ドイツのプレミアムブランドとして恐らく誰もが思い浮かべるメルセデス・ベンツ。このメルセデスが手掛けるMPVのVクラスは日本にも正規導入されて人気を博しているほか、日本未導入仕様(4Matic及び、エンジン)に対するユーザーからの関心も高く、ウィズトレーディングでもお問い合わせや販売実績の多いモデルのひとつです。このVクラスが日本よりひと足先に欧州ではフェイスリフトを行い、各所がアップデートされました。
今回はメルセデス・ベンツのMPV「Vクラス(MERCEDES BENZ V-Class)」のフェイスリフトした新型モデルを解説。概要・スペック・価格・並行輸入で乗るための情報を解説します。
メルセデス・ベンツ 新型Vクラスとは
Vクラスは、メルセデス・ベンツのミドルサイズLCVをベースにしたMPVモデルです。ボディサイズは全長:5,140mm×全幅:1,928mm×全高:1,880mm(Longボディ/ミラー部分を含まず)と、国産車では高級ミニバンのトヨタ アルファード/ヴェルファイアより大きくレクサス LMに近いサイズとなります。
初代モデルのデビューは1996年、ミドルサイズLCVのヴィトー(Vito)をベースに乗用MPVとして開発されたのがW638型の初代Vクラスとなります。駆動方式はFFを採用し、メルセデス製4気筒ユニットのほか、上級モデルのV6エンジンにはフォルクスワーゲン製のVR6ユニットに準じたものが組み合わされました。これはFFレイアウトおよびエンジンスペースの関係からコンパクトなこのユニットが選ばれたと言われています。2003年にデビューした2代目モデルのW639型は「ビアノ(Viano)」の名前に変更され(のちにVクラスに戻されました)、駆動方式もFFからFRに変更されています。合わせてV6エンジンはメルセデス製のものが採用され、より高いレベルの走りを手に入れたほか、新たにウェストファリアと共同開発したメーカー純正キャンパーの「マルコポーロ」が追加されたのがトピックのひとつです。
2014年には3代目となるW447型がデビューしています。2代目同様FRレイアウトを採用したこのモデルは乗用MPVとしてさらに完成度が高まりました。2019年にはフェイスリフトが行われ、ダウンサイジングされたパワーユニットが新たに採用されたほか、モデル初のBEV仕様となるEQVが追加されました。
2023年には再びフェイスリフトが行われ、これが現在販売されているモデルとなります。3代目デビューから10年近くが経過していますが、メルセデス・ベンツのフラッグシップMPVとして相応しい商品性を保つため、エクステリアおよびインテリアの各所がさらにアップデートされたほか、インフォテインメントシステムなどをはじめとするデジタル面など今回も広範囲に渡り改良がされています。より高まった完成度とブランドバリューにより欧州現地では購入後の価値が下がらないモデルとして高い評価を得ています。
日本市場には初代モデル以降、各世代が正規導入されておりますが、欧州で現在販売されている2023年にフェイスリフトが行われた最新モデルはまだ導入されておりません。
メルセデス・ベンツ 新型Vクラス紹介動画(約1分10秒)
ココがスゴイ!メルセデス・ベンツ 新型Vクラス
メルセデス・ベンツ 新型Vクラスを語るうえで外せないポイントが以下の5つです。
- プレミアムMPVとしてより豪華にアップデート
- Sクラスのようなエクステリア要素を採用
- Vクラス初のマイルドハイブリッド仕様の設定
- 新たなデジタルデバイスの採用
- AWD仕様の4MATICも引き続き選択可能
スタイリングとインテリア
- 用途に合わせて選べる3つのボディタイプを設定
- 水平基調のフロントグリルおよびボンネットマスコットを新採用
- デジタル面を融合した新設計のインストルメントパネル
- インフォテインメントシステムの操作体系をアップデート
ボディタイプは従来モデル同様、全長4,895mmのKompakt(左ハンドル欧州仕様のみ)、全長5,140mmのLong(左ハンドル欧州仕様はLang)、全長5,370mmのExtraLong(同ExtraLang)の3種類が設定されており、ユーザーの使い方やニーズに合わせて選択可能です。
エクステリアのフロントセクションは、従来モデルから大型化されたフロントグリルと新デザインのフロントバンパーが採用され、より迫力が増しました。ヘッドライトには84個のLEDエレメントを備える新デザインのアダプティブ・マルチビームLEDヘッドライトが仕様により組み合わされます。リアセクションは、リアLEDライトおよびリアバンパーも新デザインのものが採用されたほか、バックドアのスリーポインテッドスターの上部には新たにメルセデス・ベンツのレタリングが入りました。両側スライドドア(マルコポーロを除く)には仕様により電動式が設定され、バックドアは狭いところでも荷物を出すことができるガラスハッチが装備されています。
