フォルクスワーゲングループ入り直後は、「ジェネリックワーゲン」的なイメージのあったシュコダですが、時を重ねるたびに質感が向上して今やフォルクスワーゲングループのなかでも独自のプレミアム感を感じられるブランドに成長しました。そんなシュコダのベーシックモデルがフルモデルチェンジ。質感向上だけでなく使いやすさを考えて進化しました。
今回はシュコダのコンパクトカー、ファビア(SKODA Fabia)の2021年に欧州でフルモデルチェンジした新型モデルを解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
シュコダ ファビアとは
ファビアはシュコダのBセグメントクラスのコンパクトカーです。Aセグメントのシティゴー(フォルクスワーゲン Up!の兄弟車)がラインナップから外れたいま、シュコダのボドムレンジを担うモデルとなります。サイズは全長:4,108mm×全幅:1,780mm×全高:1,459 mm(ミラー部分を含まず)と、国産車では日産 ノート オーラやマツダ 2に近いサイズです。幅が少し超える以外は5ナンバーサイズに近いため日本で乗るのに丁度よいコンパクトさです。
初代モデルのデビューは1999年。シュコダがフォルクスワーゲングループ入りして初めてリリースされたフェリシアの後継的なポジションとしてデビュー。プラットフォームを共有する車種にフォルクスワーゲン ポロ、セアト イビザがありこの関係は現在まで続いています。2007年の2代目、2014年の3代目を経て、現在販売されているモデルは4代目は2021年にフルモデルチェンジされました。4代目モデルのトピックのひとつがプラットフォームの刷新。ファビアとしては初となるMQBモジュラープラットフォーム(MQB-A0)を採用し、各所が近代化されました。ボディサイズは旧型モデルと比べて大きくなり、全長は4mを超えましたが、合わせて室内空間も拡大。ホイールベースも拡大され、2,564mmというホイールベースはCセグメントクラスの初代オクタビアを上回るものになりました。旧型モデルに設定されていたスポーティ仕様のモンテカルロは現時点で設定されていませんが、今後追加予定ではないかと現地では言われています。
欧州ではBセグメントで好調な販売実績を上げている一方、日本ではシュコダブランドが展開されていないため、ファビアが正規導入された実績はありません。
シュコダ ファビア コンセプト紹介動画(約40秒)
ココがスゴイ!シュコダ ファビア
シュコダ ファビアを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- 従来モデルより正常進化
- より広くより快適に
- 空力性能を追求し環境性能や燃費性能向上に貢献
- シュコダのスローガン「SimplyClever」に則った数々の便利アイテム
- ワンタンクで900Km以上走れる足の長さ
スタイリングとインテリア
- 最新のシュコダ車に共通する矩形のラインを融合した彫刻的な造形
- 空力性能の向上を実現するために設計されたエクステリアパーツ
- 上級車種に匹敵する上質なインテリア
- SimplyCleverのコンセプトを具体化したクラスレスなおもてなし
ファビアのエクステリアでまず目に入るのがデザイン。大きめのメッキグリルを中心にシャープでスリムなヘッドラインを繋ぎ、リアに向けてシャープなラインを描きます。リアセクションは最新のLEDテクノロジーを採用したリアランプを含めて楔形のラインを複雑に融合させた彫刻的な造形は最新のシュコダ車に共通するディテールです。これはさながらショートワゴンのミニ・スカーラとも言えそうです。
もう一つのポイントが空力性能の向上。新たに採用されたアクティブクーリングシャッターは、冷間時の暖気を早めて燃焼効率を改善するだけでなく、空気抵抗を減らすことで空力性能を高めます。ほかにも乱気流を抑制するサイドのフィン、ドアミラー、ホイール、空気の流れを考慮したアンダーパネルなどのアイテムを装備。これらはCFD(計算流体力学)を用いて設計されており、Cd値は従来モデルの0.32から0.28に向上。この値はクラス最小記録で、燃費性能向上に貢献しています。
インテリアは最大9.2インチのタッチスクリーンを中心に、シンプルな操作体系を配置したダッシュボードは落ち着いた印象。このインパネのほかファブリックやインテリアパーツなどをカッパーカラーのバイトーンにしたシックなインテリアも選択可能です。従来モデルより大幅に質感が向上しており、メーカーはワンセグメント上級になるオクタビア並みの質感であるとコメントしています。
