)と、国産車ではトヨタ ハイエースワゴンや日産 NV350キャラバンワゴンの標準仕様より大きく、日産の最上級ミニバンのエルグランドをも上回る堂々とした体躯です。
その後2016年にはモデルチェンジのタイミングで日産LCVのネーミングルールに則った「NV300」に変更。商用バンのNV300とミニバン的な快適性を持った乗用版はNV300コンビのネーミングで展開され、NV300コンビは2021年に内外装をはじめ大きく手が入れられたフェイスリフトを実施しました。兄弟車にはベースとなるルノー トラフィックをはじめ、フィアット タレント、そして最近では豪州仕様に三菱 エクスプレスも追加されています。
今回フェイスリフトされたNV300コンビに対してメーカーは、「従来モデルは大家族や送迎用途などプロユースにマッチしたモデルであったが、新型はプロユースだけでなく”スマートで快適性を備えたミニバン的なピープルムーバーとして進化した”」とアピールしています。
2021年秋には弟分となるルノーカングーの兄弟車「タウンスター」(NV250の後継モデル)がデビューしたタイミングに合わせて欧州の日産LCVはネーミングを変更。既存のNV400が「インタースター」、そしてこのNV300も「プリマスター」に戻され、以前の名前が復活することになりました。(2022年1月追記)
日本市場には、兄貴分となるNV400(インタースター)と共に一部の例外を除いて正規で導入された実績はありません。(NV400をベースとした特注の電気自動車仕様が救急車として東京都に導入されています)
日産 NV300コンビ 紹介動画(約1分10秒)
ココがスゴイ!日産 NV300(プリマスター)
日産 NV300(プリマスター)を語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- エクステリア/インテリアをはじめ多くの部分がアップデート
- 最新のEuro6D-Full規制をパスしたパワーユニットを採用
- ダイレクトなフィーリングが魅力の2ペダルEDCの設定
- 日産の日本仕様FFミニバンにはない9人乗り仕様
- 安全性能および運転支援技術の強化
スタイリングとインテリア
- インターロックグリルの新採用し、より日産車であることを強くアピール
- 昔から日産がもつイメージを表現したエクステリア
- ドライバーのために一新されたキャビン
- 広大なラゲッジ空間を提供する6人乗り仕様も設定
NV300(プリマスター)のボディタイプは、全長:5,080mmのショートホイールベース(L1)と、5,480mmのロングホイールベース(L2)の2種類が設定。用途に合わせて選択可能です。
今回のフェイスリフトではフロントフェイスのイメージを一新。新デザインのLEDヘッドランプや、日産独自のデイタイムランニングランプを新たに採用するほか、新採用された存在感のあるインターロックグリルはほかの日産車と共通するイメージに仕上がっています。これにより比較的にベースとなるトラフィックとあまり差別化がされていなかった従来モデルと比較して、新型NV300(プリマスター)コンビが日産車の一員であることを強くアピールしています。
今回のブラッシュアップはメーカー自身も「力強さ」「安定性」「堅牢性」のバランスが取れたエクステリアにアップデートされたことで、「俊敏性」と「信頼性」という昔から日産が持つイメージを表現している。とアピールするなど自信が伺われます。
インテリアも今回のフェイスリフトに合わせてアップデート。ダッシュボードはインフォテイメントシステムのタッチスクリーンを最も見やすい最上段に配置しするなどドライバーのためにデザイン一新。新たに「スマートコックピット」と名付けました。ダークカラーを採用したこのダッシュボードはサテンクロームのボタンを配置するなど乗用車ライクなプレミアム感を演出しています。使い勝手についてもブラッシュアップされており、新たに助手席床下をはじめ、合計88L分の収納空間が増えました。
シートはLCV譲りの長時間乗っても疲労が少ないしっかりとしたもの。仕様によっては折りたたみ式の助手席ベンチシートや取り外し可能なシートを採用し多彩な使い方が可能です。日本の日産FFミニバンでは選べないフロント3人掛けシートが設定された3列9人乗りに加えて、広大なラゲッジスペースを確保できる2列6人乗り仕様も選択できます。
インフォテイメントシステムは、8インチのマルチタッチ式のディスプレイを備えた最新の「Nissan Connect」にアップデート。スマートフォンとのシームレスな接続が可能でAppleCarPlay/AndroidAuto経由でスマートフォンナビゲーションを使用可能です。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ディーゼルのみの設定。
- ディーゼル
2.0L 直4 ディーゼル dCi110 110PS (81kw)/320Nm
2.0L 直4 ディーゼル dCi150 150PS (110kw)/350Nm
2.0L 直4 ディーゼル dCi170 170PS (125kw)/380Nm
組み合わせるパワートレインは、すべて2.0L直4ディーゼルのdCiに110PS(dCi110)/150PS(dCi150)/170PS(dCi170)の3種類のチューニングから選べます。全車に可変ジオメトリーターボを採用しハイパワーと大きなトルクを提供する一方、AdBlueの使用と各所をブラッシュアップすることで環境性能を高めて、全てのユニットで最新のEuro6d-Full規制をパスしています。
駆動方式はFF。トランスミッションは6速MTを中心に、dCi150とdCi170にはダイレクトなフィーリングが魅力の2ペダル6速EDCが引続き設定されています。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:マクファーソンストラット、リア:コイルスプリングの組み合わせは従来モデルから継承。欧州LCVならではの長距離長時間の乗車でも疲労の少なさは魅力。フル乗車でも全員が快適に移動が可能です。