ほかにも、今回のフェイスリフトではEXCLUSIVE仕様に水平基調のクローム処理が印象的な新設計の専用フロントグリルが採用されたのに加え、Vクラスでは初となるボンネットに直立するスリーポインテッドスターのマスコットが配置されました。さながらSクラスMPVのような雰囲気に仕上がっており、メルセデス・ベンツのフラッグシップMPVであることを強く主張しています。
インテリアは今回のフェイスリフトでインストルメントパネルが再設計され、新しいデザインのものにアップデートされました。新たに採用された2つの大画面高解像度スクリーンの統合をはじめ、スタイリッシュな形状のエアベントや、64色が設定可能なアンビエントライティング、アルミニウムやナッパレザーを用いたインテリアは、プレミアムMPVとして相応しい仕上がりになっています。一方、Vクラスの魅力は豪華なだけではありません。従来モデルに引き続き、ゴルフバックが縦に積むことができる大きなラゲッジスペースなどユーティリティ性の高さは、質実剛健なLCVベースならではの美点と言えるでしょう。
シート配列は、可倒式でフルフラットにできる2列目/3列目の3人掛けシートを採用した8人乗りのほか、2列目を独立したキャプテンシート/3列目3人掛けシートの7人乗り、高品質なナッパレザーを採用し、個別で調整が可能でマッサージ機能を備えるファーストクラスのような2列目2人掛けシート/3列目2人掛けシートの6人乗りがあり、乗員および使い方に合わせた仕様が選択可能です。
デジタル面については、より最適化されたアシスタント機能をもつ最新のMBUXをインフォテインメントシステムに採用しました。組み合わされるワイドスクリーンコックピットとタッチスクリーンはそれぞれ12.3インチに拡大されたほか、新設計の新世代ステアリングには、静電容量式のタッチコントローラーがスポークに組み込まれて各種コントロールが可能です。一部仕様にはハイエンドオーディオブランドであるBurmsterのサウンドシステムを採用しており、移動中の室内を快適なリスニングルームに変えてくれます。
搭載されるエンジンと燃費
パワーユニットは、ディーゼルとマイルドハイブリッドが設定。
- ディーゼル
2.0L 直4 ターボ V220d OM654 163PS(120kw)/380Nm
2.0L 直4 ターボ V250d OM654 190PS(140kw)/440Nm
2.0L 直4 ターボ V300d OM654 237PS(174kw)/500Nm - ガソリンマイルドハイブリッド
2.0L 直4 ターボ+48ボルトISG V300 M254 231PS(170Kw)/370Nm
ディーゼルは全て2.0L直4ターボとなります。従来モデルでダウンサイジングされた最新のOM654型を継承しており、アルミニウム製ハウジング、NANOSLIDEシリンダーウォールコーティングが施さたピストンなどを採用したこのユニットは、従来モデルで日本市場にも導入される163PS仕様のV220dをはじめ、190PSのV250d、クラス最強と言える237PSのV300dの3種類のチューニングが設定されています。今回のフェイスリフトでは新たにガソリン2.0L直4ターボに48ボルトのISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレータ)を組み合わせたM254型のマイルドハイブリッド仕様が初採用されました。燃費性能は最も出力の高いV300dの欧州複合で12.7km/Lです。
駆動方式はFRとAWD(左ハンドル欧州仕様のみ)が設定されます。トランスミッションは全車9速ATのパドルシフト付き9G-TRONICが組み合わされます。
走行性能とハンドリング
サスペンションはフロント:マクファーソン・ストラット、リア:セミトレーディングアームの組み合わせで従来モデルと同様です。これに加えて、路面状況や走行状況に応じてリアルタイムでダンピングを調整するアジリティ・コントロール・サスペンションをはじめ、さらにコーナリングやグランドツーリング性能を高めたスポーツサスペンション、路面状況を問わずより快適な乗り心地を提供するAIRMATICエアサスペンションが設定されています。
