最近日本でも人気上昇中のキャンピングカー。大小様々なモデルがありますが、「ユーロキャンパー」と言うとフォルクスワーゲン(以下VW)のキャンパーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?今回は欧州キャンパーの老舗ブランド、VWの最新キャンパーとなる新型 T6.1 カリフォルニア (VOLKSWAGEN T6.1 California)を解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報をご紹介します。
※英国仕様の正式名は「カリフォルニア 6.1」ですが、ここでは一般に浸透している「T6.1 カリフォルニア」と呼称します。
フルクスワーゲン T6.1 カリフォルニアとは
フォルクスワーゲン カリフォルニア 6.1は、同社の5mクラスとなるLCVベースのキャンパーモデルです。T6.1には貨物用途の商用バンから乗用用途のミニバンまでありますが、立ち位置としては高級ミニバンのカラベルをベースにキャンパー装備を架装したものになります。
欧州キャンパーではウェストファリアをはじめ、専門のコーチビルダーが架装するものが多いですが、T6.1 カリフォルニアはVW自身が架装を行うメーカー純正キャンパーであることが特徴です。
現在販売されているモデルは、2019年に従来のT6に対して内外装およびパワーユニットがアップデートされ名称もT6.1となったフェイスリフトモデル。さらにカリフォルニアはキャンパー装備も各所がアップデートされています。
ボディはSWB仕様をベースにしており、2階建てになるポップアップルーフを全車標準装備。サイズは全長:4,904mm×全幅:1,904mm×全高:1,990mmと、国産キャンパーではハイエースのワイドモデルを架装したものに近いです。
T6.1ファミリーは、フォルクスワーゲンのなかでも商用車部門となるフォルクスワーゲンコマーシャルのプロダクトになりますが、カリフォルニアも同様の扱いになります。
ココがスゴイ!フォルクスワーゲン T6.1 カリフォルニア
フォルクスワーゲン T6.1 カリフォルニアを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- メーカー純正架装ならではの作りの良さ
- 快適に車中泊できる各種キャンパー装備
- 最新の環境基準をパスした新パワーユニット
- メーカー純正のAWD仕様を設定
- 走りの良さとキャンパーの快適性を両立した「キングオブ・ユーロキャンパー」
スタイリングとインテリア
- フェイスリフトでフロント/リア共にアップデート
- ベースモデルから違和感なくキャンパー化
- フェイスリフトでリビング部分が拡大
- 4人が快適に移動/就寝できる室内空間
ボディタイプはSWB仕様のみでLWB仕様の設定はありません。フェイスリフトでフロントおよびリアのランプを中心に各所がアップデートされました。そのなかでも特にサイドまで伸びるヘッドライトのラインが精悍な印象を与えます。
キャンパー化にあたりポップアップルーフやサイドオーニング(タープ)などが装備されますが、ベースとなるカラベルからボディラインを大きく変更せず、違和感なく架装されています。このあたりはメーカー純正架装の優位点と言えるでしょう。
ドアはリアドアはスライドドア、バックドアは跳ね上げ式です。カラベルとの違いは、シンクが装備されるため左右ハンドル問わず、右片側スライドドアになります。
そして歴代VWキャンパーの象徴とも言えるポップアップルーフは全車に装備。ルーフ側のパネルを外せば室内の開放感に繋がります。
インテリアは、元から質感の高さが魅力のカラベルがベースとあって、シート、インパネ、各種トリムの仕上がりは一級品。キャンパーとしての居住性の高さも合わせて実現しています。インテリアトリムは3種類に加え、床下フローリング仕様もオプションで設定されます。
さらに今回のフェイスリフトではリビング空間が見直され、さらに拡大されました。
リアシートはT6.1 カリフォルニア専用の2人掛けベンチシートになるため、乗車定員は就寝定員と同じ4人になります。
快適な車中泊を実現するキャンパー装備
T6.1 カリフォルニアの魅力の筆頭は、やはり充実したキャンパー装備群でしょう。長年VWが培った実績があるからこそ考え抜かれた自慢の装備の数々です。
- 室内空間はそのままに完全収納可能な車外キャンパー装備
ルーフから簡単に展開できるタープ、折りたたみ式テーブルとチェアを標準装備。さっと組み立てれば、ほんの数分でアウトドアリビングの完成です。さらにこれらは室内空間を犠牲にすることなく車内に完全収納可能できます。