インテリアのポイントは使い勝手の追求です。それは近年シュコダが掲げるスローガン「SimplyClever」のコンセプトを具体化した便利機能の数々。折りたたみ式の助手席バックレスト、フロントシートバックのスマートフォン収納ポケット、トランク内の折りたたみ式フレキシブルコンパートメント、配線を目立たずドライブレコーダーに電源供給するバックミラーUSBアウトレット、上級車種にも採用されるドアパネルに内蔵される専用傘やリアエアコンアウトレットなど日常生活を快適にする43の実用的なアイテムが装備されており、クラスレスなおもてなしを提供します。
ほかにもデジタル面でも進化し、ファビアのロゴが入る10.25インチのフルデジタルメーターとスマートフォン接続(AppleCarPlay/AndroidAuto)対応のインフォテイメントシステムが選択可能で、これらは一見3スポークに見える印象的なデザインのマルチファンクションステアリングで操作可能です。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ガソリンのみ設定。
- ガソリン
1.0L 直3 自然吸気 MPI 65PS (48kw)/93Nm
1.0L 直3 自然吸気 MPI 80PS (59kw)/93Nm
1.0L 直3 ターボ TSI 95PS (70kw)/175Nm
1.0L 直3 ターボ TSI 110PS (81kw)/200Nm
現時点のファビアに設定されるのは、全てガソリン直3 1.0Lユニットで自然吸気のMPIとターボのTSIが設定されます。
MPIユニットはピストンを含むクランクシャフトアッセンブリーの最適化とフリクション低減、エキゾーストマニホールドを再設計することで旧型モデルよりも出力と燃費性能の向上を実現しています。TSIユニットはフォルクスワーゲングループ内の多くのモデルに採用される最新のダウンサイジングターボユニット。シリンダーライナーにプラズマコーティングを施すことでこちらもフリクションの低減のほか、可変ジオメトリーターボを採用することで燃費性能向上とCO2削減を実現。燃費性能は最もハイパワーなTSIの110PS仕様で21.7km/Lでワンタンクで900キロ以上走れる足の長さ。環境性能は全てのユニットで最新のEuro-6D-ISC-FCMをパスしています。
駆動方式はFF、トランスミッションは5速MTを中心に、ハイパワーのTSI 110PS仕様に6速MTと、2ペダルデュアルクラッチトランスミッションのパドルシフト付き7速DSGが設定されています。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:マクファーソン・ストラット、リア:トーションビームを採用。今回のフルモデルチェンジでは最新のモジュラープラットフォームを採用することで、高い剛性感を得て走りの質感も向上。クラスレスなグランドツーリング性能を手に入れています。
先進機能としてオプションで提供されるトラベルアシストは、アダプティブクルーズコントロールと連携してボタンひとつで操舵を自動的にサポートするシステムを採用。ほかにも安全面の装備として歩行者および自転車検出機能を備えた衝突被害軽減ブレーキや、パークアシストなどが新たに採用されました。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,108×1,780×1,459 mm(ミラー部分を含まず)
【ホイールベース】2,564mm 【トレッド】前/後:1,525 / 1,509mm
【車両重量 1,187kg
●エンジン
【構成】水冷直列3気筒ターボ DOHC12V フロント横置き 気筒休止機構付
【総排気量】999cc 【直径×内径】 -×-mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】110ps(81kw)/5500rpm 【最大トルク】200Nm/2000-3000rpm
【燃料容量】40L
●駆動系
【駆動方式】FF 【トランスミッション】7DSG
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)トーションビーム
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ドラム
【タイヤ】(前後)185/65R15