さらに悪天候時や日本での制限速度を大幅に超えるような欧州のハイスピード環境下でも安定した走りを提供するAWDの4MATICは、日本でも降雪地域をはじめ大きな威力を発揮することでしょう。
安全機能では、衝突被害軽減ブレーキのアクティブブレーキアシストは新たに交差点機能が追加され、垂直に交差する車両に対する警告などサポート範囲が広がったほか、360度カメラを組み合わせたパーキングアシストなどが装備されます。
サイズとスペック
【全長×全幅×全高】5,140×1,928×1,880 mm(ミラー部分を含まず)
【ホイールベース】3,200mm 【トレッド】前/後:- / -mm
【車両重量 -kg
●エンジン
【構成】水冷直列4気筒ターボ DOHC16V フロント縦置き 気筒休止機構付
【総排気量】1,950cc 【直径×内径】 -×-mm 【圧縮比】-:1
【最高出力】237ps(174kw)/4200rpm 【最大トルク】500Nm/1600-2400rpm
【燃料容量】-L
●駆動系
【駆動方式】AWD 【トランスミッション】9G-TRONIC
【サスペンション】(前)マクファーソンストラット / (後)セミトレーディングアーム
【ブレーキ】(前)ベンチレーテッドディスク / (後)ディスク
【タイヤ】(前後)245/45R19
●パフォーマンス
【最高速度】214km/h 【0-100km/h加速】8.5秒
【燃費】約12.7km/L(新欧州複合基準)【価格】欧州仕様 2024モデル:€77,506
歴史とトリビア
メルセデス・ベンツ 新型Vクラス関連の歴史とトリビアを簡単にご紹介します。
- 商用用途のヴィトー(Vito)の乗用モデルとしてデビュー
- 初代モデルはフォルクスワーゲン製V6ユニットを搭載
- 2代目モデルでメーカー純正キャンパー仕様のマルコポーロが追加
- 3代目モデルでBEV仕様のEQVが追加
- 同時にヴィトーもフェイスリフトを実施(2023年)
ライバル
欧州MPVであるVクラスのライバルとして近しいライバルは、フォルクスワーゲン T7マルチバンを挙げます。LCVベースであったT6.1から一変、乗用車用プラットフォームを採用して快適性が増したT7マルチバンは手強いライバルと言えるでしょう。国産プレミアムMPVでは欧州市場でも展開がはじまったレクサス LMがサイズも近く、乗用車用プラットフォームを採用したAWDもあるモデルとしてライバルとなりそうです。
並行輸入するなら。オススメのグレードと価格情報
日本でも人気のVクラスですが、新型モデルの導入については現時点(2024年6月現在)で正式にアナウンスされておりません。歴代モデルが正規導入されてきているため、将来的には日本にも何らかの仕様が導入される可能性が高いと思われますが、従来モデル同様に欧州市場で展開される全ての仕様が導入される訳ではないと予想されます。そのため、お好みの仕様をいち早く確実に手に入れるなら引き続き並行輸入がおすすめです。新型Vクラスのグレード構成は以下の通りです。現在左ハンドル欧州仕様および右ハンドル英国仕様共に設定されています。
グレード構成(左ハンドル欧州仕様)
- V-Klasse
17インチスチールホイール+フルホイールキャップ、スターパターンの装飾が入るフロントグリル、デイタイムランニングライト付きヘッドライト、ウインカー内蔵電動調整ヒーテッドドアミラー、両側スライドドア、2列目2人掛けシート、タッチコントロールパネルを備えたナッパレザーマルチファンクションステアリング、MBUXおよび2つの高解像度ディスプレイ(12.3インチ×2)、バックカメラ付きパーキングパッケージなどが装備 - STYLE
(V-Klasseに対して)電動格納ドアミラー、ドアミラー内のアンビエントライティング、自動防眩インナーミラー、運転席/助手席コンフォートシート、TEMPMATICセミオートエアコン(フロント/リア)、リアアームレストカップホルダー、スマートフォン連携パッケージ、後席左右の12Vソケットなどが装備 - AVANTGARDE
(STYLEに対して)17インチ5スポークアルミホイール、クロームルックスターパターンの装飾が入るラジエーターグリル、ハイビームアシスタント・プラスを備えたマルチビームLEDヘッドライト、LEDテールライト、メルセデスロゴ入りクロームトリムストリップ、個別の開閉可能なリアウィンドウ、ルガーノレザーインテリアトリム、運転席/助手席ランバーサポートおよびシートクッション奥行き調整、THERMOTRONICフルオートエアコン、モバイル機器ワイヤレス充電、アンビエントライティング(64色)などが装備 - EXCLUSIVE