- 定員4名が快適に寛げるベッドを装備
就寝スペースは、室内にラウンジ機能付きベッド(1,140×2,000mm)とポップアップルーフにスプリング内蔵ベッド(1,200×2,000mm)を持ち、それぞれに2名が就寝可能です。室内側のベッドが若干小さいですが、上下合わせて定員の4人が快適に寛げる就寝スペースが用意されています。
- 豊富なシートアレンジ
シートアレンジは豊富で前席は回転対座機能も備わっています。就寝時以外は室内はリビングとして快適な空間が提供されます。
- 充実のキッチンユニット
すっきりとインストールされているキッチンユニットには、ガスコンロ(2口)、ガスクーラー式冷蔵庫(42L)、シンクのほかに、収納可能なリビング用テーブルが内蔵されています。シンクの隣に設置されるカップボード(食器棚)は、オークウッド地とグラファイトグレーから選択可能です。
※ガスコンロは国内法規等の関係でアダプタを介しイワタニ製ガスボンベの利用が主流です。
- 各部に配置され大容量の収納スペース
ルーフコンパートメントや、ワードロープ、リアシートの下にも収納スペースが用意されています。
- ほかにもまだある便利装備
各ピラーに内蔵されたプライバシーを守るワンタッチのウィンドゥスクリーンや、給水タンクから接続するシャワーなども備わります。今回のフェイスリフトでは、ヘッドアップパネル内に各種キャンパー装備を操作できるタッチスクリーン式コントロールユニットが採用されました。
搭載されるエンジンと燃費
搭載されるエンジンは2.0Lディーゼル(2仕様)のみの設定。
- ディーゼル
2.0L 直4 ターボディーゼル TDI 150PS(110kw)/340Nm
2.0L 直4 ツインターボディーゼル BiTDI 新204PS(146kw)/450Nm
2.0Lのディーゼルエンジンは150PSのシングルターボと新204PSのツインターボの2種類が設定。今回のフェイスリフトでは環境性能が向上し、Euro6D-Tempをクリア。燃費性能はハイパワーな199PS・4MOTION仕様の場合、欧州複合(WLTP)で13.3km/Lです。
駆動方式はFFに加え、メーカー純正となるAWD仕様の「4MOTION」が設定されています。トランスミッションは全仕様に7速DSGが組み合わされます。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:マクファーソンストラット、リア:トレーディングアーム。一部グレードには電子制御サスペンション(DDC)がオプションで設定されています。T6.1では電動パワーステアリングを初採用しましたが、大柄なボディを確実に操れると評価されているようです。
グランドツーリング性能の高さは歴代モデルから続く美点で、キャンパー化により重心が高く重量が増加したカリフォルニアであっても例外ではありません。AWDの4モーションなら路面状況・天候を問わず安定した走行が可能です。
豊富なドライバー支援システム・安全装備
T6.1 カリフォルニアには最新かつ様々なドライバー支援システムや安全装備が備わります。(一部オプション設定あり)
- パーキングアシスト(ステアリング操作を自動化、縦列駐車等をサポート)
- 駐車時後方支援(後退時に接近する車両を検知し警告。自動ブレーキ付)
- アダプティブクルーズコントロール(車間制御・緊急ブレーキ機能付き)
- レーンキープアシスト(走行車線維持機能)
- 横風アシスタント(強い横からの突風時に自動ブレーキで車体を安定化)
- エッジ・側面保護(周囲の障害物を感知して進路を誘導)
- ヒルディセントコントロール(下り坂での車速制御)
- トレーラーアシスト(トレーラーの後退時や駐車時の動きをモニター)
- 交通標識認識機能、タイヤ空気圧モニタリング
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】4,904×1,904×1,990 mm
【ホイールベース】3,000mm 【トレッド】前/後:- / -mm
【車両重量】2,675kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒ディーゼルツインターボ DOHC16V
【総排気量】1,968cc 【直径×内径】81.0×95.5mm 【圧縮比】19.0:1
【最高出力】新204ps(146kw)/3800-4000rpm 【最大トルク】450Nm/1400-2400rpm
【燃料容量】80L
●駆動系
【駆動方式】AWD 【トランスミッション】7DSG
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)トレーディングアーム