●パフォーマンス
【最高速度】193km/h 【0-100km/h加速】9.9秒
【燃費】約21.7km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2021モデル:€25,470
歴史とトリビア
シュコダ ファビア関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- フォルクスワーゲングループ入りして初の車種 フェリシアの後継
- 初代登場から世界で450万台以上のセールスを記録
- ファビア初のMQB-P0プラットフォームを採用
- 2,564 mmのホイールベースは初代オクタビアを上回る長さ
- 従来モデルにあったモンテカルロ仕様は現時点で設定なし
ライバル
欧州Bセグメントはワンクラス上のCセグメント同様、各社が力を込めたコンパクトを投入する競争が熾烈な市場であり、グループ内の兄弟車以外にも多くのライバルが存在します。そのなかでもトヨタ ヤリスやプジョー 208が近しいライバルと言えそうです。
- フォルクスワーゲン ポロ
- セアト イビザ
- フォード フィエスタ
- オペル/ボクスホール コルサ
- プジョー 208
- ルノー クリオ
- トヨタ ヤリス
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
歴代モデルはどれも好調なセールス実績を上げているファビアですが、シュコダブランドが日本で展開されていないことや、プラットフォームを共有するフォルクスワーゲン ポロやアウディ A1が日本で導入されており、競合を懸念するとファビアが今後も日本市場に正規導入される可能性は残念なながら低そうです。そのため、新型ファビアをいち早く確実に手に入れるなら並行輸入が確実な方法です。
ファビアのグレード構成は以下の通りです。現時点で新型モデルは左ハンドル欧州仕様からの展開されており、今後右ハンドルの英国市場にも追加予定のようです。
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)
- EASY
15インチスチールホイール+フルホイールキャップ、レーンキープアシスト、SkodaConnect、4スピーカー、USBポート×2などが装備(エアコンは設定なし) - ACTIVE
(EASYに対して)LEDヘッドライト、ボディ同色電動式ヒーテッドドアミラー、マニュアルエアコン、ドア/リアサイドトリムなどが装備 - AMBITION
(ACTIVEに対して)SmartLink(AppleCarPlay/AndroidAuto対応)、Bluetoothハンズフリー、高さ調整可能なフロントシート、マルチファンクションレザーステアリング、6スピーカー、クルーズコントロールなどが装備 - STYLE
(AMBITIONに対して)15インチアルミホイール、ヒーターつきフロントコンフォートシート、フロントセンターアームレスト、フロント/リアパワーウィンドウ、キーレス、リアパーキングセンサーなどが装備
新型に進化したファビアですが、そのなかでもおすすめは、左ハンドルのSTYLEにガソリンターボTSIのなかで最も高出力な110PS仕様に2ペダル 7速DSGの組み合わせ。ファビアのなかでもアルミホイールなどを標準装備し、落ち着いたバイトーンカラーのインテリアも選択できるSTYLEグレードは、従来モデルから大きく質感が上がった新型ファビアの良さを最も味わえるチョイスです。日本にも導入される同じグループ内のポロやA1ともひと味違う、質感だけでなく使い勝手も考えられた「SimplyClever」なコンパクトを選んでみませんか?
- シュコダ ファビア STYLE 1.0 TSI 81kW 7DSG(左ハンドル欧州仕様)
- シュコダ ファビア ACTIVE 1.0 MPI 48kW 5Manual(左ハンドル欧州仕様)
ほかにもベーシックグレードやMTの仕様なども並行輸入可能です。現時点で販売されていない右ハンドル英国仕様ご希望するお客様も発売開始次第並行輸入できますので、お気軽にお問い合わせください。
(€1=130円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€25,470)\4,888,000
(現地値引き交渉前価格:€16,540)\3,557,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。