(AVANTGARDEに対して)19インチモノブロックデザインアルミホイール、水平ルーバーとLEDライトストリップ付き専用フロントグリル、スリーポインテッドスターのボンネットマスコット、EASY-PACK電動テールゲート、AMGスポイラーリップ、クロームサイドスカート、メタリックペイント、メルセデスロゴ投影、リアプライバシーガラス、デジタルインテリアミラー、艶消しアルミニウムのインテリア装飾、ナッパレザーインテリアトリム、レザー風コックピット、ヒーター付き運転席/助手席電動シート、Burmsterサラウンドサウンドシステムなどが装備
グレード構成(右ハンドル英国仕様)
- Premium
19インチ10スポークアルミホイール、ハイビームアシスタント・プラスを備えたマルチビームLEDヘッドライト、LEDテールライト、電動格納ドアミラー、電動両側スライドドア、EASY-PACK電動テールゲート、リアプライバシーガラス、運転席/助手席ランバーサポート、手動調整コンフォートシート、MBUXおよび2つの高解像度ディスプレイ(12.3インチ×2)、モバイル機器ワイヤレス充電、アンビエントライティング(64色)、コンフォートサスペンション、アクティブブレーキアシストなどが装備 - AVANTGARDE
(Premiumに対して)19インチAMGアルミホイール、AMG Lineボディスタイリング、AMGフロント/リアバンパーおよび専用フロントグリル、ブラックルーフライナー、クロームサイドスカート、AMGカーボン調インテリアトリム、専用スポーツペダルなどが装備
新型Vクラスのオススメは、左ハンドル欧州仕様 Lang(Long)ボディのV300d 4MATICにAVANTGARDEの組み合わせです。これは従来モデルでも日本未導入で最もハイパワーな237PS仕様のV300dに、路面状況を問わず安定した走りを提供するAWDの4MATICと、スポーティなエクステリア/インテリアが備わるAVANTGARDEグレードは、Vクラスのなかで最も走りを楽しめて、グランドツーリング性能が高いチョイスです。一方、プレミアムMPVとしてVクラスのなかでも再上級をお求めになるユーザーには、さながらSクラスMPVとも言える内外装をもつEXCLUSIVEの選択もよいでしょう。
高速域のアウトバーンにも対応する高い安定性と、VIPも納得して貰える極上の移動空間を備えた新型Vクラスは、国産ラグジュアリーミニバンとはひと味違う一台です。メルセデス・ベンツのフラッグシップMPVをこだわりの仕様でお取り寄せしてみませんか。
- メルセデス・ベンツ 新型Vクラス V300d 4MATIC AVANTGARDE Lang 9G-TRONIC(左ハンドル欧州仕様)
- メルセデス・ベンツ 新型Vクラス V300d 4MATIC EXCLUSIVE Lang 9G-TRONIC(左ハンドル欧州仕様)
- メルセデス・ベンツ 新型Vクラス V250d 4MATIC STYLE Lang 9G-TRONIC(左ハンドル欧州仕様)
ほかにも右ハンドル英国仕様をはじめ、上級仕様のEXCLUSIVEグレードや、ベーシックグレード、2WDのFR仕様や、各種ボディタイプの組み合わせも並行輸入できますのでお気軽にお問合せください。
合わせてウェストファリアが架装する純正キャンパーのマルコポーロについても並行輸入可能ですので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
(€1=155/£1=185円時・現地値引き交渉前)
(現地値引き交渉前価格:€77,506)\15,321,000
(現地値引き交渉前価格:€93,743)\18,172,000
(現地値引き交渉前価格:€65,051)\13,135,000
掲載価格について(為替差益、現地ディスカウント還元!)
※ウィズトレーディングでは参考乗り出し価格例として新車、中古車は掲載時の為替レートで表記しておりますが、お見積り等はご依頼時点の為替レートを適用、差益分があれば還元させていただきます。
また、欧州各国の仕入れ先はディーラーとの価格交渉も頑張っております。これらのディスカウントも当然、皆様へのご提案価格へ反映させていただきます。
現地との綿密な相談による「正確さと速さ」をモットーにしています
海外では仕様・オプション等の位置づけが日本の慣習と異なることも多く、並行輸入では注意が必要です。新車・中古車共にご納得のできる仕様を確実にご納車出来るように、時差を考慮しつつ、仕入れ先とは何度も仕様確認や質問事項をやり取りしており、正確さと速さをモットーに務めております。