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)-
●パフォーマンス
【最高速度】194km/h 【0-100km/h加速】-秒
【燃費】約13.3km/L(新欧州複合基準)
【価格】英国仕様 2019モデル:£70,066
歴史とトリビア
VWのキャンパーモデルの歴史は長く約60年。トランスポーターのTシリーズと共に歩んできたと言っても過言ではありません。当初はウェストファリアが架装していたキャンパーモデルをVW自身が販売し、この当時から優れたキャンパー装備と印象的なポップアップルーフという組み合わせは既に完成していました。
その後も全てのモデルにキャンパー仕様が設定されており、どの世代も根強いファンがいます。T5からはVW自身がキャンパー架装するようになり、今では名実共にVW自身純正キャンパーとして支持されています。
このカリフォルニアの人気から、2018年にはより大きなキャンパーを求めるユーザーのために、大型LCVのクラフターをベースにキャンパー架装した「グランドカリフォルニア」が追加されました。
ライバル
かつてからキャンピング文化のある欧州では、カリフォルニア6.1のようにメーカー純正キャンパーは少ない一方、多くのコーチビルダーがキャンパー架装を行っています。カリフォルニアのライバルとしては、ウェストファリアが架装したメルセデス・ベンツ Vクラス・マルコポーロや、近々発売予定と言われる老舗LCVブランドのトランジットをベースにしたフォード トランジット・カスタム ナゲットなどがあります。
- メルセデス・ベンツ Vクラス マルコポーロ
- フォード トランジット・カスタム ナゲット
- ルノー トラフィック キャンパー
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
かつてはウェストファリアが架装したVWのキャンパーを日本でヤナセが導入していた実績はありますが、最近のモデルは導入されていません。最近フィアットがデュガートをキャンパーの架装ベースとして提案した以外は、欧州メーカーのインポーターがキャンパーの正規導入にはあまり積極的でないため、手に入れるには並行輸入が最も確実な方法です。
英国でのグレード構成は、ベースグレードのコーストと上級モデルのオーシャンの2種類が設定されています。
- コースト(COAST)
16インチアルミホイール、マニュアルポップアップルーフ、衝突被害軽減ブレーキ機能付きアダプティブクルーズコントロール、プログラム設定可能なリモコン付きヒーター、オーニングなどが標準装備 - オーシャン(OCEAN)
COASTに対して17インチアルミホイール、LEDヘッドランプ、デジタルコックピット&ドライバーアラートシステム、フロント断熱ガラス、プライバシー対応リア二重ガラス、パーキングセンサーなどが装備
そのなかでもオススメは、オーシャンに199PSのBiTDIディーゼルとDSG、4MOTIONの組み合わせを挙げます。これはカリフォルニアのなかでも最も装備が充実しハイパワーな仕様。まさに「キングオブ・ユーロキャンパー」としてのチョイス。路面を選ばないグランドツーリング性能と、乗員全てが快適に寛げるスペースを合わせ持ったT6.1 カリフォリニアは、いつでもどこまでもコンディションを問わず頼れる旅の友になるはずです。
- フォルクスワーゲン T6.1 カリフォルニア オーシャン SWB 新204PS 2.0TDI 7sp DSG 4MOTION
- フォルクスワーゲン T6.1 カリフォルニア コースト SWB 150PS 2.0TDI 7sp DSG
ほかにも価格を抑えたい方には、装備が簡素化されたコースト、150PSのシングルターボ仕様など、予算や希望に合わせた選択も可能です。ほかにもさまざまな仕様があるT6.1ですが、キャンパーのT6.1 カリフォルニア以外の仕様も並行輸入可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
(£1=135円時・値引き交渉前価格)
(値引き交渉前現地価格:£70,066)\12,607,040
(値引き交渉前現地価格:£55,281)\9,697,000
ディーゼル車をご希望の方へ
参考乗出し価格が掲載されていない場合には、別途お見積りいたしますのでお問合せ下さい。
なお、ディーゼル車を取り巻く環境は年々厳しくなっています。ディーゼルエンジン搭載車をご希望の場合には以下の記事もご覧ください。
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。