今回のフェイスリフトでは安全性能もアップデート。アダプティブクルーズコントロールや車線逸脱警告、ブラインドスポット警告をはじめとする先進運転支援システム(ADAS)を採用しました。ほかにも、助手席2名掛け部分を保護する改良されたフロントエアバッグが新たに採用されました。これらの改良により運転が快適になっただけでなく、運転支援技術の強化により安全性も向上しています。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】5,080×1,956×1,935 mm
【ホイールベース】3,098mm 【トレッド】前/後:- / -mm
【車両重量 2,017kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒ターボ DOHC16V フロント横置き 気筒休止機構付
【総排気量】1,997cc 【直径×内径】 -×-mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】170ps(125kw)/3500rpm 【最大トルク】380Nm/1500rpm
【燃料容量】80L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】6EDC
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)コイルスプリング
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)215/65R16
●パフォーマンス
【最高速度】184km/h 【0-100km/h加速】10.6秒
【燃費】約13.3km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2021モデル:€45,440
歴史とトリビア
日産 NV300(プリマスター)関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- ルノー トラフィックをベースにしたプリマスターの後継車種
- アライアンス内外含め4種類の兄弟車種が存在
- 現時点でコンビのみの専用エクステリア
- 兄弟車のルノートラフィックもほぼ同時にフェイスリフト
- 2021年秋に再びプリマスターの名称が復活
ライバル
ウィズカーズでも数々の車種を紹介している欧州5mクラスLCV。ベースとなったトラフィック以外にも多くのライバルが存在します。トヨタ プロエースも含めて多くの兄弟車のあるグループPSAのシトロエン ディスパッチや、正規輸入されていませんが日本でも多くのファンがいるフォルクスワーゲン T6.1カラベルなどと熾烈な戦いを挑む、欧州でも熱い市場のひとつと言えるでしょう。
- ルノー トラフィック
- フィアット タレント
- シトロエン スペースツアラー
- トヨタ プロエース・ヴァーソ
- プジョー トラベラー
- フォルクスワーゲン T6.1カラベル
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
欧州で順調な販売実績を上げるNV300(プリマスター)ですが、ルノーのLCVをベースとしたモデルが日本に正規導入された実績がありません。日本市場にはNV350キャラバンやエルグランドとの競合を避けるため今後もこのモデルが正規導入される可能性は残念ながら低そうです。そのため確実に手に入れるなら並行輸入が確実な方法です。
乗用仕様となるコンビのグレード構成は以下の通りです。新型モデルは現時点で左ハンドル欧州市場から展開されております。
グレード構成(左ハンドル欧州仕様:コンビ)
- ACENTA
フロント/リアマニュアルエアコン、リアパーキングエイド、インテリジェント・オートマチック・ヘッドライト、フルLEDヘッドライト、4.2インチTFTカラーディスプレイ付きドライバーインフォメーションシステムなどが装備 - N-CONNECTA
(ACENTAに対して)スマートフォンミラーリング機能付き8インチタッチスクリーン、360度エッジプロテクション、ブラインドスポットアシスト、電動格納ドアミラー、I-Keyセントラルロックなどが装備 - TEKNA
(N-CONNECTAに対して)スライドウィンドウ付き左側スライドドア、NissanConnectナビゲーションシステム、スマートフォンワイヤレス充電、ハイビームアシスト、インテリジェント・レーン・キーピング・アシストなどが装備
このなかでもオススメはN-CONNECTAのL1ボディにdCi170と7EDCの組み合わせです。これはスマートフォンミラーリングなどにも対応した8インチタッチスクリーンなど充実した装備のN-CONNECTAに、取り回しをしやすいショートホイールベースのL1ボディと最もハイパワーなdCi170に2ペダルEDCと、日本のユーザーの嗜好に最もマッチした仕様としてのチョイスです。
各所をさらに磨きを掛けた新型NV300コンビ(プリマスター)ですが、日本で展開されるNV350キャラバンワゴンやエルグランドでは満足できない日産ファンのオーナーにこそぜひ選んで頂きたい一台です。
- 日産 NV300 Kombi N-CONNECTA L1H1 2.0 dCi170 EDC(左ハンドル欧州仕様)
- 日産 NV300 Kombi TEKNA L2H1 2.0 dCi170 EDC(左ハンドル欧州仕様)
ほかにもロングホイールベースやMT仕様なども並行輸入可能ですのでお気軽にお問合せください。合わせて右ハンドル英国仕様をご希望の方には、英国市場で発売開始され次第に並行輸入できますので、お気軽にお問い合わせください。
(£1=1**円/€1=130円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€45,440)\7,980,000⇒新発売記念キャンペーン(お問い合わせください。)
(現地値引き交渉前価格:€44,999)\7,894,000⇒新発売記念キャンペーン(お問い合わせください。)
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。